2019年6月11日 (火)

白いアカンサス「ルー・レダン」  Acanthus mollis 'Rue Ledan'

アカンツス・モリス「ルー・レダン」(Acanthus mollis 'Rue Ledan':キツネノマゴ科アカンツス属)が咲いています。

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アカンツス属は地中海沿岸の小アジアからヨーロッパ、北アフリカ、および熱帯アフリカ、熱帯アジアに約50種が知られています。
背丈の低いものは30cmほどですが、高いものは1.5mにもなり、多年草、または小低木です。

アカンツス・モリスはヨーロッパ南部と北アフリカ、西南アジアに分布しています。
大型の植物で、古くから庭園に利用されています。日本へは明治に終わりに渡来したとされ、葉薊(はあざみ)という和名がつけられています。
羽状に深裂し、ツヤのある濃いグリーンの大きな葉は、花が無くても見間違うことはありません。
春から夏にかけて80cmに花茎を伸ばし、穂状花序に大きな花をつけます。
基本種の花は3裂する唇弁がピンクを帯びた白い花で、それを上下から包み込み萼は薄紫色をしています。

さてアカンツス・モリス「ルー・レダン」は、白花種で、唇弁が白、それを包む萼は灰緑色をしています。
Laurence C. Hatchさんの著書によれば1991年フランス・パリのオテル・マティニョン(L'hôtel de Matignon )の庭園(屋敷裏の公園)で発見されたと言われています。

苗を購入してから5年経ち、今年初めて花を見ました。初花ですので花茎が低く50cmほどですが、来年以降は草丈が1mほどになるのではないかと思います。
以前から持っている白い花のアカンツス、アカンツス・モリス・アルブム(Acanthus mollis f. album)と同じものだろうと思いますが、アカンツス・モリス・アルブムより明らかに明るい葉色をしています。
Acanthus mollis 'Jefalbus' やAcanthus mollis 'Jefalba'、Acanthus 'Jardin en Face(顔の庭)'などの名がつけられているようです。

属名アカンツスは「棘」という意味のギリシャ語に由来します。葉や萼、苞に棘が多いからつけられたと言われています。

種小名モリスは「柔らかい、軟毛のある」という意味で、アカンツス属の中では、葉の列片の先がとがっているけれど棘がなく、触っても見た目ほど痛くないからだろうと思います。

 

 

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2019年6月 7日 (金)

米国のカラマツソウ    Thalictrum clavatum

米国のカラマツソウのタリクツルム・クラバツム(Thalictrum clavatum:キンポウゲ科カラマツソウ属)が咲きました。

タリクツルム・クラバツムは米国東部のジョージア州や南・北カロライナ州からケンタッキー州にかけてアパラチア山脈などの海抜500mまでの山や麓の湿り気のある林内、崖、浸食された斜面、小川のほとりに分布しています。
カラマツソウの仲間は1mほどに育つものが多いのですが、タリクツルム・クラバツムは20~30cm、高くても50cmで、矮性のカラマツソウです

タリクツルム・クラバツムについて詳しいことはこちらをご覧ください

 

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2019年5月29日 (水)

花も葉も斑入りのムシトリナデシコ  Silene armeria

斑入りのムシトリナデシコ(虫取り撫子:シレネ・アルメリア・バリエガタ: Silene armeria f. variegataナデシコ科シレネ属)が咲いています。

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ムシトリナデシコという和名のシレネ・アルメリアは元々はヨーロッパに分布するシレネですが、今日では日本を含む世界中に分布していると言われています。

草丈は30〜60cmで、花序を出すまでは分岐しません。

対生する葉は灰緑色で卵形から広披針形で、基部の葉は茎を抱いてつきます。

上部で分岐して花序ができると、茶色い帯状に粘液を分泌する部分ができます。この帯に虫がつくのでムシトリナデシコという和名がつけられたそうですが、ムシがついているのを見たことはありません。

5月から6月に枝端に鮮紅色の径1cmほどの5弁の花を多数つけます。花は筒部が1cmほどあり、赤い色の萼には縦に縞が入っています。この属の花の特徴として舷部に花弁と同じ色の付属物があります。

一般的にはこのような特徴がありますが、我が家で咲いているムシトリナデシコの中に葉色の明るい苗を見つけました。
よく見ると色が薄いだけではなく明るい緑の斑が入っていました。

花が咲くとこの通り、吹きかけ模様と言ったらいいのでしょうか、鮮紅色と薄桃色に咲き分けていました。咲く前から萼の色が薄かったので、そのような薄い花色だろうと予想できましたが、斑入りになるとは思っていませんでした。

