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2016年7月 2日 (土)

ツイーディアとオキシペタルムの違い 
Tweedia caerulea f. plenum

八重咲きのツイーディア・カエルレア(Tweedia caerulea f. plenum:ガガイモ科ツウィーディア属)が咲いています。


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ツイーディア・カエルレアはブラジル南部やウルグアイに自生する宿根草で、以前はオキシペタルム・カエルレア(Oxypetalum caeruleum)と呼ばれていました。

以前分類されていたオキシペタルム属はオキシペタィナエ節(Oxypetalinae)の中では一番種類が多く、約120種が知られています。
主としてメキシコからアルゼンチンまで南アメリカの中〜東部に分布しています。
筒状花で、杯部から先で5深裂し、裂片は披針形をしています。
花冠の筒部に合着する雄蕊柱があり、蘭に見られるような葯帽や花粉塊柄を持ち、雄蕊柱から出て、柱頭(雌しべの先)を刺激する役目の付属物(副花冠)を形成しています。

ツイーディア属はオキシペタルム属と同じ特徴を持つのでオキシペタルム属に含まれていましたが、柱頭が2裂するので、ツイーディア属に再分類されました。

ツイーディア属は1834年に英国の植物分類学者フッカー(Hooker, W. J. & Arnott, G. W. A.)さんたちにリストアップされました。その後に何人かの植物学者に取り上げられましたが、その都度、基準標本がちがっていました。

1904年にドイツの植物学者マルメ(Malme,G. O. A.)さんがツウィーディア属について、概念を新たに立て直したのですが、基準種がどれであるかを示すことはしませんでした。
最初に基準種を示したのはドイツの植物学者メイエル(Meyer, T.)さんで、1944年にツウィーディアの基準種としてツイーディア・ブルノニス(Tweedia brunonis)をあげました。
フッカーさんらが1834年にツイーディア属について解説した時に、花冠の形と2裂する柱頭という二つの特徴をあげていました。
ところがツイーディア・ブルノニスについてのフッカーさんらの解説の中に「分かれていない柱頭」という記載があり、メイエルさんの基準標本を否定する重大な矛盾にぶつかったのです。
しかしこのことは1989年になって、英国の植物学者ルア(Rua, R. H.)さんが柱頭が短く2裂していると指摘して決着がつきました。
フッカーさんらはツイーディア属に関する誤りを犯しており、後に彼らの分類学的見解は否定され、オキシペツラム属はいくつかの属に分けられました。
(以上Rapini,A. Pereira,J.F. & Goyer,D.J. Towards stable generic circumscription in Oxpetalinae(Apocynaceae). Phytotaxa. 2011,26: 9-16 に基づく)

ツイーディア・カエルレアは春から秋にかけて葉脇から蕾を出し、集散花序に2〜4輪の花をつけます。
花冠は直径3cmほどで、短い筒部があり、5深裂しています。

この八重咲き種は八重や半八重をつけますが、花弁中心の付属物(副花冠)が発達したものだと思います。
というのは八重は副花冠があるのかどうかもわからないからで、八重の部分は副花冠だと推定できます。
八重の中心の花弁はほとんど開かず、バラの花のような感じです。

ガガイモ科の花はアリにとって好ましい香りがあるのでしょうか、蟻が沢山やって来ます。
アリの大きさでは虫媒昆虫にはならず、副花冠を動かせるぐらいの大きな昆虫が来ないと種子はなかなか稔らないようです。

葉は対生し、長楕円形で、先は丸みを帯びています。
葉をつまむとベルベットのようなふかふかした厚みがあります。
葉柄は短く、枝から直接出ているように見える葉もあります。
葉の付け根は湾入する形になる「心形」をしています。

英名は Blue Milkweed で、Milkweed は乳草と訳したらいいのでしょうか。ガガイモ科の特徴が細長い莢に入った種子と切ったときに出る乳液で、ツイーディ ア属に限らず、同じ特徴を持つアスクレピアスも Milkweed と呼ばれています。

種小名カエルレアは「青色の」という意味で、花の色を指しています。
属名のツイーディ アは、エディンバラ王立植物園の庭師のジェームズ・ツイーディ ー( James Tweedie:1775-1862)さんに因みます。
ツイーディ ーさんは19世紀の初めに南アメリカに探検旅行をしましたが、50代の時に南アメリカに移住し、新大陸を旅して、新しい植物を採取して回りました
ヨーロッパにペチュニアを紹介したことで知られています。

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