2016年4月18日 (月)

二重咲きのプリムラ・ベリス 
Primula veris 'Hose in Hose'

プリムラ・ベリス(Primula veris 'Hose in Hose':サクラソウ科サクラソウ属)が咲いています。


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プリムラ・ベリスは1753年にリンネが命名したプリムラですが、それ以降1929年までに18回も新種として公表されています。
というのもヨーロッパで最も広く分布しているプリムラなので、地域変異が多いのだと思われます。
プリムラ・ベリスは北はノルウエーから南西へスペイン、東にはトルコを経てコーカサスを越え、シベリアまで、東西約9000kmにわたって分布しています。
海抜3000mまでの水はけのいい草原や砂礫地、まれに明るい林間などにも自生しています。

ベリスの原種は鮮やかな黄色で、受粉仲介昆虫のハチを呼ぶために花弁内側の中心付近にオレンジの目が入っています。
園芸種ではこの特徴が強く押し進められて、赤のスジやスポットのはいるものや花色が赤やオレンジのものなどがあります。
このプリムラ・ベリス「ホース・イン・ホース」も園芸種です。

ホース・イン・ホースとは花から花が咲いているようなプリムラをいいます。
写真を見ると後ろの花弁に葉のような緑の部分がありますが、それが萼で、萼が花弁のように変化したものです。
ポリアンサタイプのホース・イン・ホースは16世紀にはすでに書物に現れており、18世紀になって英国で盛んに作られるようになりました。
プリムラ「ジャック・イン・ザ・グリーン」プリムラ「ゴールドレース」などと同様、いわゆるビクトリアン・プリムローズと呼ばれる古典的プリムラです。

プリムラ・ベリスのホース・イン・ホースは、花弁が俯きに咲くので、二重になっているのが目立ち、ゴージャス感があります。
さらに花が開いてから少し立つと、横向きになってくるので、花の中が覗けます。
それで分かったのですが咽部に至る部分が盛り上がっているのに気がつきました。
ちょうど忘れな草のような付属物が見えます。なかなか可愛いしかけです。
しばらく経つと消えてしまいます
これは何なんでしょうね。

種小名ベリスは「春の」という意味で、今のような冬から咲いているf1の園芸種がでる前は、ヨーロッパの野山を春一番に彩るプリムラだったようです。

ホース(正しい英語発音はホウズ)というのは水を通すホースや長靴下、タイツを言いますが、筒状のものが二重になっている様子を名付けたものです。

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2016年3月26日 (土)

紫色のマルギナータ 
Primula 'Rhenaniana'

プリムラ「レナニアナ」(Primula 'Rhenaniana':サクラソウ科サクラソウ属)が咲きました。


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プリムラ「レナニアナ」は著名なドイツの育種家アレンドス(George Arends:1862-1952)さんが1903年に作出したプリムラ・マルギナータ(Primula marginata)とプリムラ・オーリキュラ(Primula auricula)の交配種です。
一説には自然交配したものをアレンドスさんが見つけたと伝えられています。
自然交配だとすれば花の特徴から親がマルギナータとオーリキュラというのは推測ということになります。

マルギナータは、海抜500〜3000mのフランス-イタリア国境から地中海に至るアルプス(沿海アルプス、マリティーム・アルプス)とヨーロッパ・アルプス西部(コティアン・アルプス)に分布するプリムラです。
石灰岩が露出する北面の傾斜地の苔や草の中に生えています。
花茎を10〜12cmに伸ばし、数輪の花をつけます。花は径2〜3cm、青紫色、藤色、ピンク、まれに白色で、中心部が白く抜けます。
葉は厚く、灰緑色の披針形で、大きな鋸歯があり、粉(ファリナ)を吹きます。

プリムラ「レナニアナ」はマルギナータの特徴が色濃く表れており、葉には白い粉を吹きます。
また花弁の中心部にも真っ白に粉を吹いて、花色をより鮮やかに見せています。

花色は青紫色で有名な「ヒアシンシア(Primula marginata 'Hyacinthia')」よりも濃い紫色をしています。最も濃い紫色といわれています。
高山植物の血を引いていますが、夏の暑さにも丈夫で、特別気を使わなくても夏越ししてくれます。

