« 2016年7月8日 | トップページ | 2016年9月19日 »

2016年7月11日 (月)

存在が「疑わしい」コンソリダ・アンビグア 
Consolida ajacis 'Misty Lavender'

コンソリダ・アヤキス 「ミスティ・ラベンダー」(Consolida ajacis 'Misty Lavender':キンポウゲ科コンソリダ属)が咲きました。


Consolidaajacismistylavender3


Consolidaajacismistylavender1


Consolidaajacismistylavender2


Consolidaajacismistylavender4


コンソリダ属は地中海地方から中央アジアにかけて40〜50種が知られています。
近縁のデルフィニウム(Delphinium)属とは花の構造が少し違っていますが、デルフィニウム属が多年性植物なのに対し、コンソリダ属は一年性です。
この2種は葉の様子にも違いがあり、コンソリダ属は掌状に細かく分かれています。

コンソリダ属は花弁状の萼片は5枚あり、1番上の萼片にはしっぽがあり、その中に距が入っています。
雌しべを包み込むように合着した2枚の(1枚に見える)花びらが本当の花弁です。

コンソリダ・アヤキスは、以前はコンソリダ・アンビグア(Consolida ambigua)とも呼ばれ、ウクライナ、トルコからバルカン半島を経て、イタリア、フランスなどの冷涼な温帯に自生しています。
しかし今日では世界の多くの温帯地方や亜熱帯地方、アフリカ、アジア、オーストラリア、北米に帰化しているといわれています。

茎は無毛かまばらに毛が生えています。直立して高さが60〜90cmになり、時には1mを越えるほどになります。
基部の葉は3裂し、その裂片はさらに細裂して掌状になっています。
上部の葉は多細裂し、線状をしています。

6月から7月ごろ、茎の先の総状花序に、ピンク、サーモンピンク、エンジ、白、紫などの花を咲かせます。
茎の下の方で枝分かれすることは少なく、普通は花序で枝分かれします。

「ミスティ・ラベンダー」は、花色はやや青みがかったピンクで、放射相称に開いた花弁が5枚以上ある八重咲き園芸種です。

正面から見て雄しべがもろに見え、コンソリダに別の花がくっついているように見えます。
他のコンソリダとは雰囲気が違って見えます。
距には勢いがなく、だらしなく巻いています。

日の当たる、適度に肥え、水はけの良い湿り気のある土がお気に入りのようです。
なお種子の発芽には覆土が必要です。

ところでコンソリダ・アヤキスについては我が国の園芸界では以下の誤りが訂正されておらず、私が一番頼りにする園芸植物大辞典(小学館)も1994年出版なので、古い情報となっていて誤っています。
コンソリダ・アヤキスは、1753年にリンネによってデルフィニウム・アヤキス(Delphinium ajacis)と命名されましたが、1853年にコンソリダ属に再分類され、コンソリダ・アヤキスという現在の名になっています。

しかし同じくリンネが1762年に命名したデルフィニュウム・アンビグウム(Delphinium ambiguum)は、デルフィニウム・アヤキスと混同されることが多く、コンソリダ属が立てられた時にデルフィニュウム属であったにもかかわらず無理矢理(というか誤って)コンソリダ属に再分類されました。

したがってコンソリダ・アンビグアという植物は存在しないのにもかかわらず、コンソリダ・アヤキスの異学名としてとして紹介されています。
種小名のアンビグアは「疑わしい」という意味ですが、その通りに、疑わしい名です。

英名は forking larkspur, field larkspur, doubtful knight's spur, rocket larkspur です。

属名はコンソリダは古いラテン名に由来しており、傷薬として使われていたことから血を「固める」という意味で、コンソリダと呼ばれていたようです。
種小名は古代ギリシャ・トロイア戦争の時のサラミスの王アイアース(Aias)に由来します。アイアースはラテン語表記(ローマ神話)ではアヤックス (Ajax)となります。

| | コメント (0)

« 2016年7月8日 | トップページ | 2016年9月19日 »