2018年4月21日 (土)

疑わしいという名のベルバリア
  Bellevalia dubia ssp. boissier

ベルバリア(ベレバリア)・ドゥビア(Bellevalia dubia ssp. boissieri:ユリ科ベルバリア属)が咲きました。


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Bellevaliadubia3


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ベルバリア・ドゥビアは地中海沿岸の球根植物で、イタリア南部、ギリシャを含むバルカン半島、トルコ西部の斜面の瓦礫地に自生しており、ヨーロッパではよく目にするベルバリアのようです。

葉は幅1.5cm、長さ10〜15cmの長披針形で、3〜6枚現れ、地面に伏します。

花序が出てきた頃は大きくなるようには見えませんが、最終的に花茎は15〜30cmの高さになります。

蕾は最初緑色ですが、大きくなるにつれ青紫に色づきます。
花は0.5〜1cmの円筒形で開口部が6裂してベル状に開きます。

花の色が青紫色の頃は、この色で花が開くのかと期待が膨らみます。
花序が上に伸びていき、上の花との間隔が空くようになると、日の当たる上面は青紫色が残りますが、日陰になる下面から、茶褐色の筋が入るようにして薄茶褐色を帯びてきます。

開口部に裂け目が入り、裂片が反り返る頃には全部が濃褐色に変化します。
成熟すると茶褐色に変化するのでしょうか。
それから後は枯れてないのか、枯れているのか分からなくなります。

ベルバリア属の宿命のようなものですが、茶色い花というのは、あまり美しいものではありません。
園芸的に流通していないベルバリア属を育ててみると、その理由が理解できます。

種小名のドゥビアはラテン語のdubiumで 「不確実な、疑わしい」という意味です。どのような特徴を指しているか分かりません。

亜種名のボワシエリはベルバリア属に関してよく名前が出てくるスイス人の植物学者ピエール・ボワシエ(Pierre Edmond Boissier:1810〜1885)さんに因みます。

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2018年4月20日 (金)

雪のベレバリア 
Bellevalia nivalis

ベルバリア(ベレバリア)・ニバリス(Bellevalia nivalis:ユリ科ベルバリア属)が、知らないまに咲いていました。


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ベルバリア・ニバリスはキプロスからレバノン、シリアにかけての地中海東部沿岸に分布します。
花を開く3〜4月の時期に雪の残る乾燥した平地、砂漠地、山地の斜面に自生しています。

ベルバリア・ニバリスは垂直分布によって、つまりキプロスの低地のものと最高峰の海抜が3,088 mのレバノン(Lebanon)山などの高地(海抜1000〜2000m)に自生するものでは形態が違っているという論争があり、 低地に自生するものをベルバリア・ピエリディス(Bellevalia pieridis)と分類すべきだという提案がなされています。

花茎は10cmほどの高さで、蕾の時は密についていますが、開くにつれ、花茎が伸び、下の花との間隔が開きます。

乳白色の蝋で作ったような厚みのある釣り鐘型の花は、先が6裂し、やや反り返って開きます。
花は地味で目立ちませんが、開口部から紫青色の雄しべを覗かせ、それがチャーミングです。
産地によっては上部の蕾が薄緑であったりピンクを帯びている個体があるそうです。

長さ10〜15cm、幅1cmまでの剣型の青緑色の葉は2〜5枚現れます。

播種後4年目にして3本のうち1本が咲きました。、
初花だったせいか、寒かったせいか、この個体は花序が短く、花茎が伸びず、結果、この写真のように少々情けなく咲いています。
また花柄も長くなり、他とは雰囲気の違う、その姿を見てベルバリアとは思えないベルバリアとなりました。

スイス人の植物学者ピエール・ボワシエ(Pierre Edmond Boissier:1810〜1885)さんとオーストリアの植物学者、植物収集家カール・コチュヒ(Karl Georg Theodor Kotschy:1812-1866)さんによって1859年に公表されています。

異学名はHyacinthus nivalisやHyacinthus pieridisで、以前はヒヤキンツス属に分類されていました。
種小名のニバリスは「氷雪帯で育つ」という意味で、雪の残る高山で発見されたことを推測させます。
スノードロップ(Galanthus nivalis)も同じ種小名ですが、このベルバリアの英名も学名に由来し、Snow bellevalia(雪のベレバリア)です。

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2018年4月18日 (水)

