2019年8月 8日 (木)

鉄の草  Vernonia fasciculata

バーノニア・ファスキクラタ(Vernonia fasciculata:キク科バーノニア属)が咲いています。

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バーノニア属は日本では九州にヤンバルヒゴタイ(ムラサキムカシヨモギ、ショウジョウハグマなど名前があります)( Vernonia cinere(Cyanthillium cinereum))1種が知られていましたが、ヤンバルヒゴタイは他の属に移されましたので、日本には分布していないことになります。世界には500〜1000種が温帯から熱帯に分布していて、ほとんどがピンクから紫の花をつけます。
花の付け根にかわら重ね状にならぶ総包片(萼のように見えるもの)を持っています。

バーノニア・ファスキクラタはカナダ南中部や米国中部から東部に分布する多年草で、草原や湿原、沼沢地などに自生しています。

茎は50〜100cmに直立して伸び、途中で枝を出すことはなく、茎頂で枝分かれします。 茎は非常に丈夫です。
葉は薄いけれど堅い、長さ10cmほどの鋸歯状縁の狭披針形、狭卵形をしています。

夏の終わりから秋にかけて、茎頂で枝分かれしながら散房花序に頭花をつけます。
赤紫色の花は筒状花で、先で5裂し、花色と同じ色の雄しべと白い雌しべが飛び出しています。それが10数から20輪がまとまってついています。
この種類は、種を稔らせると鉄さび色の綿毛を出すのでアイアンウィード(鉄草:ironweed)といいます。
このバーノニア・ファスキクラタは草原で見かけるのでPrairie ironweedやSmooth ironweedと呼ばれています。

わざわざ種を播かなくても繁殖できる強さを持つもかかわらず、魅力的な花を咲かせます。

一般に湿った土壌では背が高くなりますが、夏前に茎を刈ることによって、背丈を低くすることができます。 現地では、他のベルノニア属の種類と交雑しやすいので種類の同定が難しいようです。

2015年にNAGRGSから、ベロニカと一字違いなので間違えて、種子交換で手に入れました。それからは勝手に実生で生えています。 実生で簡単に増えていくようなので、夏の殺風景な場所にふさわしいかもしれません。 多分油断すると増え過ぎるような気がします。

属名のバーノニアは英国の苔蘚類の植物学者で鱗翅類の昆虫学者でもあった植物採集家のウイリアム・バーノン(William Vernon:1666-1711)さんに因んで、ドイツの博物学者シュレーバー(J.C.D. Schreber:1739–1810 )さんが命名しました。 バーノンさんは1698年に米国メリーランド州に渡り、メリーランド州の植物、動物、化石、貝殻などを採取しています。

種小名はラテン語で「束になった、束生の」という意味で、花など(茎や枝、葉) が集まって、束のように見える状態を指しているのだろうと推測しています 。

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2019年8月 5日 (月)

もじゃもじゃのコウゾリナ  Hieracium villosum

ヒエラキウム・ビロスム(Hieracium villosum:キク科ヒエラキウム属 )が咲きました。

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ヒエラキウム属は世界に約800種が知られており、主にヨーロッパを中心に、北半球の温帯に分布し、一部はアフリカにも分布しています。ほとんどが多年草で、茎葉に腺毛を持ちます。
小花は舌状の両性花で、花の色は黄色が多く、まれに橙黄色や赤色があます。花柄に単生する種類もあれば、散房状または円錐状に多数つけるものもあります。

ヒエラキウム・ビロスムは西はフランス、イタリア、バルカン半島から中央ヨーロッパを経て、ロシアかけてに分布しています。海抜1400~2500mの山岳地帯に広がる石灰質土壌の草原に自生しています。

葉は根生葉のみで、長さ4.5~8.5cmの全縁の楕円形から皮針形をしています
葉は白く長い細い毛で覆われています。暑くなると薄くなりますが、幼苗のころは葉が小さいにもかかわらず、毛の長さが今と変わりませんから、幼苗の頃は多肉植物を想像させます。

夏に近づく頃、根生葉の真ん中に大きな集合花の蕾が現れ、そこから花茎を伸ばして茎頂に1輪花をつけます。
頭花が大きくなるにつれ苞葉から花茎を出し、次の頭花をつけます。
このようにして花茎が伸びるにつれ、根生葉の節間が伸び、根生葉は茎につく葉に変わっていきます。
ですからこれを根生葉と呼んでよいのかわかりません。
花は径4cmほどで明るい黄色をています。萼にも白い毛が密生しています。
総状花序に頭花をつけ、結局花茎は20〜30cmの長さになります。
葉をちぎったりすると白い分泌物が出ます。

