2016年6月28日 (火)

あかるい忘れな草 
Myosotis scorpioides x variegatus

斑入りのミオソチス・スコルピオイデス・バリエガツス(Myosotis scorpioides x variegatus:ムラサキ科ワスレナグサ属)です。


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ミオソチス・スコルピオイデスは宿根する忘れな草で、元々はヨーロッパやアジアに自生していました。
今では世界中の至る所で見ることができ、場所によっては有害植物と見なされています。

パルスツリス(Myosotis palustris)という異学名を持っていますが、「沼地の、沼沢地の」という意味で、自生地を指し、湿原や流れのそばなど、湿った場所に自生しています。
一般名も「水棲忘れな草(water forget-me-not)」と呼ばれています。

草丈は15cmから60cmにもなり、立ち上がる性質があります。

普通種と同じように、長さ8〜10cm、幅2cmほどの全縁の細長い葉で、互生します。
ミオソチス・スコルピオイデス(普通種)の葉は微毛が生えていたり生えていなかったりしますが、この斑入り葉種は微毛が少なく、つるりとした葉にクリーム色の斑が入っています。
葉だけでも充分楽しめます。

先で5裂する高盆型で、明るいブルー(空色)の径8mmほどの花を咲かせます。
中心部(目)に黄色い膨らみ(鶏冠状突起)を持つ空色の花を互散花序(サソリ型花序)につけ、常に2〜5輪がポツポツと咲いていきます。
花期は長く、春から霜が降りる頃まで咲いています。

山野草の用土では、水切れしやすいので注意が必要です。
暑さが心配なところでは、山野草用土で株元が水につかるようにしていてもいいと思います。

海外ではこの斑入りの忘れな草は異学名のミオソチス・パルスツリスの方で呼ばれており、園芸品種名として「バリエガツス(Myosotis palustris 'Variegatus')」と名付けられているようです。

属名ミオソティス(Myosotis)」は、ギリシア語の「myos(ハツカネズミ)」と「otis(耳)」の造語で、ハツカネズミの耳のような葉の形に由来します。実際にはそのような小さい葉のミオソティスを見たことはありません。
種小名の「scorpioides(スコルピオイデス)」 は「サソリの尾に似た」という意味です。

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2015年6月11日 (木)

ニュージーランドの忘れな草 
Myosotis colensoi

ワスレナグサ、ミオソティス・コレンソイ(Myosotis colensoi:ムラサキ科ワスレナグサ属)がポツポツと咲いています。


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ミオソティス・コレンソイはニュージーランド・サウスアイランド東部の石灰岩の崖地、あるいは石灰岩地の表土、レンジナ(温帯から冷温帯の湿潤気候地域にみられる石灰岩風化物が主体の腐葉土壌)に自生する多年草です。

開けた石灰岩地ではよく目にする忘れな草のようで、現地ではNZ forget-me-not(ニュージーランド・ワスレナグサ)と呼ばれています。
ニュージーランドには忘れな草が50種ほどが知られており、白いワスレナグサの仲間の多くがニュージーランド原産です。

地面にべったりと幅0.5〜1cm、長さ3〜4cmの長楕円形の根生葉を広げ、こんもりと茂ります。
短い花茎を延ばし、その先に白い小さな忘れな草形の花を、春の内から今頃までポツポツと花をつけます。
以前はこんな風に咲いていたので、期待して、満開になるのを待っていたら、その様子もなく、お披露目が遅くなってしまいました。

花を観察していて気がついたのは、雌しべが花から跳び出していることです。
普通は花筒部に膨らんでいる付属物の奥を覗いてみても特段なにも見えません。
ワスレナグサ属に限らずムラサキ科の花で雌しべが見えるのは珍しいだろうと思います。

ミオソティスという属名は「ハツカネズミの耳」という意味で、ハツカネズミの耳のように細かい毛に覆われた全縁(鋸歯のない)の葉を指しています。
種小名コレンソイはケルト(コーンウォール)人宣教師のコレンソ(William Colenso:1811-1899)さんに因みます。 コレンソさんはキリスト教伝道のためニュージーランドに来て、植物学の他、出版、探検や政治に関わりました。

