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2015年10月20日 (火)

蔓の金魚草 
Maurandya scandens

アサリナで流通しているマウランディア・スカンデンス(Maurandya scandens:ゴマノハグサ科マウランディア属)がご近所に咲いていました。


Maurandyascandens1


Maurandyascandens2


Maurandyascandens3


この植物は元々北米南部とヨーロッパに分布するアサリナ属(Asarina scandens)に含まれていました。
しかし今日ではアサリナ属はヨーロッパに分布する種だけに限り、新大陸に分布していたアサリナ属をネオガエリヌム属(Neogaerrhinum)、ホリムグレナンテ属(Holmgrenanthe)、ロフォスペルムム属(Lophospermum)、マブリア属(Mabrya)、マウランディア属(Maurandya)に分割する学説が一般的になってきました。
ただロフォスペルムム属など5属に分割するのが正しいかどうかについては議論の余地はあるそうです。

マウランディア属はメキシコや米国カリフォルニア州からテキサス州までの地域に分布し4種が知られています。対になった葉柄を使って他の物に寄りかかったりよじ登ったりします。
マウランディア属は直根を持つ一年草もありますが、他は多年草です。葉は披針形で、まれに心形のものも見かけます。

マウランディア属はキンギョソウ(アンティリュウム, Antirrhinum)に似ていますが、つる性であり、蒴果が左右対称であるところが違っています。しかしキンギョソウは仮面状花冠の二唇形をしているので似ていると言っていいのか私は賛成できません。

マウランディア・スカンデンスは中央メキシコの南部、メキシコ州、モレロス州、グエレーロ州の海抜1400〜2400mの高地の崖や渓谷に面したクヌギ林や雑木林、岩石地や溶岩地の乾燥した環境に自生する多年草です。

対になった巻きひげ状の葉柄を絡ませて、そばにあるものによじ登り、つるの長さは2~3メートルになります。

明るい緑色の葉は心形から披針形をし、互生します。

花は鐘型に口を開く筒状花で、濃い赤紫色に、咽部は模様のついた白色をしています。
夏から秋にかけて葉腋から花茎を出し、長い間次々と咲きます。

マウランディア・スカンデンスは1793年にスペインで育てられたものに基づいて、最初ウエステリア(Wisteria:フジ属)という学名で発表されましたが、その名は既に使われていたので、認められませんでした。
1797年に医者で植物学者のスペイン人カシミロ・オルテガ(Casimiro Gómez Ortega:1741-1818)がマウランディアと名付けましたが、一年後ウィーン大学の植物学教授ニコラウス・フォン・ジャカン(Nikolaus Joseph von Jacquin:1727-1817)がMaurandiaと誤った綴りで公表してしまいました。今でもこの誤った綴りが用いられることがあるようです。

英名は Twining snapdragonで、「対になった巻き蔓のキンギョソウ」です。
異学名は Lophospermum scandent、Asarina scandent です。
属名のマウランディアはオルテガと植物学の仕事を手伝ったスペインの植物学教授の夫人であるカテリーナ・パンクラーティア・マウランディー(Catherina Pancratia Maurandy)さんに因みます。
種小名のスカンデンスは「よじ登る性質の」という意味で、ツル植物によくつけられる学名です。

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