属名は古代ギリシャ語のhierax(ヒエラクス、古代ギリシャ語の鷹)に由来します。古代ギリシャでこの種類の植物をこう呼んでいたようです。
古代ギリシャで、鷹がこの植物の分泌物を好むとという言い伝えからついた名のようです

英名もHawkweed(鷹草)でギリシャ名に習っているようです。

種小名ビロスムはラテン語のvillosusに由来し、「毛の多い、もじゃもじゃの」という意味です。

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2019年7月 2日 (火)

夏前に秋咲きの花が Prospero autamnale

プロスペロ・アウタムナレ(Prospero autamnale:ユリ科(キジカクシ科)プロスペロ属)が咲いています。

 

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プロスペロ属はイギリスの植物学者サリスベリー(Richard Anthony Salisbury:1761–1829)さんによって立てられ、スキラ属の一部を含んで分類されました。サリスベリーさんの死後、1866年に共同研究者のイギリスの動物学者グレイ(John Edward Gray:1800 –1875)さんによってプロスペロ属という名が初めて公表されました。
その後最近のゲノム分析による分子形態学的分類学的見地から、オーストリアの植物学者で球根植物の分類学を専門とするシュペータ(Franz Speta:1942-)さんたちによって約25種のスキラ属がプロスペロ属に移されました。
プロスペロ属はイングランド南部、地中海沿岸から西アジアまで分布し、花序を包む苞と花序が出る前に出る葉を持たず、秋に開花期があり、花後葉が出て、春には枯れるという特徴を持っています。

さて以前はスキラ・アウタムナリス(Scilla autamnalis)と呼ばれていたこの植物は、1982年にシュペータさんによってプロスレロ属に移されました。
プロスペロ・アウタムナレはイギリス南部、地中海西部沿岸(ポルトガル、モロッコ)、少し飛んで小アジア(トルコ、イラク、コーカサス)などに分布しています
開けた傾斜地や地中海沿岸地域によく見られる常緑低木地帯 、明るい林間、まれに石灰岩の割れ目など自生しています

花茎は高さ10〜20cmで、根出する葉は長さ10cmほどの線形をしています。
一般的には日本のツルボ同様開花時期には葉はなく、秋に花茎が立ち、花が咲いた後、秋の終わりから冬にかけて葉が出てきます。
なお日本のツルボに似ているとは言え、ツルボはバーナーディア属(Barnardia japonica)に分類され、秋だけではなく春にも葉が見られるので近縁ではありません。

花茎の先に総状花序に、蕾は密に付いていますが、ポツポツと開きますので、節間が空き、まばらに花がつきます。
花被片が6枚の花は、径6〜10mmくらいで、淡い紅紫色や白色をしています。雄しべも6本で、青色をしています。

広い地域に離れて分布していますが、単一種として分類されていますが、分布域の広さから実際には別種として分類される可能性を含んでいると考えられています。
ですから同じプロスペロ・アウタムナレでも自生地域の記述が重要になってきます。
この株は写真でもわかるように、花序が出る前に葉があります。まるでムスカリの葉のように出ていましたので、てっきりラベルが入れ替わったと思いました。
このように典型的なプロスペロ属の特徴を持っていません。産地もわかりません。
2014年12月に種子を手に入れ、今年の6月に初めて咲き出しました。初花なので通常でない咲き方をしたのかもしれません。
来年のシーズンに様子見をしようと思います。

最初リンネによって1753年にScilla automnalisと命名されましたが、多くの研究者によって多くの異なる分類がなされ、ここに書き切れないぐらい多くの異学名を持っています。それ程多くの特徴があると言うことですね。

属名の Prospero は詳細は不明です。ラテン語の「prosperus(幸運な)」からきているのか、あるいは「天王星の衛星」の名なのか、あるいはイタリアの医師で植物学者のプロスペロ・アルピーニ(Prospero Alpini:1553 –1617)さんを示しているのか不明です。

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2019年7月 1日 (月)

背の低いルイラソウ   Ruellia humilis

リュエリア・フミリス(Ruellia humilis:キツネノマゴ科ルイラソウ属)が咲いています。

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リュエリア属は世界に250種が分布し、1年草、多年草で、多年草の種類は低木状になるものがあります。
葉は対生し、多くは全縁で、毛が生えています。花は漏斗形で、ほぼ等しく5裂します。

