2016年5月 2日 (月)

小さなツタバウンラン 
Cymbalaria aequitriloba

キンバラリア・アエクイトリロバ(Cymbalaria aequitriloba:ゴマノハグサ科シンバラリア属)が咲いています。


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キンバラリア属は西ヨーロッパを中心にしてアフリカや小アジアに約10種類が知られています。
リナリア(Linaria)属に含まれていたことがありますが、花が葉脇に1輪つくことや、葉脈が掌状に広がる点で区別されています。
英語では英国、ケニルワース城に繁茂していたのでケニルワース・アイビー(Kenilworth ivy)とか、古代の遺跡で目にするのでコロシアム・アイビー(coliseum ivy)と呼ばれています。

キンバラリア・アエクイトリロバは背丈はわずか2cmほどの、花が咲いていなければ苔だと思ってしまいます。
スペインやヨーロッパ南部に分布している常緑の這い性植物で、園芸的にはグランドカバーとして利用されています。
葉は幅5mmほどで、小さい葉は幅3mmもありません。ですからグランドカバーといっても庭ではなく、鉢の中のグランドカバーにできます。
葉は厚みがあり、ツタバウンランのように表面がスムーズではなく、デコボコしています。葉脈は見えません。

リナリア属に含められていたように小さいけれど、りっぱな距があります。
ランナー(ストロン、匍匐枝)を出して増えていきます。耐寒性は強く、冬からポツポツと花をつけています。
さすがに寒い間は縮こまっていて、暖かくなるとランナーを出します。
夏は直射日光を遮ってやる工夫が必要です。

これだけ冬に強い植物ですから、夏は息も絶え絶えになります。

英名は矮性ケニルワース・アイビー(Dwarf Kenilworth Ivy)です。
ツタバウンラン(ツタガラクサ:Cymbalaria muralis)の矮性と思わせるような英名ですが、ツタバウンランの矮性種や変種ではありません。

属名キンバラリアは「シンバルの」という意味で、葉の特徴を指しています。
種小名のアエクイトリロバ(aequitriloba)は「同じ大きさの三裂片の」という意味で、3裂(3〜5裂)する葉の様子を示しているものと思います。なおツタバウンランの葉は掌状に5〜7裂しています。

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2015年10月14日 (水)

海の蘭 
Linaria japonica

ウンラン(海蘭:Linaria japonica:ゴマノハグサ科ウンラン属)が秋らしくなっても咲いています。


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ウンラン属は地中海を中心に北半球の温帯に150種以上が知られています。
花冠は筒状で、二唇形の仮面状花冠を構成し、基部には距を持っています。雄しべは4本で、蒴果を稔らせます。


ウンランは北海道、本州、四国北部の海岸の砂地に自生する多年草です。日本以外には中国、朝鮮、ロシア極東部に分布しています。

株全体が緑白色で、毛は全くなく、スベスベです。
茎は時には直立することもありますが、普通は斜上ないし匍匐し、高さは10〜30cmです。

鋸歯のない全縁の葉には厚みがあり、先が鈍形の楕円形をしていて、葉柄はほとんどありません。
葉は対生をしていますが、3〜4枚が輪生をすることもあるようです。上部の葉は互生してついています。

夏に茎頂に短い柄を出し、その先に総状花序に数個の花をつけます。
花の中央は盛り上がって黄色く、他はクリーム色の仮面状花冠を持つ唇形で、上唇は2裂しています。
仮面状花冠とは虫が来るまで閉じていますが、虫が来ると上下に開く構造を指します。
雄しべは4本でその内2本が長く、雌しべは1本です。

果実は球形の蒴果で、果実の頂端に穴が開いて種子を散布します。

ウンランという和名は花が蘭に似ており、海岸に生えるところからきています。
属名のリナリアは、ギリシャ語のlinon(アマ)に由来し葉が似ていることに由来します。
種小名のヤポニカは「日本の」という意味です。

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2015年5月14日 (木)

小さな黄金リナリア 
Linaria supina

リナリア・スピナ(Linaria supina:ゴマノハグサ科ウンラン属)が咲いています。


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リナリア・スピナはイングランド南西端コーンウオール地方からイタリアを中心としてヨーロッパ南西部にかけて分布する耐寒性1年草、あるいは2年草です。
軟らかそうな姿で匍匐し、背丈10〜25cmのマット状の茂みを作ります。

1年草のすさまじさを感じるというか、背丈が低い内から、茎頂に総状花序に蕾を付けます。
蕾には小さい内から比較的長い毛が生え、それがいくつもあるので、茎頂部に毛の塊が着いているように見えます。