品種名「レナニアナ」はラテン語で「ライン川(Rhine)のほとりの」という意味です。
種小名マルギナータ(マルギナタ)はラテン語で「縁取りのある、辺縁の」という意味です。またオーリキュラ(オウリクラ)は「耳殻、外耳」という意味です。
学名の表記は Primula marginata X auricula や Primula marginata hybrids、 Primula x rhenaniana などさまざまに記されます。

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2015年4月21日 (火)

2重に咲くプリムラ・ベリス 
Primura veris 'Hose in Hose'

プリムラ・ベリス「ホース・イン・ホース(ホウズ・イン・ホウズ)」(Primura veris 'Hose in Hose':サクラソウ科サクラソウ属)が満開です。


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種小名ベリスは「春の」という意味で、今のような冬から咲いているf1園芸種がでる前は、ヨーロッパの野山を春一番に彩るプリムラでした。
ベリスの原種は濃い黄色で、花弁内側の中心付近にオレンジの目が入るのが典型タイプですが、赤のスジやスポットのはいるもの、花色が赤やオレンジのものなどの園芸種があります。
このプリムラ・ベリス「ホース・イン・ホース」も園芸種です。

ホース・イン・ホースとは花から花が咲いているようなプリムラをいいます。
写真を見ると後ろの花弁に葉のような緑の部分がありますが、それが萼で、萼が花弁のように変化したものです。
ポリアンサタイプのホース・イン・ホースは16世紀にはすでに書物に現れており、18世紀になって英国で盛んに作られるようになりました。
プリムラ「ジャック・イン・ザ・グリーン」プリムラ「ゴールドレース」などと同様、いわゆるビクトリアン・プリムローズと呼ばれる古典的プリムラの一つです。

プリムラ・ベリスのホース・イン・ホースは、花弁が俯きに咲く、掴み咲きなので、花の様子を観察しやすく、2重咲き目立ちます。

ホース(正しい英語発音はホウズ)というのは水を通すホースや長靴下、タイツを言いますが、筒状のものが二重になっている様子を名付けたものです。


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2015年4月18日 (土)

黒のプリムラ 
Primula 'Cowichan Garnet'

プリムラ「カウチン・ガーネット」(Primula 'Cowichan Garnet')が咲いています。


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プリムラ「カウチン」とはバーンヘイブン(Barnhaven)系の品種の中で、1930年代作出された、花の中心部に黄色い目が入らない品種を指します。
米国アラスカ州バンクーバー島のカウチン渓谷で作出されたのでこの名があります。
カウチンというのは、カナダのブリティッシュ・コロンビア州ビクトリア市の北西60kmの土地に住む先住民族のカウチン族のことですが、日本ではカウチンセーターで有名です。

ところでこの植物を育種したフローレンス・ベリス(旧姓フローレンス・ハーティッグ Florence Hurtig:1906 ー1987)さんは、バーンヘイブン・プリムローズ(Barnhaven primrose)という屋号でサクラソウの種子会社を興し、その後オレゴン州立大学で学び、アメリカ・プリムローズ協会(American Primrose Society)の創立に関係し、会誌の編集に尽力し、1959年にボブ・ベリス(Bob Bellis)さんと結婚しました。

「カウチン・ガーネット」は、非常に濃い赤色の花を咲かせますが、日陰では黒に見えると言っていいほどです。
赤い色素は株全体に影響し、花茎は赤く、葉は葉縁に赤く色づく銅葉です。

バーンヘイブン・プリムローズ系のプリムラは、過去の育種で大きく貢献したにも関わらず、F1種主体の今日では、花の大きさや花色が地味なためか顧みられない存在になりつつあります。
私はこの地味さが好きです。

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2014年4月11日 (金)

2段咲きプリムラ・ベリス 
Primura veris 'Hose in Hose'

プリムラ・ベリス「ホース・イン・ホース(ホウズ・イン・ホウズ)」(Primura veris 'Hose in Hose':サクラソウ科サクラソウ属)が満開です。