リュエリア・フミリスは米国北東部/北部中央部から南東部/南部中央部に広く分布する耐寒性の多年草で、石灰岩にのった薄い土壌の空き地や石灰岩土壌の森の中などに自生しています。

長さ4~6cmの全縁、楕円形~披針形で、両面に柔らかい白い毛が生えて、茎に対生してつきます。この白い毛は、強い太陽光を反射し、乾燥から身を守る目的があるといわれています。
普通は明るい緑色ですが、暑くなるにつれ下部の葉や葉縁が紫っぽい緑色になることもあります。
葉と同じ形の苞葉が2枚ついており、花後そこから枝を出します。
茎は枝を伸ばしながら30〜60cmに伸びます。茎には毛が生えています。


6月頃、対生する葉のどちらかの葉腋から漏斗状の5裂する花を一輪つけます。
花の大きさは4〜6cmで、筒部は細長く、白色をしています。花色はラベンダーから薄い紫まであります。花弁の下になる部分に紫の筋がうっすら入ります。
開く前日朝に白い蕾があらわれ、夕方にラベンダー色に色づきます。そして次の朝に開いています。
花は一日花かと思うほど、咲いたらすぐに雌しべを残して花弁が落ちてしまいます。
萼は苞葉に包まれていますが、筒部に筋が入っているかと思うほど細長く5深裂しているので目立ちます。

ペチュニアの花に似ているので「野生のペチュニア」と呼ばれていますが、ナス科のペチュニアとは全く違う種類です。
しかしペチュニア同様、夏の暑さに強く、しおれることはありません。温度があればいつでも咲いています。

異学名は Ruellia ciliosa var. longiflora で、分布が重なるリュエリア・キリオサの変種と考えられた時期があったようです。 キリオサとは「縁毛のある」という意味のラテン語で、リュエリア・フミリスは現地ではFringe-leaf wild petunia(縁毛葉の野生ペチュニア)と呼ばれているように似た特徴があります。
現地名はFringe-leaf wild petunia の他に Hairy ruellia, Low wild Petunia, Low ruelliaと呼ばれています。

属名のリュエリアはフランソワ一世(Francis I)の侍医のリュエル(Jean de la Ruelle:1474-1537)さんに因みます。
リュエルさんは薬草医で、古代ギリシアの医者、薬理学者、植物学者であり、薬理学と薬草学の父と言われるディオスコリデス(Pedanius Dioscorides:AD40年頃 - 90年)の本草書「薬物誌」を翻訳した方です。

和名ルイラソウは学名のリュエリア(ルエリア)がルイラに転じたものといわれています。どうしたらこのように訛るのかと不思議に思っていましたが、野生化してる九州以南ではこのような音回しになるのでしょうかね。

種小名フミリスは「(背の)低い」という意味で、リュエリア属の中では低いほうなのでしょう。

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2019年6月29日 (土)

ショーさんのアルブカ Albuca shawii

アルブカ・ショーウィ(Albuca shawii:ユリ科(キジカクシ科)が咲きました。

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アルブカ属は60から100種が南アフリカとアラビア半島に分布しています。
以前は形態分類でオルニトガルム属(Ornithogalum)とされていた分類は、ゲノム解析が進むにつれ、二つの属に分離することが一般的になってきました。

南アフリカの植物学者のマンニング(John Charles Manning 1962ー )さん達が2009年に以下のように分類したとパシフィック・バルブ・ソサエティ(Pacific Bulb Society)のサイトで説明されています。
 アルブカ (Albuca )群
 ディプカディ(Dipcadi )・プセウドガルトニア( Pseudogaltonia )群 
 ガルトニア(Galtonia )・ネオパテルソニア( Neopatersonia)  を含むオルニトガルム群

アルブカ群は花披の外側に真ん中に目立つ緑か茶色の縦に走る筋があり、中心線に沿って3-5本の葉脈が集まっています。
オルニトガルム群はあったとしても葉脈のない細いかぼんやりした暗い筋が花被片にあります。
この分類基準に従うと、これまでオルニトガルム群に含まれると考えられていた種類がアルブカ群に属していることになります。

