2019年11月11日 (月)

フロックスのようなオキザリス  Oxalis phloxidiflora

オキザリス・フィロキシディフロラ(Oxalis phloxidiflora:カタバミ科カタバミ属)が咲いています。

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萼の少し下に目立たないコブがあるのがわかるでしょうか。

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南アフリカ・ケープタウンの北約200 kmにある西ケープ州のオリファンツ(Olifants)川渓谷にあるクランウィリアム(Clanwilliam )の海抜600m付近の草原の斜面に自生しています。

芳香のあるオキザリスで、秋に活動を始めます。葉は3裂し、小葉は二つ折になった線状で、多くのオキザリスのように先には切れ目が入っています。その下面には薄い毛が生えていることもありますが、この株のように全草に非常に短い毛が生えていたり、全く生えていなかったりします。

異学名とされるオキザリス・マルリー(Oxalis mallyi)とは、一番下の写真のように、フィロキシディフロラには小さくて目立たないコブが1〜2個茎にあり、マルリーにはないとして区別されていましたが、今では同じものとして扱われています。
1〜3.5cmの6〜12本の葉柄ががかたまって1本の根生茎についています。
蕾の時は茶色くて目立たない花茎を出し、順番に径2〜3cmほどのピンクの花を数輪、開きます。

花弁は少しバンクして開平しているのでどちらか一方の縁が重なっていて、他のオキザリスのような花弁が均等に見えません。
花の筒部は黄色をしています。

ドイツの植物学者のフリードリッヒ・シュレクター(Friedrich Richard Rudolf Schlechter:1872–1925)さんが1899年に公表しています。同時にオキザリス・マルリーも発表しましたが、上記の通り、わずかな違いがあるだけで、後に同じものとされ、異学名となったいます。
シュレクターさんはアフリカ、インドネシア、オーストラリアなどを調査し、ラン科の植物だけで1000種もの新種を公表し、ランに関する著書があります。

種小名はギリシャ語で「フロックス属(クサキョウチクトウ属)に似た(Phlox」)と「花の(flora)」のようなという意味で、「フロックス属の花のような」オキザリスという意味です。

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2019年11月 1日 (金)

ケン・アスレットさんのオキザリス  Oxalis melanosticta

オキザリス・メラノスティクタ(Oxalis melanosticta:カタバミ科カタバミ属)が咲いています。

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オキザリス・メラノスティクタはオキザリス・プルプレア「ケン・アスレット 」(Oxalis purpurea 'Ken Aslet' )という名で園芸的に流通しています。園芸種でも何でもないようで、南アフリカケープ地方北西部のボッケベルデ崖(Bokkeveld Escarpment )から西カルー(Karoo)とモンタギュー(Montagu)に至るの乾燥した丘の斜面に自生する球根性の多年草です。

細かい白い毛が全草に生えています。葉は3小葉で、小葉の葉縁は下に巻き込み気味で、先は丸みを帯びています。
葉の上面は毛が密にはえて白っぽ見えます。下面は上面ほどではないけれど短い白い毛が生えています。

一番下の写真のように、葉裏から透かしてよく見てみると黒い小さな斑がうっすらと散らばっているのがわかります。オトギリソウ(弟切草:Hypericum erectum )ほどではないのですが、メラノスティクタという種小名がつけられたのだと思われます。メラノ(melan)は「黒い」、オスティクタ(osticta)は「点々の」という意味のギリシャ語で、「黒い点々がある」という特徴を指しています。

秋に葉を出し、花を咲かせ、春まで葉を茂らせ、暑くなる頃に地上部が枯れてしまいます。
葉が十分茂ったところで、球根から花柄を葉より上に伸ばし、ポツポツと咲きます。
径2cmほどの明るい黄色の花を咲かせます。

この植物はドイツ・ハンブルグの薬学者で植物学者のソンデル(Otto Wilhelm Sonder:1812-1881)さんによって1860年に公表されています。ソンデルさんはブラジルや喜望峰、熱帯オーストラリアの植物収集に従事しました。

園芸種の名のようにつけられている「ケン・アスレット」については、球根植物の栽培で著名なブライアン・マシュー(Brian Frederick Mathew :1936–?)がRHS園芸学校で教えていた頃、RHS園芸学校の庭園の手入れをしていたという逸話があることで知られるケン・アスレット(Ken Aslet )さんです。ケン・アスレットさんに関しては生没年を含め、これ以上のことはわかりません。英国では高山植物愛好家の間でレジェンドのようです。
ノウゼンハレン (Tropaeolum tuberosum 'Ken Aslet' )やムスカリ(Muscari 'Ken Aslet' )、クラッスラ(Crassula sarcocaulis 'Ken Aslet')にその名が残っています。