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2014年7月10日 (木)

小さいオオルリソウ 
Cynoglossum zeylanicum

シノグロッスム・ゼイラニクム(Cynoglossum zeylanicum:ムラサキ科オオルリソウ属)が咲いています。


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種小名のゼイラニクムは「セイロン島の」という意味で、セイロン原産のシノグロッサムです。
セイロン以外にもアフガニスタンやカシミール、ブータン、インド、セイロン、マレーシアなどに広く自生しています。
日本でもオオルリソウ(大瑠璃草)という名で、本州以南、沖縄まで自生しています。

ところでオオルリソウの学名は牧野新日本植物図鑑には Cynoglossum zeylanicum とあります。
ところが平凡社「日本の野生植物」には Cynoglossum furcatum var. villosulum が正式名で、Cynoglossum zeylanicum は異学名と記載されています。
しかし1824年に Cynoglossum zeylanicum が正式名で、 Cynoglossum furcatum が異学名と定められ、1994年には Cynoglossum furcatum var. villosulum も Cynoglossum zeylanicum に含められています。

オオルリソウは草丈は60~90cmになると言われています。しかし昨年同様20cm足らずで花をつけ、それ以上大きくなる様子はありません。
昨年背が低かったので、今年もタネを買い直して播いてみましたが、同じでした。
今年の1月18日に種まきをしたのですが、時期が遅くて充分育たなかったからかもしれません。
園芸用にするなら年を越してからにすると、小さく育っていいのかもしれません。

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2014年6月 9日 (月)

大きな忘れな草 
Eritrichium canum'Baby Blues'

エリツリチウム・カヌム「ベービー・ブルース」(Eritrichium canum 'Baby Blues':ムラサキ科ミヤマムラサキ属)が咲きました。


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エリツリチウム・カヌムはモンゴル、パキスタン、チベット、ネパール、中国北東部の海抜2400〜4500mの高地のガレ場の斜面や突き出た岩盤の上にはえる耐寒性の2年草(短命な多年草)です。
1963年に発見され1967年に命名された新しい種類です。

Eritrichium fruitculosum、Eritrichium patens、Eritrichium strictum 、 Eritrichium spathulatum などミヤマムラサキ属のいくつかはエリツリチウム・カヌムの変種に含まれれるのではないかと考えられるほどに変異が出やすいそうです。

草丈は20〜30cmで直立します。
葉は長さ3〜4cmで薄く、全縁の長楕円形をしています。白い短い毛が生えており、やや白っぽい緑の葉をしています。

「ベービー・ブルース」は播種後3〜4ヶ月で花を咲かせることのできる園芸種で Jelitto Perennial Seeds から2011年に発売されました。

花はマットな青紫色で、その大きさは径1cmもありませんが、この種類の中では大きい方です。
ワスレナグサと違って中心部には違う色は入りません。太陽の下ではこのブルー1色の花はとても目立ちます。
夏の間花を次々咲かせ続けます。

属名のエリツリチウムはギリシャ語の軟毛(erion)と毛(thrix)の造語で、株全体に白い毛が生えていることに因みます。
種小名のカヌムは「灰白色の、白い毛の、白い葉で覆われた」という意味で、

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2014年6月 3日 (火)

ブルー1色のアンチューサ 
Anchusa leptophylla

アンクサ・レプトフィラ 「ブルーシャワーズ」(Anchusa leptophylla ‘Blue Showers’:ムラサキ科アンクサ属)が咲いています。


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アンクサ(アンチューサ)属は南ヨーロッパ、アフリカ、西アジアに分布し、約40種が知られています。
寒さや乾燥に強い植物です。
ヨーロッパではアルカネット(Alkanet)と呼ばれ、ブルーや白の5裂する合弁花を集散花序につけます。葉には毛の多い種類があり、牛の舌のようにザラザラしているということで和名でウシノシタ属と称されます。

