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2015年8月29日 (土)

犬を殺すというイケマ  
Cynanchum caudatum

白川郷ホワイトロード(白山スーパー林道)の三方岩トンネル(海抜1445m付近)近くの茂みの中にイケマ(生馬、牛皮消:Cynanchum caudatum:キョウチクトウ科カモメヅル属)が咲いていました。


Cynanchumcaudatum1


Cynanchumcaudatum


Cynanchumcaudatum4


Cynanchumcaudatum3


カモメヅル属はマダガスカルや熱帯アフリカに150〜300種が知られており、ほとんどが半つる性の多年草か半木本で、多くは根茎を持っています。
ほとんどが熱帯から亜熱帯に分布するこの属の中で、日本ではクサタチバナ(Cynanchum ascyrifolium)、タチカモメヅル(Cynanchum nipponicum)、イヨカズラ(Cynanchum japonicum)など約20種が自生しています。

イケマは北海道から九州、日本以外には南千島、中国に自生しています。山地の林縁などの湿った所に生えるつる性多年草です。

根はゴボウのよう肥大して地中にまっすぐ下に伸びています。
葉には長い柄があり、対生し、葉は長さ5~15cmで、全縁で先の尖る心形をしています。

夏に葉腋から6~10cmの柄を出し、先に球状に散形花序を形成します。
萼は明るい緑色で、深く5裂し、開くと反り返ります。
狭長楕円形の花びらは白色で、萼同様深く5裂してそり返ります。
花冠の中心部分には、雄しべや雌しべを内包する白色の副花冠があります。長さ4~5mmの副花冠も5裂していて、その内側には細毛が生えています。

花が終わるとガガイモ科特有の実(袋果)をつけます。実は花に比べて大きく、太さ1cm、長さ10cmほどあります。

属名のキナンクムはcyno(犬)とanchein(殺す)という言葉の造語で、この属が犬を殺すと考えられていたためにつけられたようです。
実際植物体を傷つけたときに出る汁にシナンコトキシン(Sinankotokisin)を含み有毒です。根は「牛皮消根」と呼ばれて、利尿剤に使われます。

イケマとは、アイヌ語で「大きな根」を意味し、アイヌの霊草です。アイヌでは春先の若葉を水にさらし、煮て食用にしていたそうです。また薬用として腹痛、感冒、切り傷など治療に使っていたそうです。イケマの根には免疫増強作用や抗腫瘍作用があると発表されています。

イケマを生馬と書いて馬の薬とするのは間違いだそうです。
米国ではイケマ属はswallow-wort(ツバメ草)と呼ばれています。
種小名カウダツムは「尾のある、尾状の」という意味で、尖っている葉の先に因んでいます。

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