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2015年10月30日 (金)

ボツワナのオキザリス 
Oxalis zeekoevleyensis

オキザリス・ジーコエブレィエンシス(Oxalis zeekoevleyensis:カタバミ科カタバミ属)が咲いています。


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情報の少ないオキザリスですが、種小名から推測できるジーコエブレィ(Zeekoevley)とは南アフリカ北側に接するボツワナの乾燥した高原地方を指しているのだと思います。
ジーコエブェレィで最初に発見された個体につけられた名でしょうから、南アフリカからボツワナにかけて自生しているのでしょう。

葉は明るい緑の倒心形の3出葉で、球根から単生しています。葉裏や葉縁には白い微毛が生えています。特に若い葉の縁には密生して生えているので、白く目立ちます。

花は径1.5〜2cmの小輪で、薄い赤紫の花をポツポツと咲かせます。
咽部が黄色をしており、ピンクと黄色の境目あたりのに短い赤色の筋が入っています。
萼は明るい黄緑で5深裂し、先が尖っています。

一見しただけでは花や葉には特徴がありません。じっと見ていると特徴のある可愛いオキザリスです。

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2015年10月29日 (木)

淡いピンク色のオキザリス 
Oxalis fergsoniae

オキザリス・ファーガソニアエ(Oxalis fergsoniae:カタバミ科カタバミ属)が咲いています。


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オキザリス・ファーガソニアエは南アフリカのナマクワランド(Namaqualand)原産です。

ムカゴが出来て、ムカゴから増えるのですが、ムカゴから出た葉と、球根から出た葉は大きさが全く違っており、特にムカゴから芽が出たばかりの葉は本当に小さいです。

葉は3出葉で、倒卵形をしています。葉柄は5〜8cmで花茎1本に葉が1枚ついています。
多肉植物ほど厚みはありませんが、少し厚みのある倒心形の3枚の小葉を開きます。
葉の裏は、一番下の画像のように赤紫になっています。茎にも同じ色を帯びています。

花は花茎を立てず、10cmほどの花柄に単生し、ピンクの直径2〜2.5cmほどの花を咲かせます。
咽部は黄色で、5深裂する萼の先は丸くなり、赤色を帯びています。
可愛いピンクの花です。

種小名のファーガソニアエは、始めファーガソン(Fergson)という原産地の地名に由来するかと思ったのですが、そんな土地はありませんでした。ファーガソンという人名のようですが、詳しいことはわかりません。
種小名の語尾がeで終わっているところからして、命名ルールに外れた怪しい名前です。園芸名かもしれませんね。
多くはローマ字読みしてフェルグソニアエと呼ばれて流通しています。

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2015年10月27日 (火)

七枚葉のオキザリス 
Oxalis polyphylla v. heptaphylla

オキザリス・ポリフィラ・ヘテロフィラ(Oxalis polyphylla var. heptaphylla:カタバミ科カタバミ属)が咲いています。


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オキザリス・ポリフィラ・ヘテロフィラは南アフリカの西ケープ州や東ケープ州の南部に分布しています。
秋に花をつけ、冬に成長するオキザリスです。

種小名ポリフィラは「多くの葉の」という意味で、多数の小葉からなる葉を持っています。
小葉の枚数は5から8枚で、
5枚の小葉を持つのがペンタフィラ(Oxalis polyphylla var. pentaphylla)
7枚がこのヘテロフィラ(Oxalis polyphylla var. heptaphylla)
8枚がポリフェラ(Oxalis polyphylla var. polyphylla)
というように、小葉の数によって変種を区別します。

地中から葉柄を出し、1本の葉柄に1枚の葉がつき、7枚の小葉を開きます。
実際は、小葉は6から8枚ついていて、多肉植物のように見える線形の小葉を広げます。
多肉植物のように見えるのは細い楕円形の葉が縦にロールしているからで、けっしてマツバギクのような葉ではありません。

土から直接直立する花茎が立ち上がり、径3cmほどの花を薄青紫の花を開きます。中心の咽部は黄色をしています。
萼は赤味を帯び、5深裂していますが、裂片の先は尖っていません。

