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2019年8月27日 (火)

エサシソウ Verbascum blattaria f. erubescens

エサシソウ(江差草:Verbascum blattaria f. erubescens:ゴマノハグサ科モウズイカ属)が咲いています。

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蕾です
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果実です。見た目は蕾とあまり変わりません。
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基本種のベルバスクム(バーバスカム、ウエルバスクム)・ブラッタリア(Verbascum blattaria v. blattaria)は地中海沿岸のヨーロッパや北アフリカに分布する2年草で、黄色い花を咲かせます。
その品種で、ピンクがかった花を咲かせるものがベルバスクム・ブラッタリア ・エルベスケンス(Verbascum blattaria f. erubescens;品種名の意味は「紅色を呈する」)、白花を咲かせるものが ベルバスクム・ブラッタリア ・アルビフロラ(Verbascum blattaria f. albiflora;意味は「白花の」)ということです。

エサシソウは園芸植物として明治時代に移入され、帰化が確認された場所が北海道函館市近辺の江差地方であったので江差という地名が冠されたようです。
北海道帰化植物便覧(五十嵐博著、北海道野生植物研究所刊、2000)には1930年に今の札幌市南区の真駒内で観察されたと記されています。
エサシソウという名の他に、根生葉の様子からタバコグサ(煙草草)、ニワタバコ(庭煙草)と呼ばれています。
なお白花品種はエサシソウではなくシロバナモウズイカ(白花毛蕊花)という和名がありますが、以前は桃花種だけでなく白花種もすべてエサシソウとよばれ、シロバナモウズイカと呼ばれるようになったのはそんなに古くではないようです。

草丈1m以上になると言うことですが、この株は50cmどまりです。花茎の下部で枝分かれして数本の花茎を立てます。花茎は細い割には丈夫です。
根生葉には長い葉柄がありますが、茎につく葉は茎を抱きます。

花は径2.5cmほどの、ややいびつに5裂し、左右対称形をしています。
花弁の表面以外全草に腺毛が生えています。
モウズイカを漢字で書けば「毛蘂花」です。その由来は紫色の雄しべの花糸に長い毛がついているからで、雄しべの2本は長く大雑把に長毛がついていますが、3本は短くて長毛を密生します。毛にも腺毛があります
茎を折ると白い乳液が出るのですが、しばらくすると黒いコールタール状に変わります。

果実は扁球形の朔果で、非常に小さな種子を稔らせます。無数の種子が入った果実を何百個と稔らせるといわれ、ものすごい繁殖力の故、全地に広がった米国では有害植物に指定している州もあります。

雄しべが蛾の触角に似ているので、英名は moth mullein(モス・マラン、蛾のモウズイカ)と呼ばれています。
種小名は「ゴキブリ(blatta)の」という意味で、古くからこの植物はゴキブリを寄せ付けないことが知られています。

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