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2020年4月10日 (金)

町の中の土栗  Potentilla discolor

ご近所にツチグリ(土栗:Potentilla discolor:バラ科キジムシロ属)が咲いています。

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栗の代わりになるような食べられる地下茎があるのでツチグリとつけられたといわれています。
本州(愛知県以西)、四国、九州 ・ 朝鮮半島、中国北部の日当たりのよい低地から低山の丘陵地などの草原に自生していますが、西日本のどこでも見られるわけでなく、絶滅した府県もあるようです。その植物がバス道に面したお宅の石垣の隙間や芝生の中に咲いています。春秋2回に植木屋さんが入って草刈りをしているので、居心地がいいのか消えてしまうことなく咲いています。見つけてから8年になりますが、毎年花を見ることができます。

径2cmほどの、花弁がハート型をした黄色い花を次々と咲かせます。
花は一見してキジムシロ属の花と分かるほどで、別段特徴はありません。

葉は、ほとんど同じ大きさの長楕円形で鈍鋸歯縁の小葉が、根生葉では対になって2〜4組が並び、茎上葉には3枚ついています。
葉の表面を除いて株全体に白い微毛が生えており、「二色の」という意味の種小名ディスコロルは、葉の表裏が白と緑の二色だからつけられています。キジムシロ属の中では他にない特徴だということです。

ドイツ系ロシア人の植物学者のアレクサンダー・ブンゲ(Alexander Georg von Bunge:1803-1890)さんが、1830年から1831年にロシア正教会の中国宣教団に同行して北京へ旅した際に採取した標本に基づいて1831年に公表しています。

 

摩耶山系のハイキングコースで、ミツバツチグリ(三葉土栗:Potentilla freyniana:バラ科キジムシロ属)を見つけました。

Potentillafreyniana2

Potentillafreyniana1

Potentillafreyniana3

ミツバツチグリは日本全国の日当たりのよい丘陵地にみられ、ツチグリ同様、地下茎は短く肥厚しますが、硬くて食べられないそうです。

日本以外にはシベリアとその中国国境、モンゴル東部を含む東アジアに広く分布しています。
ツチグリとの違いは、花では区別できませんが、葉の裏を見ると一目瞭然で、ミツバツチグリは葉裏には毛が生えておらず、白くありません。

種小名フレイニアナはハンガリーとイストリアの植物を研究したオーストリアの植物学者のジョセフ・フレイン(Josef Franz Freyn:1845–1903)さんに因んで、ドイツの植物学者ジョセフ・ボルンミュラー(Joseph Friedrich Nicolaus Bornmüller:1862–1948)さんが1904年に命名しました。東アジアに関係のない方たちが係わっていますが、ミツバツチグリは、西はハンガリー辺りまで分布していたのでしょうか(そんなところまで分布していないようです)。

 

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