1〜2cmの花は唇形花で、上唇弁は濃い黄色、下唇弁はやや薄い黄色で、喉部にはオレンジ色の模様が2個ついています。まれに紫の模様に染まるものがあるそうです。
0.5〜1cmのまっすぐな距があります。

長さ1cmほどの細い披針形の葉は茎から直接出、下部では対生につき、上に行くと互生してきます。
葉には短い軟毛がびっしりと生えており、そのため青白っぽい緑に見えます。
茎を含め3〜10mmの毛が思い出したように生えています。
下部の茎には毛が生えていません。

英国ではlesser butter and eggsと呼ばれています。
種小名スピナは「仰向けに寝転がった」「後方にひれ伏した,広がった」という意味で匍匐することを指しています。

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2013年7月 9日 (火)

色目の違う大きなリナリア 
Linaria triornithophora

地味なリナリア・トリオルニトフォラ(Linaria triornithophora:ゴマノハグサ科ウンラン属)が咲いています。


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先日お知らせしたピンクのリナリア・トリオルニトフォラと同じNARGS(North American Rock Garden Society)配布のタネからこんな色合いの花が咲きました。
黄色がかったクリーム色です。昨年と同じ色ですが、昨年のトリオルニトフォラは距に濃いピンクが入ってましたが、これは全部同じ色です。

地味とは書きましたが、これはこれで落ち着いたいい感じです。
全て原種だとは思いますが、かなり見た目に差があります。

葉も茎は全く同じで、毛は生えておらず、パステルグリーンをしています。

種小名トリオルニトフォラは「3羽の鳥が飛ぶ姿の」という意味です。
英名もthree birds toadflax(3羽の鳥のリナリア)やThree Birds Flying(空飛ぶ3羽の鳥)です。

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2013年7月 4日 (木)

黄花のリナリア 
Linaria genistifolia

リナリア・ゲニスティフォリア(Linaria genistifolia:ゴマノハグサ科ウンラン属)が咲いています。


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ウンラン(リナリア)属は北半球の温帯に150種ほどが知られています。二弁型の花は上唇が2裂、下唇は3裂し、距があります。

リナリア・ゲニスティフォリアは地中海沿岸地方原産、イタリア南部からマケドニア共和国のダルマチアにかけて分布する宿根草です。リナリア・プルプレアのように背が高くなるリナリアです。

クロアチアのダルマチア地方原産の亜種とされるのがリナリア・ダルマチカ(Linaria dalmatica あるいは Linaria genistifolia ssp. dalmatica)ですが、米国ではリナリア・ダルマチカはリナリア・ゲニスティフォリアの異学名で、同じものという説もあります。
米国では両者が混ざり合って広がっているのかもしれません。
繁殖力が強く、米国ではタネや根で広がっているようです。

同じ黄色い花を咲かせるリナリア・ブルガリス(ホソバウンラン :Linaria vulgaris)と違って背が高く、花も長さ2cmほどで少し大きいようです。リナリア・ブルガリスは黄色に濃い薄いがありますが、ゲニスティフォリアは黄色一色の花を咲かせます。

葉は艶のないパステルグリーンで、細い逆心形をしています。リナリア・ダルマチカより幅があるようです。

種小名はgenistは箒、foliaは葉という意味、マメ科ゲニスタ属(Genista)の葉に似ているからでしょう。

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2013年7月 1日 (月)

ダルマチアのヒメキンギョソウ 
Linaria dalmatica

リナリア・ダルマティカ(Linaria dalmatica:ゴマノハグサ科ウンラン属)が咲きました。


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リナリア・ダルマティカはイタリア南部からバルカン地方のペニンシュラ半島やマケドニア共和国のダルマチア、ルーマニアに分布しています。
現地名はダルマチアのヒメキンギョソウ(Dalmatian toadflax)です。

繁殖力が強く、アメリカやカナダにも帰化し、暑さ寒さに強いようです。
かなり目立つ黄色の花は、ホソバウンラン(細葉海蘭:リナリア・ブルガリス:Linaria vulgaris)より鮮やかです。ホソバウンランは上唇や下唇は黄色い色が薄くなっていますが、リナリア・ダルマティカは濃い薄いがないので、よりいっそう黄色が鮮やかです。下唇の隆起部のオレンジ色は薄いようです。

葉はパステルグリーンで、この個体はやや細いようですが、普通は全縁の卵形をしています。


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2013年6月20日 (木)