 

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2019年5月25日 (土)

ブルーの葱坊主 Allium caeruleum

アリウム・カエルレウム(Allium caeruleum:ヒガンバナ(ユリ)科ネギ属)が咲きました。

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ネギ属の花色は白色系や赤色系が多いのですが、これはブルーの花を咲かせます。
種小名カエルレウムは「青色の」という意味のラテン語で、異学名もアズレウム(Allium azureum)で、こちらも「青っぽい、淡青色の」という意味です。ネギ属では「青い」という学名を一番最初にもらったのではないかと思える名前がつけられています。

アリウム・カエルレウムはカザフスタン、キルギスタン、タジシクタン、ウズベキスタン、新疆ウイグル自治区などの中央アジアの草原地帯に自生するタマネギ状の球根を持つ多年植物です。

5〜6月にかけて、下から3番目の葉の一部に割れ目ができ、そこから薄茶色の縞のある苞をつけた細くて丈夫な花茎を伸ばします。
花茎は30〜60cmに伸びます。私のところでは30cmほどです。

苞が破れ長さ0.5cmほど、花被の中心に青い筋のある淡青色の星形の花が20〜40輪あらわれ、ボール状に開きます。
植え替えなどをしているとネギの匂い(ガーリック臭)がします。

球根には毒があり、生食は危険だそうです。

1993年に王室園芸協会からAward of Garden Meritを受賞しています。

英名は blue globe onion, blue ornamental onion, blue-of-the-heavens, blue-flowered garlic です。

ドイツの植物学者パラス(Peter Simon Pallas:1741–1811)さんによって1773年に命名されています。

 

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2019年5月21日 (火)

ピンクのジャスミン  Jasminum x stephanense

ヤスミヌム・ステファネンセ(Jasminum x stephanense:モクセイ科ヤスミヌム(ソケイ)属)が咲いています。

 

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先日ヤスミヌム・ビージアヌム(Jasminum beesianum:モクセイ科ヤスミヌム(ソケイ)属 )をご覧いただきましたが、それよりも色が薄く、きれいなピンクで、大きな花を咲かせます。

ステファネンセはヤスミヌム・ビージアヌム(Jasminum beesianum)とヤスミヌム・オフィキナレ(Jasminum officinale)を20世紀の初めにフランスで交配して作られた半耐寒性常緑多年生つる植物です。

親のヤスミヌム・ビージアヌムは常緑性で中国西南部に分布しています。
もう一方の親のヤスミヌム・オフィキナレは落葉性で、夏近くに白い花をつけ、コーカサスからイラン北部、中央アジア、中国西部にかけて広く分布しています。種小名は「薬用の」という意味で、花には精油が含まれていて香料に使われます。

葉はヤスミヌム・ビージアヌムとは異なっており、オフィシナレ譲りのようで明るい緑色をし、全縁披針形の5片の複葉で構成されています。時に3複葉のこともあります。

花は6月〜7月にかけて咲く遅咲きです。他のジャスミンが終わった頃に濃いピンクの蕾を出します。
萼は細く5深裂しています。

径2cmほどの淡いパステルピンクの花は、先で5(4〜6)裂する筒状花で 、茎端に複数輪咲かせます。

品種名のステファネンセはステファン(Stephan)さんという人名に由来すると推測され、作出者ではないかと思うのですが、詳細はわかりません。

 

 

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2019年5月 7日 (火)

赤花ジャスミン Jasminum beesianum

ヤスミヌム・ビージアヌム(Jasminum beesianum:モクセイ科ヤスミヌム(ソケイ)属 )が咲いています。

 

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ヤスミヌム(ソケイ)属は約200種が旧大陸の熱帯から温帯にかけて分布しています。ほとんどに蔓性があり、花はよい香りがします。

ヤスミヌム・ビージアヌムは英国のプラントハンターのジョージ・フォレスト(George Forrest :1873-1932)さんが中国西南部から紹介した植物の一つです。海抜2500m付近の何もないガレ地で発見されています。

常緑の蔓植物で、茎の基部から多くの茎を出し、若い茎は緩く互いに絡み合いながら、支え合ってよじ登り、塊を作ります。
対生する葉は全縁の単葉で、長さ3〜5cmの卵形〜披針形をしています。冬も枯れないで残っていますが、冷涼地では落葉するようです。

4月から6月に、茎先に3〜5個の紅色の花をつけます。
花は先で5裂する筒状花で、花の大きさは1.5cmほど、筒部は1cmほどで、ジャスミンの仲間では小さい花です。
花の開口部(喉部)を覗くと白い細い毛が密生しています。
香りは強くないので、風があると匂いません。