さてアルブカ・ショーウィは南アフリカ共和国のケープ州、レソト州、クワズル・ナタール州、自由州などの海抜150~2400mの崖や岩場に生育する球根植物です。

葉は長さ15〜25cmの断面が円形の線状で、花茎同様短い腺毛が生えています。一番下の写真のように腺毛は規則正しく並んでいます。

6月頃に高さ約30cmまでの花茎を立てます。
花は総状花序につき、長さ15mmほどの大きく開く外花被3枚と閉じたままの内花被3枚からなり、6枚の花被は黄色で、緑色の縞が入っています。
内花被の先はしっかりと閉じていて、中を覗くことはできません。虫はこじ開けて蜜を吸うんでしょうね。
花は蕾の時には上向きに付いていますが、花柄が伸びるにつれ下向きになります。

冬には地上部は枯れてしまうので自生地では9月から2月に開花します。
花にはチョコレートのような香りがします。

2015年1月にNARGSの種子交換で手に入れたタネから生まれた株で、花が咲くまで4年かかっています。
細い葉で3cmほどの大きさに球根を太らせるわけですから当然でしょうね。

属名のアルブカは「白い」を意味するラテン語albusに由来し、白い花をつけるものが多いからとか、最初に発見された種類が白い花をつけていたからとか言われています。
種小名は採取者に由来していますが、1874年に命名したベイカー(John Gilbert Baker)さんはその由来を「ショー博士(Dr. Shaw)」としてしか記していません。この方はキュー植物園の園長などを務めたスコットランドの植物学者ジョン・ショー(John Shaw:1812-1890)さんと推測されています。
ベーカーさんはアルブカ・ショーウィの長くて薄い花柱と6本あるうちの外花被につく不稔性の雄しべに注目し、Albuca属のleptostyla(細い花柱)という新しい分類を立てようと考えていたようです。

 

 

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2019年6月19日 (水)

黄色い葱坊主 Allium flavum

アリウム・フラブム(Allium flavum:ヒガンバナ(ユリ)科ネギ属)が咲きました。

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北アフリカ・モロッコからフランスを経てイラン、中近東に至る地中海や黒海、カスピ海の沿岸周辺の乾燥した岩場に広く自生しています。
広い範囲に分布しているので地域により変異があるようで、次の5種の変種、亜種が知られています。

Allium flavum subsp. flavum  トルコ、ヨーロッパ中央部、南部に分布
Allium flavum subsp. ionochlorum 北アフリカ(アルジェリア、モロッコ)に分布。亜種名は「紫がかった薄緑色の」という意味。
Allium flavum var. minus トルコに分布。変種名は「より小さい」という意味。
Allium flavum var. pilosum トルコのアダナ地方に分布。変種名は「毛で覆われた」という意味。
Allium flavum subsp. tauricum ギリシャから東部のコーカシス、カザフスタンにかけて分布。亜種名は「クリミアの」という意味。

ヨーロッパでは古くから知られていたようで、1753年にリンネが命名しています。
初夏(6〜7月に)に下から3番目の葉の途中に瘤状の節ができ、4番目の葉(苞の先になっている葉)が出ると同時に花茎をあげます。
花茎は20cmほどですが、葉の10〜20cmのところから出ているので、草丈30〜40cmで花が咲きます。


花は初め黄白色で、釣り鐘形に開くにつれ明るい黄色に変わっていきます。
4番目の葉は花が開くにつれ枯れてしまいます。
花にはネギの匂いではなく、いい香りがします。

王立園芸協会からAGM(Award of Garden Merit)を受賞しています。

 

種小名フラブムは「黄色の」というラテン語で、花の色を指しています。

 

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2019年6月18日 (火)

斑入り葉のアカンツス  Acanthus 'Whitewater'

アカンツス「ホワイト・ウオーター」(Acanthus 'Whitewater':キツネノマゴ科アカンサス属)が咲きました。

2016年に初花を見たのですが、花後すぐに地上部分が枯れてしまいました。
どうも夏に地上部がなくなり、夏眠する性質を持つようです。冬にまた葉が出てくるのですが、なかなか根を肥培できず、それから3年経ってやっと咲きました。


アカンツス・モリスの斑入り葉の「タスマニアン エンジェル」と、アカンツス・モリス(Acanthus mollis)とアカンツス・スピノスス(Acanthus spinosus)の交配種と推測されている深緑色葉の「サマービューティー(‘Summer Beauty’)」を交配した品種です。

 

詳しくはこちらをご覧ください

 

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5月20日

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5月24日

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5月30日

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2019年6月11日 (火)

白いアカンサス「ルー・レダン」  Acanthus mollis 'Rue Ledan'