多くの異学名があります。

種小名のポリフィラは「多葉の」という意味で、何枚も小葉があることを指しています。
変種名のヘテロフィラは「七葉の、7枚の葉の」という意味です。

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2015年10月26日 (月)

エングラーさんのオキザリス 
Oxalis engleriana

オキザリス・エングラリアナ(Oxalis engleriana:カタバミ科カタバミ属)が咲きました。


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オキザリス・エングラリアナは北西および南西ケープ州の南向きの砂地の傾斜地に自生しています。

秋に葉が出てきますが、節から2〜3本の葉柄を出し、その先から5〜8枚の線形、線状楕円形の小葉を開きます。
葉裏には微細な毛が生えており、葉が出始めは縦にロールして葉裏が見え、灰緑色の葉に見えます。

葉柄を出した節から花茎を伸ばし、花をつけます。
花は径3〜4cmの大きさで、ピンク色で、中心部にマゼンタ色の模様が入ります。咽部は黄色をしています。
萼は5深裂し、先が尖っており、赤く色づいています。

球根は長さ5〜8cmの細長い、片一方の先が尖った楕円形をしています。

種小名のエングラリアナはハインリヒ・エングラー(Heinrich Gustav Adolf Engler:1844-1930)さんに由来しています。
エングラーさんはドイツ(プロイセン)の植物学者で、藻類から被子植物までを扱う植物分類体系と植物地理学 (Phytogeography) において多大な業績を残した人です。

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2015年10月23日 (金)

よくわからないオキザリス <br>Oxalis kaajagdensis

オキザリス・カアヤグデンシス(Oxalis kaajagdensis:カタバミ科カタバミ属)が咲いています。

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日本でオキザリス・カアヤグデンシスという名前で流通しています。
Telos Rare Bulbsで販売されているオキザリスで、このサイトでは、カアヤグデンシスは以前の名で、現在はカアスボグデンシス(Oxalis kaasvogdensis)が正しいと記されています。
カアスボグデンシスという名はパシフィック・バルブ・ソサエティでも、plantlist.org のデータベースをにも出てきませんが、パシフィック・バルブ・ソサエティにはカアヤグデンシスの名がありますが、正式な名称は不明とは記されています。
北欧系の人名に由来する学名もどきの怪しい名がつけられているようです。似たような種小名で紛らわしい限りです。

オキザリス・フルキラタ(Oxalis furcillata)かその近縁のものではないかというあるサイトの記事をみかけたこともあります。

さてこのオキザリス、茎の長さは15〜30cmで、互生して葉が付いています。
葉裏に微細な毛が生えているので、葉色は白っぽく見えます。
内側に巻き込んだ長心形の葉が茎から直接5枚の小葉がついており、そのため輪生しているように見えます。
オキザリスで葉柄がないのは非常に珍しいと思います。

茎は立ち上がる強さもないぐらい軟弱な茎で、伏せたまま伸びて、先の方でなんとか立ち上がっていきます。
吊り鉢などに植えるといいのかもしれません。

葉腋から長さ3〜5cmの細い花茎を伸ばし花をつけます。
花は小型の明るい黄色で、次々と蕾が出てきて、長い間咲いています。
萼は緑色で、深く5裂し、裂片の先は尖っています。

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2015年10月19日 (月)

二叉のオキザリス 
Oxalis dichotoma

オキザリス・ディコトマ(Oxalis dichotoma:カタバミ科カタバミ属)が咲いています。


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オキザリス・ディコトマは南アフリカ、西ケープ地方の海抜400〜600mの丘陵地に自生しています。
海軍軍人で南アフリカの植物を採集したサッター(Terence Macleane Salter:1883-1969) さんによって1940年に命名されたオキザリスです。

秋に茎が立ち、5cmほどに伸びたところで枝分かれし、数本の5cmほどの葉柄が出て、葉を開きます。

その後花茎が出て、高さ10〜20cmに伸ばし、頭頂から2〜3cmの花梗を2〜4本出します。
ピンクの花弁は長さ1cmほどで、角の丸い長方形をしています。
萼は5深裂し、先は尖っています。咽部は緑がかったクリーム色をしています。

葉は3複葉で、小葉はピースサインのようにV字形に開いています。種小名は「二叉になった、叉状に分かれた」という意味ですが、この特徴を指しているのではないかと思います。

