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2016年6月24日 (金)

謎のヒッペアスツルム 「イールップ」 
Hippeastrum 'Eaelp'

ヒッペアスツルム「イールップ」(Hippeastrum 'Eaelp':ヒガンバナ科ヒッペアスツルム属)が咲きました。


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ヒッペアスツルム属は半耐寒性の球根植物で、ブラジル、ペルーを中心に中米から南米にかけて70〜90種が知られています。

アマリリスという名で流通する園芸種は600品種以上あるといわれていますが、大雑把に言えば旧大陸のものがアマリリス(Amaryllis)属で、新大陸のものがヒッペアスツルム属と考えればよいのかと思います。
厳密にはアマリリス(Amaryllis)属との区別は茎が中空であること、花の時期に葉があることでできます。

このヒッペアスツルム「イールップ」は昨年小森谷ナーセリーから購入した球根から咲いたものです。
「イールップ」については情報が少なく、小森谷ナーセリーの日本語、英語のページ以外には見当たりません。

小森谷ナーセリーのHPには
「30年程前にテキサス州のアマリリス専門家・マーシャ・ウイルソン女史から譲り受けた、高性の晩生系品種です。当園のオリジナル品種作出に大活躍しました。」
とあり、それ以外に南米産、草丈60cm、花の大きさ10cmと記されていました。
またeBayにある説明には日本語にはない「silver green leaves」という説明があります。

マーシァ・ウイルソン(Marcia Clint Wilson)さんについて調べてみますと、ヒガンバナ科のクリヌム(Crinum)関連で名が出てきます。
1980年代にクリヌム「ブラッディーマリー(Crinum 'Bloody Mary')」 やクリヌム「サングリア(Crinum 'Sangria')」が彼女の庭(多分農園)から見いだされたとあります。
推測ですが、「イールップ」はマーシァ・ウイルソンさんが作出したのではなく、育てていたものを小森谷さんが頂戴したということだろうと思います。

また小森谷ナーセリーのHPには灰緑色の葉の写真があり、説明にも葉色が灰緑色とあります。
私の所の「イールップ」は普通の明るい緑色です。

この球根からすると初花だったのでしょう、花茎は30cmほどで、クリーム色の可愛い花が開きました。
小森谷ナーセリーのHPの写真では純白で、中心部がグリーンの花が写っています。

なお灰緑色の葉の写真に関する書き込みに、ヒッペアスツルム・エバンシアエとヒッペアスツルム・アグライアエを戻し交配(Hippeastrum evansiae x (H. aglaiae x H. evansiae))をしたという記事が見つかりました。
なるほど「イールップ」はヒッペアスツルム・エバンシアエにもヒッペアスツルム・アグライアエにもよく似ています。

属名ヒッペアスツルムはギリシャ語で hippos は元々は馬を意味し、そこから騎手や騎士を指します。それと宇宙や星を意味する astron との造語です。
英国の牧師で、植物学者、植物画家のウイリアム・ハーバート(William Herbert:1778–1847)さんが「騎士の星(knight's star)のユリ」と命名したのですが、詩人でもあった彼がどのような想いでつけたのかは不明です。

ウイリアム・ハーバートさんは、1819年に新大陸に自生するアマリリスの仲間の仮称としてレオポルディア(Leopordia)属と名付けました。しかし後にアマリリス属に関する書物('Amaryllidaceae':1837)を上梓し、新大陸のアマリリスの仲間にヒッペアスツルム属(Hippeastrum)という名を与えています。


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