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カウスリップ(Cowalip)という英名を持つプリムラ・ベリスは、地中海沿岸を除いて、北はノルウエイ、西は南東スペイン、東は北部ギリシャからトルコ、イラン、シベリアなど、広範囲に分布しています。
地域だけではなく平地から海抜3000m付近の高山にも生息しています。

広範囲に分布しているだけに、地域によって変異がみられ、そのため異学名が20近くあります。
現在では以下の4種の亜種があります。

ベリス(Primura veris ssp veris)
ヨーロッパ中央部、南部、トルコ、コーカサス、中央アジア南部に分布。花弁筒部と萼は同じ長さ。

コルンナエ(Primura veris ssp columnae) 
スペイン南部の山岳部、中央イタリア、ギリシャ北部、トルコ北東部に分布。不規則に葉は茎を抱きます。葉の下面には白い毛が生えています。萼長は16〜20mm。萼から花弁筒部が出ます。

マクロカリクス(Primura veris ssp macrocalyx)
ロシア南東部、コーカサス、中央アジア南部、東シベリアに分布します。葉の幅は細く、花茎には毛が生えているが葉の下面には毛がありません。萼は円錐状で15〜20mm、多毛。

カネッセンス(Primura veris ssp canescens)
アルプス、ピレネー、スペイン南部の山岳部に分布しています。葉の幅は茎に向かって細くなり、葉の下面には灰色の毛がはえています。萼長は16〜20mm。

一般的には濃い黄色で、花弁の中心付近にオレンジの目が入るのが典型種ですが、赤のスジやスポットのはいるもの、花色がオレンジのものなどの園芸種があります。

「ホース・イン・ホース」とは花から花が咲いているようなプリムラを言います。花柄に近い方の花びらは萼が花弁化したものです。
ホース・イン・ホースは16世紀には文献に記載されており、18世紀になって英国で名が知れるようになりました。
これはプリムラ・ベリスの園芸種の中で初めてもホース・イン・ホースではないかと思います。
ポリアンサタイプのホース・イン・ホースと違って、花弁が掴み咲きなので、平咲きの萼が目立ちます。
まるでスイセンのようです。

ホース(正しい英語発音はホウズ)というのは水を通すホースや長靴下、タイツを言いますが、筒状のものが二重になっている様子を名付けたものです。

種小名ベリスは「春の」という意味です。

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2013年6月 8日 (土)

濃紫色のマルギナータ 
Primula 'Rhenaniana'

プリムラ「レナニアナ」(Primula 'Rhenaniana':サクラソウ科サクラソウ属)が咲いています。


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プリムラ「レナニアナ」は著名なドイツの育種家アレンドス(George Arends:1862-1952)さんが1903年に作出したプリムラ・マルギナータ(Primula marginata)とプリムラ・オーリキュラ(Primula auricula)の交配種です。

学名の表記は Primula marginata X auricula や Primula marginata hybrids、 Primula x rhenaniana などさまざまに記されます。

花色はマルギナータの園芸種にはよく見られる青紫色、紫色系ですが、青紫色で有名な「ヒアシンシア(Primula marginata 'Hyacinthia')」よりも濃い紫色をしています。

プリムラ「レナニアナ」はマルギナータの特徴が色濃く表れており、葉には白い粉を吹きます。また花弁の中心部にも真っ白に粉を吹いて、花色をより鮮やかに見せています。

品種名レナニアナはラテン語で「ライン川(Rhine)のほとりの」という意味のようです

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2013年6月 5日 (水)

オレンジのプリムラ 
Primula cockburniana

プリムラ・コックバーニアナ(コックブルニアナ)(Primula cockburniana:サクラソウ科サクラソウ属)が咲いています。


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中国四川省北部から西へ抜け、南部に至る山岳地帯の海抜2900m〜3200mの雪解け水で湿地になる草原の中に咲いています。

クリンソウと同じくプロリフェラエ(Proliferae)節に属する小型のキャンデラブラ(candelabra:枝つきの燭台)です。

ロゼッタから一本だけ花茎を立て、愛らしい花を咲かせますが、惜しむらくは二年草で、短命なサクラソウです。

花径は細く、最終的には20cmほどに伸び一段当たり3〜8輪の花を1から3段に積み上げます。
3cmほどの花柄の先に、径15mmほどの中心部に黄色がかった円環を持つ濃いオレンジ色の花をつけます。