アンクサ・レプトフィラは南西ヨーロッパやトルコの岩石地の斜面に分布しています。
海抜800m以上の山地に自生し、姿には場所による変異があるようです。

背丈は30〜80cmになり、葉は披針形で6〜11cmの葉をしています。
ロゼッタには短い葉柄がありますが、上部の葉は茎を抱きます。

花は青紫色で、白や黄色の目(中心部の付属物)が入りますが、この「ブルーシャワーズ」は青紫色一色です。
つや消しの落ち着いたブルーです。

種小名の「細い(lepto)葉の(phylla)」という意味が強調されるためか、細長い葉をしているアンクサ・カエスピトサ(Anchusa caespitosa )と混同されることが多いようです。
しかし一番下の写真に示すように、思ったより幅のある葉です。

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2014年5月14日 (水)

情報の少ない忘れな草 
Myosotis terglouensis

以前からミオソチス・テルグロウエンシス(Myosotis terglouensis:ムラサキ科ワスレナグサ属)が咲いています。


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ミオソチス・テルグロウエンシスの分布については全く情報が見当たりません。
「トリグラウ山(スロベニアの言葉でTriglav、独語でTerglau)の」という種小名から推測するに、スロベニアと北西スロベニアのジュリア・アルプス山脈ではないかと考えられます。
トリグラウ山はジュリア・アルプス山脈に位置する、最高峰が海抜2,864mのスロベニアの一の山です。
その山のどれぐらいの海抜に分布しているかわかりませんが、高山植物のようです。

常緑で、毛の多い全縁の5cmほどのロゼッタで冬を越します。
エリトリキウム・ナヌム(Eritrichium nanum:ムラサキ科ミヤマムラサキ属)の異学名としているサイトがありますが、以前育てたエリトリキウム・ナヌムとは大きさが違います。
確かにロゼッタが小さな時の咲き出しは似ているかもしれませんが、葉はすぐに大きくなっていきます。

サソリ状花序に花をつけ、花茎はだんだんと伸びていきます。
花茎が伸びてくると背丈は10cmほどになります。
花茎には葉はつきません。

かわいらしい忘れな草です。

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2014年5月11日 (日)

ニュージーランドの忘れな草 
Myosotis traversii

ミオソチス・トレイバーシイ(Myosotis traversii:ムラサキ科ワスレナグサ属)が咲いています。


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ニュージーランドのサウス・アイランドの東側、ネルソン山脈、マールボロ、ノースカンタベリーなどの亜山地帯から高山帯に分布しています。

厚い葉は冬の間は葉柄のある楕円形でロゼッタを構成します。葉柄には幅があり、葉との境が不明瞭です。
丸まっている葉は表裏ともびっしりと毛で覆われているので、つまむと厚みを感じます。多分3mmほどの厚みがあります。

4月終わり頃に花茎が伸びだし、立ち上がり、最終的には背丈10cmほどになります。
花茎につく葉はロゼッタの葉の半分くらいの大きさで、葉柄がなく、先の丸い楕円形をしています。

ワスレナグサ属の特徴であるさそり型花序ではなく、集散花序にかたまって8〜12の白い花がつきます。
喉部の付属物の膨らみがないように見えます。しかしよく見ると筒状部の中に薄黄色の付属物が盛り上がっています。
花弁は白からクリーム色で、径4mmほど、黄色い葯が目立ちます。

サウス・アイランドの山地のがれ場や砂利地に自生していますので、排水に気をつけることが大事なようです。寒さにはめっぽう強いです。

種小名はアイルランドの法律家でリンネ協会の特別研究員のトレイバース(William Thomas Locke Travers;1819-1903) さんに因みます。1849年からニュージーランドで暮らし、裁判官や政治家、探検家、博物学者、写真家として活躍しました。


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2014年4月29日 (火)

山のシナワスレナグサ 
Cynoglossum montanum

シノグロッサム・モンタヌム(Cynoglossum montanum:ムラサキ科オオルリソウ属)が咲いています。


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シノグロッサム属は世界中に55〜75種あるといわれています。日本にも2種が分布しています。
和名はシナワスレナグサ(支那勿忘草)です。

