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2016年1月 8日 (金)

ツベルゲニアヌムというムスカリ 
Muscari tubergenianum

ムスカリ・ツベルゲニアヌム(Muscari tubergenianum:ユリ科ムスカリ属)という名のムスカリが暮れから咲き出しました。


Mtubergenianum1


Mtubergenianum2


Mtubergenianum3


このツベルゲニアヌムというムスカリ、Plant World Seeds社由来の種子から育てました。
Plant World Seeds社のオンライン・カタログにはムスカリ・オクリ(Mascara archeri)とムスカリ・ツベルゲニアヌム(Muscari tubergenianum)の両方が掲載されて、それぞれ別の説明がされています。
しかしムスカリ・ツベルゲニアヌムの説明文中に、一般名としてムスカリ・オクリの名があげてあります。
一体どうなっているのと言いたい気持です。

いろいろ調べてみると英国王立園芸協会(Royal Horticultural Society)のサイトにはムスカリ・オクリの園芸品種としてムスカリ・オクリ「ツベルゲニアヌム」 (Muscari aucheri 'Tubergenianum' )がありました。
またMuscari aucheri tubergenianumと、変種名か亜種名のように記してあるサイトもありました。

で、分かったことは、ツベルゲニアヌム(tubergenianum)という学名のような名は、オランダの球根植物会社のVan Tubergen社がヨーロッパに新しい球根植物を紹介する際に、トレードマークのようにして球根植物につけた流通名のようです。
他にもシラー(Scilla tubergeniana(Scilla mischtschenkoana 'Tubergeniana')) やアイリス(Iris tubergeniana)、チューリップ(Tulipa tubergeniana)などに見かけます。ややこしい名をつけますね。

ムスカリ・オクリは異学名が多いムスカリで、ムスカリ・リングラツム(Muscari lingulatum)やシンテニシイ(Muscari sintenisii)、プラエコクス(Muscari praecox)とも呼ばれていました。

葉は長さ15cmほどで、幅は5〜6mmで、U字形に巻くことはありません。
球根が成熟するまでは、夏も葉を茂らせています。出っぱなしの葉は寒さにあたると先が黄色く枯れてきます。

花茎を10〜15cmに伸ばします。花序はアルメニクムほど長くありません。
花は開く前は緑がかっており、開くにつれ紫色が強くなってきます。
花の口は白か薄いブルーをしています。上部の上向きの花は不稔性があります。
ムスカリ・オクリはボトリアンツス(Botryanthus)亜属に属すムスカリですが、ボトリアンツス亜属は多くは2色咲きで、淡色の花は不稔性だといわれています。
2色咲の園芸種といえばムスカリ・オクリから造られたものが多くあります。

このツベルゲニアヌムも上部の花の色が薄く、2色咲きの特徴を示すといわれていますが、この株は上から下まで同じ色です。

ムスカリや多くの球根植物は、一般的にタネを播いて花が咲くまで3年かかりますが、これは2014年1月にタネを播いたので2年も経っていません。見た目に特徴はありませんが、成長が早いのがメリットのムスカリです。
ただし分球して増えるスピードは遅いようです。

種小名のオクリは、1838年にトルコの北部オマーンの山岳地帯で約150種の植物を収集したフランスの園芸家オクウ・レロワ(Piere Martin Remi Aucher-Eloy:1792-1838)さんに因む名前です。このムスカリもトルコ原産です。

異学名のうちリングラツムは「舌型の」という意味、シンテニシイはドイツの植物学者Paul Ernst Emil Sintenis (1847–1907)さんに因む名 、プラエコクスは「早咲きの」という意味です。プラエコクスという異学名から播種後、短期間で咲くムスカリのようです。

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