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2018年5月 2日 (水)

細長い花のレオポルディア Leopoldia tenuiflora

レオポルディア・テヌイフロラ(Leopoldia tenuiflora:ユリ科レオポルディア属)が咲きました。


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レオポルディア属はシラーに近い仲間で、カナリア諸島、島々を含む地中海沿岸からイランまでの広い範囲に分布し、生態的に適応性のある球根植物です。
ムスカリより背が高く、遅咲きで、晩春から初夏に花を咲かせます。

レオポルディア属は花序の下部に咲く稔性花は褐色から黄色、時には白色をしており、上部の不稔花は青や藤色時にはピンクをしています。
花の先があまりすぼんでいないのでムスカリ属から外されたのだと思います。

大きな球根から白い太く短い根を出します。

ところでレオポルディア属の多くは以前はムスカリ属の中のレオポルディア亜属に含まれていました。
レオポルディア属という名称自体は、英国の牧師で、植物学者、植物画家のウイリアム・ハーバート(William Herbert:1778–1847)さんが、アメリカ大陸に自生するアマリリスの仮称として1819年に用いたのが最初だそうです。
しかしそのアメリカ大陸のアマリリスの仲間は、今日ではレオポルディアではなく、ヒッペアスツルム属(Hippeastrum)と呼ばれています。

ハーバートさんのアマリリス属に関する書籍('Amaryllidaceae':1837)に、ベルギー国王レオポルド1世(Leopold I:1790-1865)に献呈したとあり、彼と交流のあったレオポルド1世に因んでレオポルディアと名付けたようです。

1845年にイタリアの植物学者のフィリッポ・パルラロトーレ(Filippo Parlatore:1816–1877)さんがムスカリから再分類することを提案した時にレオポルディアの名を使用しました。
1970年になってパルラロトーレさんの分類が、この種類のムスカリに対する保留名(新しい発見物についての命名権)になったとそうです。今ではレオポルディアを命名者と共に表記する際にはLeopoldia Parl. とし、命名者としてパルラロトーレさんの名が記されます。

さてレオポルディア・テヌイフロラはドイツやイタリアから東にウクライナ、イラン、サウジアラビアまで分布しています。

背丈は20〜50cmになり、長さ10〜25mmの細い筒状花を、晩春から初夏にかけて咲きます。
下部の稔性花は黄色で、上部の不稔花は花柄がなく紫色をしています。
花の先は焦げ茶色で、少しすぼんでいるのでムスカリ属のような感じがします。

葉は2〜4枚で、長披針形をしていますが、写真のように葉が枯れてしまいました。
レオポルディア属は寒い時期から葉を伸ばしていますので、この冬の寒さに当たって、傷んでしまいました。
花序が出た頃は、葉先が枯れているだけでしたが、花が開くにつれ枯れてしまい、今は葉がありません。
来年のことを考えてこの後すぐ花茎を切ってやりました。

チェコの植物学者イグナツ・フリードリッヒ・タウシュ(Ignaz Friedrich Tausch:1785-1848)さんが発見し、1878年にドイツ生まれの植物学者で、ギリシャでアテネ植物園の園長をしたテオドール・フォン・ヘルドライヒ(Theodor Heinrich von Heldreich:1822-1902)さんが命名しました。

英名は細花グレープヒヤシンス(narrow-flowered grape hyacinth)です。
種小名は「細い、薄い、肉のない(tenuis)花の(florum)」という意味で、英名のように細い花の形状を指しています。
ムスカリの仲間の中では長い花筒ということなのでしょう。

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