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2015年9月 1日 (火)

紫の虎の尾、クガイソウ  
Veronicastrum japonicum

中部山岳国立公園の称名滝までの山道で、クガイソウ(九蓋草、九階草:Veronicastrum japonicum:ゴマノハグサ科クガイソウ属)が咲いていました。


Veronicastrumjaponicum1


Veronicastrumjaponicum2


Veronicastrumjaponicum4


Veronicastrumjaponicum3


クガイソウ属は約20種が知られていて、主に日本、中国に分布する多年草です。新しい体系ではオオバコ科に分類されています。
葉は単葉で、葉縁には鋸歯があります。花は葉腋または茎の先端に穂状になる総状花序か穂状花序をつけるという特徴があります。

クガイソウは近畿以東の山地や高山に自生する多年草で、西日本には変種のイブキクガイソウ (Veronicastrum japonicum var. humile)やナンゴククガイソウ (Veronicastrum japonicum var. australe) が分布しています。

茎の断面は円形で、ほとんど枝分かれすることなく、根際で株立ちし、背丈は50〜100cmになります。

先がとがる長楕円状披針形の葉は、細かく尖った鋸歯があり、長さ5〜18cm、幅2〜5cmで、ごく短い葉柄があるか無柄です。
このような葉が、3〜8枚輪生し、数層になり、和名の九階草の由来になっています。

夏に穂のような長い総状花序を茎頂につけ、小さな青紫色の花を密に多数つけます。
花序は長さ10〜25 cmになり、長くなるにつれ虎の尾状に垂れ下がります。花は花序の下から順に上へと咲いていきます。花序の茎には短い毛が散生します。

萼は5深裂しますが、筒状の花冠の先は浅く4裂し、長さ7〜8 mmになります。
花冠部の内側には毛が生えています。雌しべは1本、雄しべは2本で、花冠から長く突き出ています。花糸は紫をしています。

属名のベロニカスツルムはラテン語のVeronica(クワガタソウ属)とastrum(似ている)ということで、擬ベロニカ、偽ベロニカと訳せます。
なおベロニカ(Veronica)とは、処刑されるために、ゴルゴダの丘に十字架を背負って上って行くイエスの額の汗をぬぐった女性の名とされています。ただしカソリック教会の伝承で、聖書の福音書にはこれに関する記述はありません。イエスの汗をぬぐったその布にイエスの顔が転写されたという伝承があります。
種小名のヤポニクム は「日本の」という意味です。

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