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2015年9月12日 (土)

同定できないヒヨドリバナ 
Eupatorium × arakianum

新潟市に仕事で寄ったついでに妙高高原池の平、中部北陸自然道のいもり池に行きました。ついでと書きましたが新潟市と妙高高原があんなに離れているとは思いませんでした。
いもり池はかって湿原でしたが、昭和2年にしゅんせつして出来た池だそうです。かってはイモリが住んでいたのでこう名付けられたそうです。

今日から池を一周する遊歩道の途中で見た花々です。

Photo_2

いもり池は池を覆うたくさんの蓮が花をつけていました。




Eupatoriumlindleyanum8


Eupatoriumlindleyanum10


Eupatoriumlindleyanum9


さてこれはいもり池で見つけたヒヨドリバナですが、妙に葉が細かったので気になりました。
帰ってから調べてみて、まず候補に上がったのがホソバノヒヨドリバナ(Eupatorium tripartitum)ですが、ホソバノヒヨドリバナは3枚の葉が輪生して茎についてるようですので違います。

茎の周りに6枚の葉が輪生しているので、三つ葉が対生しているミツバサワヒヨドリ(Eupatorium lindleyanum f. trisectifolium)の可能性があります。

葉に腺点のないヒヨドリバナとサワヒョドリとの雑種と考えられているホソバノミツバヒヨ ドリバナ(Eupatorium japonicum f. angustatum) かもしれません。

ヨツバヒヨドリバナ(Eupatorium chinense ssp. sachalinense)は葉が3枚や5枚になり、それが互生したり対生したりしているものがあるということですから、この可能性もあります。
葉の幅の狭いものはハコネヒヨドリ(Eupatorium chinense var. hakonense)と命名されています。
ひょっとするとムツバヒヨドリバナかもしれません(冗談です)。

最も可能性があるのがサワフジバカマ(沢藤袴:Eupatorium × arakianum (Eupatorium japanicum × Eupatorium Lindleyanum):キク科ヒヨドリバナ属)です。
サワフジバカマはフジバカマ(Eupatorium japonicum)とサワヒヨドリ(Eupatorium lindleyanum)の間にできた交雑種で、園芸店などで「フジバカマ」として販売されているものの中にはこれの可能性があるそうです。

フジバカマは茎が緑ですが、サワフジバカマは赤紫色をしています。
他にもサワフジバカマは背丈が0.5~1mで、花は淡紅紫色を帯び、葉は無柄で基部から3深裂して3枚の葉のように見え、裂片は幅が細く、披針形であるという特徴が見られます。
自然交雑種として以前からあるものだけではなく、園芸種として作られ、栽培されていたものが、湿地や草地に逸出した疑いもあるようです。
なおこの植物に関しては村田源・小山博滋 日本産ヒヨ ドリバナ属の再検討 植物分類・地理(日本植物分類学会) 33, 282-301, 1982に詳しく述べられています。

和名のサワフジバカマは上記論文の著者、村田源さんと小山博滋さんがサワヒヨドリのサワとフジバカマから命名した名です。
属名エウパトリウムは、紀元前4世紀〜前1世紀に小アジアで栄えたポントス(Pontus)の王ミトリダテス・エウパトール(Mithridates Eupator)の姓に因む名で、王はこの属の植物を薬用にしていたと伝えられています。
交雑種名アラキアヌムは、小学校教師をしながら丹波・丹後・但馬で植物を調査した荒木英一(明治37(1904)〜昭和30(1955))さんが京都府福知山で採取した標本に基づき登録したので、この名がつけられたのだと思います。

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