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2015年10月18日 (日)

山羊のオキザリス 
Oxalis caprina

オキザリス・カプリナ(Oxalis caprina:カタバミ科カタバミ属)が咲きました。


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カタバミ科は8属950種があり、熱帯から温帯にかけて分布しています。日本ではオジギソウのような葉を持つオサバフウロ(Biophytum sensitivum)や果実を食用とするゴレンシ(Averrhoa carambola)などが知られています。
5枚の花弁が放射相称し、雄しべは10本で、花糸の下半分が合着し、葉は複葉で、小葉は夜にはたたまれ、果実はカタバミのような蒴果やゴレンシのような液果をつけるという特徴があります。

カタバミ属は鱗茎や塊根、根茎を持つものがあり、多くはありませんが低亜木や低木になるものもあります。
約800種が知られていますが、多くが南アフリカや南アメリカに分布しています。
葉は就眠活動をしますが、花にも日差しが弱いと閉じ、強いと開くという性質を持っています。
属名のオキザリスはギリシャ語のoxysから、酸いという意味で、葉に蓚酸を含んでいて酸味があることに由来します。

オキザリス・カプリナは東南ケープ州から東ケープ州にかけて自生しています。
オーストラリア南部にも何カ所かに分かれて分布しています。

一方が細い長楕円形の鱗茎から、秋にまず葉から出てきます。
7cmほどの葉柄につく葉は、無毛の倒心臓形の3複葉で、最も普通のオキザリスの葉です。
葉柄の2倍の長さ、15cmほどの花茎を垂直に立て、その先に2〜5cmの花梗を出し2〜6輪の花をつけます。

ピンクの花はオキザリスの中では小さい方ですが、沢山咲かせるので、見応えがします。
花びらは角の丸い長方形で、長さ1.2cmほどです。喉部は黄色をしています。

英名はgoats foot(山羊の足), goat's foot, sorrel(スイバ), wood sorrelです。

異学名はOxalis erecta, Oxalis macrophyllaです。
現地ではBokspootjie, Boksuringと呼ばれているそうです。

種小名のカプリナはラテン語のcaprinusに由来し、「山羊の」という意味です。どのような特徴を指しているか不明です。

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2014年4月19日 (土)

光る葉のオキザリス 
Oxalis megalorrhiza

オキザリス・メガロリザ( ツヤカタバミ、艶酸漿草: Oxalis megalorrhiza:カタバミ科オクサリス属)が咲いています。


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オキザリス・メガロリザはチリ、ペルー、ボリビアに分布するオキザリスですが、今日ではエクアドルやガラパゴス諸島など熱帯地方に広がっているようです。

オキザリス・メガロリザはオランダ人の医師で、後にウィーン大学の植物学教授になったジャカン(Nicolaas Joseph von Jacquin;1727 - 1817)さんが1794年に発見しました。
ジャカンさんはローマ皇帝のフランツ1世の命によって西インド諸島や中央アメリカを探検していますが、その時の発見です。

花は長い花柄に散形花序につけます。特徴のある形の苞葉は萼を覆っていて、中に4裂した萼が隠れています。
初春から夏前に2cmほどの黄色い花をつけますが、花弁がだらしなく垂れるように開きます。

閉鎖花で種を稔らせることもあります。
蒴果が熟すと弾け、種子をばらまきます。種子を飛ばすようになると雑草化するのではないかと心配しています。
私の所では1月頃芽がでて、寒さに遭っても枯れず、4月に花が咲きました。霜に当てなければ、寒さにも丈夫なようです。
それにしても成長の早さは、まるで一年草です。

長い葉柄につく常緑性の葉は肉厚で、その表面は、初めは粒々した質感がありますが、ある時ゼラチンでも塗ったのではないかと思うほどツヤが出ます。
そのツヤはまた突然消えてしまいます。どのような要因(多分成熟するとツヤがでる)でこの現象が生じるのか不思議です。
葉の裏面に微少な透明の球体がびっしりと並んでいます。

木質化する太くて茶色の茎は、自生地では20cmほどに伸びます。
霜が降りない気候で、水はけのよい土壌と充分の水分を喜ぶようです。

異学名とされるオキザリス・カルノサ(Oxalis carnosa)とは別物のようです。

種小名メガロリザは「大きな根の(megalo(r)rhiza)」という意味です。メガロリザは球根ではなく、大きな塊根を持っていることを示しています。

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