日当たりはもちろん、水はけよく適度な湿気のある用土が必要です。
生育旺盛なので、花後すぐに刈り込みをして古い枝や込み入った枝を取り除きます。

 

種小名のビージアヌムは英国のビーズ社(Bees Ltd)という園芸業者の社名に由来します。ビーズ社はアーサー・バリー(Arthur K. Bulley:1861-1942)さんによって設立された会社で、何人ものプラントハンターを雇っていました。バリーさんは英国の綿商人、蘭愛好者、プラントハンターで、中国西部やヒマラヤの植物を収集しています。
バリーさんの資金提供を受け雲南省を探検したジョージ・フォレストさんが1906年に編成した植物探検で発見し、英国にもたらされました。この探検旅行では彼以外の者全員が天然痘(現地人の襲撃という説もあります)で亡くなっています。

属名は茉莉花(マツリカ:jasminum sambac)のアラビアまたはペルシャ名のyasumin(ヤースミーン)yasaman(ヤサマン)に由来します。

 

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2019年4月29日 (月)

春のツルボ Scilla verna

スキラ・ベルナ(Scilla verna:ユリ科スキラ属)が咲きました。

スキラ・ベルナは西ヨーロッパ、ポルトガルからイギリス、さらに北のノルウェーまでの海岸沿いに分布する耐寒性のある球根植物です。

この株は2016年2月に種を蒔いて初めて今年花茎を2本あげました。

 

詳しくはこちらをご覧ください

 

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2019年4月27日 (土)

赤い筋の入ったグンバイナズナ  Thlaspi kurdicum

タラスピ・クルディクム(Thlaspi kurdicum:アブラナ科グンバイナズナ属)が咲きました。

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種小名のクルディクムは「クルド人の居住地の」という意味で、自生地を表しています。
トルコのクルド人が多くすんでいるトルコ東部のアートス(Artos)山を初めタウルス(Taurus)山脈の海抜2600〜3600mの山岳地帯に分布しています。
高山の尾根から下った石灰岩の傾斜地の割れ目に自生しています。

 

タラスピ・クルディクムは根生葉を持たず、冬の寒いうちから小さい葉を付けた茎を直立させます。
茎上葉は長さ3〜5mmで、毛がなく厚みがあり全縁の楕円形をしています。
灰緑色をしていますが、寒い時期はピンクがかっています。
判断に困るほど非常に短い葉柄があり、葉は茎を抱きません。
茎頂に花序ができ、開花するにつれて、花序の少し下の葉脇から分枝し、その先に次の花序ができます。

草丈は葉だけの時は7〜8cmで、花序が果実を付けながら上へ伸びていくので最終的には結構背が高くなります。それでも20cmは超えません。
花はアブラナ科だと分かる白い花弁2枚が対になった4枚で構成されています。
長さ1mmほどの花弁には、赤紅色のY字型の筋とそれを囲むように筋が入っており、遠目にはピンクに見えます。
花は成熟すると花弁の脈が消え、花弁全体がピンクになります。

果実は幅5mmほどの茶色の広卵形をしいます。始めは緑ですが、周辺から茶色に変色していき、最終的には茶色の莢になります。

なおタラスピの英名はpennycressです。
属名タラスピはギリシャ語起源の「押しつぶす(thlaein)」に由来し、平たい果実を指しています。
クルディクムはスコットランドの植物学者ヘッジ(Ian Charleson Hedge:1928-)さんによって1961年に公表されています。

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2019年4月18日 (木)

ピンクのアキス Acis trichophylla ssp. purpurscense

アキス・トリコフィラの紫花品種のアキス(Acis trichophylla f. purpurscense)が咲いています。

紫の派手はなく、実際は白にピンクがかった色の花です。

スペイン、ポルトガル、ジブラルタル海峡を隔てて対岸のモロッコなどの地中海西部海岸の松林の砂地なだで見られます。
5〜20cmの松葉のように細い葉が球根から3〜数本出て、渦巻くように地面を這い回っています。
花茎は渦巻いている葉とは関係ないようなところから、潜水艦が潜望鏡を上げるように、花茎を15〜30cm伸ばして花を2〜3輪つけます。

詳しくはこちらからどうぞ

 

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2019年4月 7日 (日)

黄色のバビアナ Babiana pygmaea

バビアナ・ピグマエア(Babiana pygmaea:アヤメ科バビアナ属)が咲いています。
クロックス(クロッカス)属と同じように、球根から直接蕾が出てきて花を咲かせます。


詳しくはこちらをご覧ください

 

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