シノグロッサム・モンタヌムは北部ヨーロッパを除く、スペインからウクライナまでの中央ヨーロッパの山地に広く分布する二年草です。
広く分布するだけあって古くから知られていて、モンタヌムはリンネの命名です。
ただ混乱もあり、ロシアの研究者たちは Cynoglossum germanicum と呼んでいましたし、ヨーロッパ東部では Cynoglossum hungaricum に分類されていたようです。

シノグロッサムというと一般的に青紫色の花、稀にピンクの花もありますが、モンタヌムに限っては暗赤色の花をつけます。
花色に青みを帯びるものもあるようで、この株も花によっては青みがかっているのもあります。

多くのムラサキ科植物同様、さそり状集散花序に花をつけます。
花弁にはクリスマスローズによく見かける脈状のすじ(ベイン)が入っています。
中心部には花色より濃い色の、ムラサキ科植物の花の特徴である副花冠状の5個の突起があります。

この花の色に加え、ベインが入る花弁に、私はなにか情念のようなものを感じます。

背丈は20〜40cmで、葉は全縁の披針形をしています。
ロゼッタ状の時には葉柄がありますが、上部に伸びて行くにつれ茎から直接葉が出るようになります。

属名はギリシャ語で犬(kyon)と舌(glossa)から来ています。
英名も葉の形や表面感からhound's tongue(犬の舌)です。

種小名は「山の、山地性の」という意味で、360〜2200mの山地の樫や杉の林が終わる草原やガレ地の斜面に分布していることに由来します。

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2014年4月10日 (木)

日本のオンファロデス  
Omphalodes japonica

ヤマルリソウ( Omphalodes japonica :山瑠璃草:ムラサキ科 ルリソウ属)が咲いています。


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 ヤマルリソウは関東以南から九州にかけて分布する多年草です。
林縁などのやや湿った土壌を好みます。

ワスレナグサのような先で5裂する直径1cmほどの筒状花は、淡い紫色から淡い紅色を混合して咲かせます。

地面を這うように花茎を伸ばし、花を次々とつけていきます。果実は下向きにつけます。
そのため雨の後などは、雨だれの撥ねで、花はどろどろになっています。

冬越し当初のロゼット状の根生葉は小さいですが、花の盛りを過ぎる頃から大型化してきます。
葉は両面に密に毛があり、そのため厚みがあるかのごとく感じます。茎や萼には白毛が密についています。

属名オンファロデスは「臍に似た」という意味で、種子のくぼみに由来する名です。

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2013年6月27日 (木)

変異の多いエリツリチウム 
Eritrichium canum

エリツリチウム・カヌム(Eritrichium canum:ムラサキ科ミヤマムラサキ属)が咲いています。


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ミヤマムラサキ属は温帯に30〜60種が分布しているとされています。

エリツリチウム・カヌムは秋に発芽し、冬を越して春に咲き、夏に枯れる二年草、あるいは寿命の短い多年草です。

エリツリチウム・カヌムはシベリアやモンゴル、中国北東部に自生しており、1963年に発見され1967年に命名された新しい種類です。

別種と考えられたほどに変異が出やすく、Eritrichium fruitculosum、Eritrichium patens、Eritrichium strictum 、 Eritrichium spathulatum などエリツリチウム属のいくつかはエリツリチウム・カヌムの変種に含まれれるのではないかと考えられています。

草丈は20〜30cmで直立します。花はマットな青紫色で、その大きさは径1cmほどです。
葉は長さ3cmほどで、薄く、全縁の長楕円形をしています。

属名のエリツリチウムはギリシャ語の軟毛(erion)と毛(thrix)の造語で、株全体に白い毛が生えていることに因みます。
種小名のカヌムは「灰白色の、白い毛の、白い葉で覆われた」という意味で、やや白っぽい緑の葉を指しているものと思います。


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