種小名コックバーニアナは1878年から1890年にスコットランド国教会から中国に派遣された宣教師のコックバーン(Rev.George Cockburn:1853-1898)さんに因んだ名だと推測しているのですが、詳しいことはわかりません。

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2013年3月23日 (土)

マキシモビッチさんのプリムラ 
Primula maximowiczii

プリムラ・マキシモビツィ(Primula maximowiczii:サクラソウ科サクラソウ属)が咲きました。


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プリムラ・マキシモビツィは中国中北部の北京、吉林省、河北省、陝西省、山西省、内モンゴル自治区などの海抜1800〜2800mの山岳地帯に分布しています。
モミの木などの針葉樹林帯の中の草地や岩場で見かけるそうです。

花色は濃い赤から紫色一色で、時にはオレンジの花をつけるものもあります。
早春の2月末頃から花茎を上げ、大株なら5月末まで花をつけるようです。
一番下の写真のように、花は蕾の時は上向きですが開くにつれて横から俯きに加減になっていきます。

葉はパステル調の明るい緑で、長楕円形をしています。

薄い黄色の花をつけるものがあり、 Primula maximowiczii v. flaviflorida と変種と分類するようです。

種小名のマキシモビツィはカール・マキシモビッチ(Carl Johann Maximovich or Karl Ivanovich Maximovich:1827– 1891)さんに因みます。マキシモビッチさんはロシアの植物学者で、朝鮮や日本を訪れて、極東の花を研究し、その名を残しています。

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2012年5月 7日 (月)

ダブルのベリス 
Primula veris 'Katy McSparron'

プリムラ・ベリス「ケイティ・マクスパローン」(「ケティ・マックスパローン」で流通)( Primula veris 'Katy McSparron':サクラソウ科サクラソウ属)が本格的に咲いています。


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プリムラ・ベリスはカウスリップ(Cowslip)と呼ばれるヨーロッパ原産で古くから育てられています。
ケイティ・マクスパローンはブルーム社(Blooms of Bressingham)が12年をかけて売り出したプリムラ・ベリスで、300年前に園芸化されてからこれまでで初めての八重咲き種です。
その名前は作出したジョフ・ニコル・ウォールズさんのお孫さんの名前だそうです。

やや厚みのある濃い黄色の花弁が幾重にも折り重なって咲いています。花は完全に開きません。
ですから花弁の付け根のオレンジ色の模様は見えませんが、真ん中の写真からはうっすらと模様のあるのが分かります。
ヨーロッパから小アジアまで広い範囲に分布している祖先を持つだけあって夏越は容易です。

プリムラ・ポリアンサスやアコーリスに比べると株全体が大きく、もう少し花弁が薄く、華奢な感じがすれば日本人向きだと思ってしまいます。

なお種小名のベリスは「春の」という意味です。

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2012年4月20日 (金)

ゴールドレースのジャック・イン・ザ・グリーン 
Primula 'Gold Laced Jack in the Green'

プリムラ「ゴールドレース・ジャック・イン・ザ・グリーン」(Primula 'Gold Laced Jack in the Green':サクラソウ科サクラソウ属)が咲いています。


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プリムラ「ゴールドレース」は黄色の覆輪と焦げ茶色の花びらの組み合わせのプリムラで、このようなプリムラを総称してレースド・プリムラ(Laced Primula)と言います。
これはそのゴールドレースの萼が葉っぱのようになっているジャック・イン・ザ・グリーン・タイプです。このような萼を英国ではruff(ラフ:ひだ襟 、16-17 世紀に用いた円形のひだのある白襟)と呼んでいます。

他のジャック・イン・ザ・グリーン・プリムラと同様、Barnhaven社のタネから育てました。
日本ではジャック・イン・ザ・グリーン・プリムラは、花が咲くと花弁に隠れて目立たないので、流通していることはありません。でも咲き始め緑の葉っぱから顔を覗かせたジャックは可愛いですね。

花弁の覆輪が黄色ではなく白いので、シルバーレース・ジャック・イン・ザ・グリーンと呼んだ方がいいのかもしれません。

レースド・プリムラはこちらをご覧下さい。

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