また咲いたムスカリ・ウラリイ 
Muscari vuralii

12月に咲いたムスカリ・ウラリイ(Muscari vuralii:ユリ科ムスカリ属)がまた咲きました。


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ムスカリ・ウラリイについてはその時の記事をご覧下さい。

12月の時に比べると背丈は低く、5cmほどしかありません。
線形の細い葉が12・3本ほどに葉数が増えています。

また花の色が鮮やかになっているような気がします。
暖かくなって見る者の気持が違っているからかもしれません。

小さいというだけではなく、花に比べて花茎が太く、花はふっくらして、白い広い帯になった花びらの先がお茶目に反り返って、可愛いムスカリです。

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2018年4月17日 (火)

ミニチュアムスカリ 
Muscari 'Maxabel'

ムスカリ「マックスアベル」(Muscari 'Maxabel':ユリ科ムスカリ属)が咲いていました。
あまりに小さいので咲いたのを見落としていました。


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ムスカリ「マックスアベル」はジョー・ビショップ( Joh Bishop)さんが作出し、2人のお孫さんの名前を組み合わせて付けたそうです。
それをムスカリ・グルデライト(Muscari GulDelight)などを販売しているオランダのデ・シャローム(De Schüllhorn)ナーセリーの方たちに見せたそうです。
その権利(Plant variety rights (PVR))をデ・シャローム・ナーセリーが買い取り、広がっていったようです。

いつ頃のことか詳しくは分かりませんが、ムスカリ「マックスアベル」の名は2012年にはデ・シャローム・ナーセリーのHPにアップされていました。
2009年にネット上にはムスカリ「マックスアベル」の名が登場しますので、私は知らなかったのですが、かなり以前からヨーロッパでは販売されていたようです。

背丈は10cm足らず、上部が青白色で、下部が明るいブルーの2色に咲分けます。
とにかく小さくて、開口部から中を覗いても何も見えません。
長くて10cmほど、幅1cmほどの剣状をした葉は地面を這います。

葉が細長い三角形をしているという特徴などからムスカリ・オクリ(Muscari aucheri:ユリ科ムスカリ属)が親になっているのではないかと思っています。

昨年も見落としていて、ブログにアップしていません。
発芽率はよいようで、昨年稔った種がかなり沢山芽を出していました。

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2018年4月15日 (日)

高山のグンバイナズナ 
Thlaspi Kurdicum

タラスピ・クルディクム(Thlaspi Kurdicum:アブラナ科グンバイナズナ属)が咲きました。


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このように最初の枝には花序ができません。


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果実はまさにグンバイです。


タラスピ・クルディクムはスコットランドの植物学者ヘッジ(Ian Charleson Hedge:1928-)さんによって1961年に公表されています。
種小名のクルディクムは「クルド人の居住地の」という意味で、自生地を表し、トルコ東部のタウルス(Taurus)山脈に連なるアートス(Artos)山などの海抜2600〜3600mの山岳地帯を示しています。
高山の尾根の石灰岩の傾斜地の割れ目に自生しています。

タラスピ・クルディクムには根生葉があったかどうか記憶がありません。
茎は地面を這わないで、冬の寒い時から小さい葉を付けた5cmほど茎を直立させていました。

茎上葉は長さ3〜5mmで、多肉植物のように厚みがあり全縁の楕円形をしています。
多肉植物のように思えるのは、植物体全体に毛がないからだろうと思います。
灰緑色をしていますが、寒い時期はピンクがかっていました。
見るからに寒さに耐えられる葉です。

判断に困るほど非常に短い葉柄があり、葉は茎を抱きません。
地面に近いところは落葉し、葉が付いていた後が残っています。
最初に出た茎には花がつかないようで、その茎の基部から2〜3本に分枝し、その枝の先端に花序ができます。
花の時期になっても葉は陽に向って開くことはなく、茎に添っています。

草丈は葉だけの時は7〜8cmで、花序が果実を付けながら上へ伸びていくので最終的には背が高くなります。
それでも15cmは超えないでしょう。

花はアブラナ科だと分かる白い花弁2枚が対になった4枚で構成されています。
長さ1mmほどの花弁には、赤紅色のY字型の筋とそれを囲むように筋が入っており、遠目にはピンクに見えます。

果実は幅5mmほどの茶色の広卵形をしいます。始めは緑ですが、周辺から茶色に変色していき、最終的には茶色の莢になります。

過去には同じく小さなタラスピが咲いたことがあります。

なおタラスピの英名はpennycressです。
属名タラスピはギリシャ語起源の「押しつぶす(thlaein)」に由来し、平たい果実を指しています。

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Lunaria annua 'Kermesina'