アカンツス・モリス「ルー・レダン」(Acanthus mollis 'Rue Ledan':キツネノマゴ科アカンツス属)が咲いています。

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アカンツス属は地中海沿岸の小アジアからヨーロッパ、北アフリカ、および熱帯アフリカ、熱帯アジアに約50種が知られています。
背丈の低いものは30cmほどですが、高いものは1.5mにもなり、多年草、または小低木です。

アカンツス・モリスはヨーロッパ南部と北アフリカ、西南アジアに分布しています。
大型の植物で、古くから庭園に利用されています。日本へは明治に終わりに渡来したとされ、葉薊(はあざみ)という和名がつけられています。
羽状に深裂し、ツヤのある濃いグリーンの大きな葉は、花が無くても見間違うことはありません。
春から夏にかけて80cmに花茎を伸ばし、穂状花序に大きな花をつけます。
基本種の花は3裂する唇弁がピンクを帯びた白い花で、それを上下から包み込み萼は薄紫色をしています。

さてアカンツス・モリス「ルー・レダン」は、白花種で、唇弁が白、それを包む萼は灰緑色をしています。
Laurence C. Hatchさんの著書によれば1991年フランス・パリのオテル・マティニョン(L'hôtel de Matignon )の庭園(屋敷裏の公園)で発見されたと言われています。

苗を購入してから5年経ち、今年初めて花を見ました。初花ですので花茎が低く50cmほどですが、来年以降は草丈が1mほどになるのではないかと思います。
以前から持っている白い花のアカンツス、アカンツス・モリス・アルブム(Acanthus mollis f. album)と同じものだろうと思いますが、アカンツス・モリス・アルブムより明らかに明るい葉色をしています。
Acanthus mollis 'Jefalbus' やAcanthus mollis 'Jefalba'、Acanthus 'Jardin en Face(顔の庭)'などの名がつけられているようです。

属名アカンツスは「棘」という意味のギリシャ語に由来します。葉や萼、苞に棘が多いからつけられたと言われています。

種小名モリスは「柔らかい、軟毛のある」という意味で、アカンツス属の中では、葉の列片の先がとがっているけれど棘がなく、触っても見た目ほど痛くないからだろうと思います。

 

 

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2019年6月 7日 (金)

米国のカラマツソウ    Thalictrum clavatum

米国のカラマツソウのタリクツルム・クラバツム(Thalictrum clavatum:キンポウゲ科カラマツソウ属)が咲きました。

タリクツルム・クラバツムは米国東部のジョージア州や南・北カロライナ州からケンタッキー州にかけてアパラチア山脈などの海抜500mまでの山や麓の湿り気のある林内、崖、浸食された斜面、小川のほとりに分布しています。
カラマツソウの仲間は1mほどに育つものが多いのですが、タリクツルム・クラバツムは20~30cm、高くても50cmで、矮性のカラマツソウです

タリクツルム・クラバツムについて詳しいことはこちらをご覧ください

 

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2019年5月29日 (水)

花も葉も斑入りのムシトリナデシコ  Silene armeria

斑入りのムシトリナデシコ(虫取り撫子:シレネ・アルメリア・バリエガタ: Silene armeria f. variegataナデシコ科シレネ属)が咲いています。

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ムシトリナデシコという和名のシレネ・アルメリアは元々はヨーロッパに分布するシレネですが、今日では日本を含む世界中に分布していると言われています。

草丈は30〜60cmで、花序を出すまでは分岐しません。

対生する葉は灰緑色で卵形から広披針形で、基部の葉は茎を抱いてつきます。

上部で分岐して花序ができると、茶色い帯状に粘液を分泌する部分ができます。この帯に虫がつくのでムシトリナデシコという和名がつけられたそうですが、ムシがついているのを見たことはありません。

5月から6月に枝端に鮮紅色の径1cmほどの5弁の花を多数つけます。花は筒部が1cmほどあり、赤い色の萼には縦に縞が入っています。この属の花の特徴として舷部に花弁と同じ色の付属物があります。

一般的にはこのような特徴がありますが、我が家で咲いているムシトリナデシコの中に葉色の明るい苗を見つけました。
よく見ると色が薄いだけではなく明るい緑の斑が入っていました。

花が咲くとこの通り、吹きかけ模様と言ったらいいのでしょうか、鮮紅色と薄桃色に咲き分けていました。咲く前から萼の色が薄かったので、そのような薄い花色だろうと予想できましたが、斑入りになるとは思っていませんでした。

 

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