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2016年6月10日 (金)

ボーランダーさんのセキチク 
Silene hookeri ssp. bolanderi

シレネ・フッケリー・ボーランデリ(Silene hookeri ssp. bolanderi:ナデシコ科シレネ属)が咲いています。


Silenehookeribolanderi1


Silenehookeribolanderi3


Silenehookeribolanderi4


Silenehookeribolanderi2


基本種のシレネ・フッケリーは米国オレゴン州西部や、その南に接するカリフォルニア州南西部の海岸の近く、あるいは少し内陸部の海抜1400m以上の山地の砂礫地に自生しています。
匍匐性で、草丈はせいぜい20cmまでです。
先で5裂する白からピンクの筒状花をつけ、花弁の先は丸かったり、細かったり、深裂していたり、いろいろあるようです。

その亜種のシレネ・フッケリー・ボーランデリは、カリフォルニア州北部の海岸に近い狭い範囲に分布しています。
海抜100〜1000mの山地のカシやベイマツの林の中に自生しています。

這い性が強く、花梗以外ほとんど立ち上がることはなく、背丈は5〜15cmです。
茎は根元以外では枝分かれせず、5〜6月に、茎頭の葉の上の部分から花梗を出して蕾をつけます。
草の大きさからすると、蕾は結構大きくなり、先が5裂した筒状花を開きます。
花の大きさは径15〜25mmで、花色は一般的には純白ですが中心部がグリーンに染まったり、薄いピンクのものもあるそうです。

それぞれの裂片はさらに4深裂し、合計20枚の花弁があるように見えます。
裂片の幅は個性があるようですが、細い裂片の方がチャーミングです。
それにしても花弁が多く見えるためか、シレネには見えません。

葉は長さ2〜8cmの全縁の倒披針形(先の方で幅が広くなる葉)で、対生してついています。
よく見ると長楕円形の細い葉もあります。
葉は濃緑色で、細かい毛が生えています。

陽の当たる適度に湿気がある所がお気に入りのようです。

花は5輪咲いたのですが、地面にへばりついて咲いているため、ナメクジに見るも無残にかじられてしまい、1輪だけの写真しかありません。

ハーバード大学自然史教授のグレイ(Asa Gray:1810-1888)さんによって1868年にシレネ・ボーランデリ(Silene bolanderi)という名で公表されましたが、1944年にスタンフォード大学のアブラムズ(LeRoy Abrams:1874–1956)さんがシレネ・フッケリー(Silene hookeri)の亜種として再分類しました。

英名は「ボーランダーさんのセキチク(Bolander’s Indian pink)」です。

属名のシレネは、茎からねばねばした分泌物を出すものが多くあり、その特徴をギリシア語のシャロン(sialon:唾液)に例えたとか、ギリシア神話の酒神ディオニソスの教師で忠実な従者であったシレーニ(Sileni)が泥酔して泡を吹いた様子から来ているといわれています。

種小名はヘンリー・ボーランダー(Henry Nicholas Bolander:1831–1897) さんに因みます。
ボーランダーさんはドイツ生まれの米国人で、オハイオ州やカリフォルニア州の植物を調査し、後にカリフォルニア州の義務教育法を制定するなどの教育に貢献した方です。

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