大きなリナリア 
Linaria triornithophora

リナリア・トリオルニトフォラ(Linaria triornithophora:ゴマノハグサ科ウンラン属)が咲いています。


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ポルトガルやスペインが原産のリナリアで、園芸種のリナリアを姫金魚草と呼びますが、姫をとった方がいいほどの大きな花を咲かせます。距を含めて3cmほどの長さがあり、花の構造を観察できます。

原種の花は全体が淡いピンクですが、このようにははっきりしたラベンダーピンクのものがあります。
この花の種子はNARGS(North American Rock Garden Society)の種子交換で手に入れたので、原種か園芸種か不明です。

葉も茎も毛は全く生えておらず、パステルグリーンをしています。
茎は堅く、しっかりしています。茎にはそれを取り囲むように葉柄のない全縁の細い三角形の3枚の葉がついています。
葉の付け根から1本花柄を出し、そこに花序ができます。

種小名トリオルニトフォラは「3羽の鳥が飛ぶ姿の」という意味で、輪生して咲く3輪の花を指しています。
英名もthree birds toadflax(3羽の鳥のリナリア)やThree Birds Flying(空飛ぶ3羽の鳥)です。

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2012年6月 1日 (金)

陸のクリオネ 
Linaria triornithophora

びっくりするような大きな花をつけるリナリア・トリオルニトフォラ(Linaria triornithophora:ゴマノハグサ科ウンラン属)です。


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ポルトガルやスペインが原産のリナリアで、背丈が50〜90cmにもなります。もうリナリアを小さな草とは言えません。
背丈だけならリナリア・パープレアも負けていませんが、花も大きいのです。距を含めて3cmほどの長さがあり、リナリアの花がどのように開くのかバッチリわかります。
先日のリナリア・アルピナと比べてみましたが、その大きさが分かっていただけると思います。

原種の花は全体が淡いピンクで、距が濃いピンク、上唇にクリーム色がかかりますが、園芸種の中にははっきりしたラベンダーピンクのものもあります。
花の形はまるで軟体動物のクレオネ (Clione) に似ていて、羽の生えた天使のように見えます。

葉も茎も毛は生えて折らず、灰緑色をしています。背が高くなることを裏付けるように茎は堅く、しっかりしています。1番下の写真のように、茎を取り囲むように葉柄のない全縁の細い三角形の3枚の葉がついています。葉の付け根から1本花柄を出し、花が咲きます。
乾燥に強く、用土がカラカラになってもびくともしません。

種小名トリオルニトフォラは「3羽の鳥が飛ぶ姿の」という意味で、輪生して咲く3輪の花を指しています。が、必ずしも3個花がつくのではなく、4個ついている時もあります。
英名もthree birds toadflax(3羽の鳥のリナリア)やThree Birds Flying(空飛ぶ3羽の鳥)です。

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2012年5月30日 (水)

アルプスのウンラン 
Linaria alpina

リナリア・アルピナ(Linaria alpina:ゴマノハグサ科ウンラン属)が咲きました。


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ヨーロッパの地中海よりの、スペインからバルカン半島にかけての海抜1500m~4000mのヨーロッパアルプスの岩場や礫地に自生しています。

長さ1cmほどの淡紫色の小花が総状につき、ウサギの耳のように上唇は2裂し、ピンと立っています。
3裂する下唇弁の付け根にオレンジまたは濃紅色のスポットが2つ並んでいます。
以前ご覧いただいたリナリア・アルピナはど派手な花色でしたが、これが普通の花色です。

這い性があり、緑灰色の美しい葉を茂らせ、背丈はせいぜい10cmほどです。葉は全縁で細い線形をしています。


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2011年6月26日 (日)

アルプスのリナリア 
Linaria alpina

リナリア・アルピナ(Linaria alpina:ゴマノハグサ科リナリア属)が咲きました。

リナリア・レティクラタ「フラメンコ」に劣らないけばけばしい二色咲きのリナリアは、園芸種でも何でもなく、アルプス原産です。ヨーロッパの地中海よりの海抜1500m~4000mの山地の岩場や礫地に自生しています。

長さ1cmほどの小花が総状につき、上唇は2裂し、ウサギの耳のようにピンと立っています。多くは淡紫色で、3裂する下唇弁の付け根にオレンジまたは濃紅色のスポットが入る二色咲きです。
NARGC から手に入れた種子から咲きましたが、袋には mixed(混合)と書かれていましたので、このようなピンクの他に、薄紫色、黄色や白色の花が咲く可能性があります。

全縁の細い線形の緑灰色の葉を茂らせます。


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