2018年3月12日 (月)

八重のヘレボルス・デュメトルム  
Helleborus dumetorum doubles

ヘレボルス・デュメトルムの八重咲き種(Helleborus dumetorum doubles:キンポウゲ科ヘレボルス属)が咲きました。


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ヘレボルス・デュメトルムはスロベニア北東部、オーストリア南西部、クロアチア、ハンガリーなどの中央から東部ヨーロッパの森林や草原で見られるようです。
石灰岩が露出したようなカルスト台地の岩場の傾斜地にコロニーを作って自生しています。

ヘレボルス デュメトルムは背丈が20〜45cmで、比較的小型で、夏には地上部は枯れてしまいます。
花も小型で、直径3~4cmの灰緑色の花を花茎に2〜3輪つけます。

根際から生える葉は2回から3回分かれて、7〜12片の小葉に分かれます。

花は小さいですが、多花性で花をたくさん楽しめるのが魅力です。

この株は丸弁のカップ咲きの八重で、通常は5枚の萼片からできていますが、この花は密腺が萼化し、15・6枚の萼から構成されてます。
カップ咲きのせいか八重であることが目立ちません。

英国のフェダー・ナセリー(Phedar Nursery)から手にいれた種子からで、ハンガリー産のようです。
野生で八重だったのか八重の選別種なのか分かりません。
成長が遅く、播種後5年目にして開花しました。

種小名の dumetorum は「小低木状の、薮の」という意味です。

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2018年3月11日 (日)

白い首輪のヘレボルス
Helleborus croaticus

ヘレボルス・クロアチクス(Helleborus croaticus)が咲いています。


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小花柄に繊毛が生えて、わずかに白くなっています(クリックすると大きくなります)。


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小花柄が白っぽくなっているのが分かると思います。


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ヘレボルス・クロアチクスは種小名から推測できるようにクロアチア北部の一部の限られた地域の草原や明るい林床などに自生しています。
落葉広葉樹林と日当たりの良い草原の境界付近で見られます。
時には湿原や渓谷の出っ張りなどに自生していることもあるといわれています。
生息地から推測して、陽の当たる環境を嫌うようです。

1790年代に発見された時はヘレボルス・アトロルベンス(Helleborus atrorubens;atro(暗黒の);rubens(赤味のある))の亜種と見なされいたぐらい花色の紫が濃いクリスマスローズです。

小型で、草丈は20cmほどしかありませんが、花は2cmほどの丸弁のカップ咲きで、沢山着けます。

ヘレボルス・クロアチクスの特徴は花柄や若い葉の裏側の葉脈沿いに毛が生えていることです。
特に花柄の付け根の花と続いている部分(小花柄)に繊毛が生えて、わずかに白っぽくなっています。
アトロルベンスやトルカツス(Helleborus torquatus)などの似たヘレボルスとは、花の大きさにかかわらず区別できる点です。

落葉性のヘレボルスで、夏から秋にかけて休眠に入り、葉が完全に枯れてしまいます。
初めて育てた時には、枯れてしまった諦めて、鉢を放置してしまったことがあります。
冬の寒さが緩む頃になり、何もない土の表面に芽吹いてきます。

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2018年3月10日 (土)

「扇葉の」クリスマスローズ 
Helleborus cyclophyllus

ヘレボラス・シクロフィルス(Helleborus cyclophyllus:キンポウゲ科ヘレボラス属)が咲きました。


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シクロフィルスはギリシャ北部、モンテネグロ、ブルガリア南部、アルバニアに分布しています。
しかしオドルス(Helleborus odorus)に姿が似ているだけではなく、分布地も重複しています。
オドルスは高原や山岳地帯に多く自生し、シクロフィルスは平地の明るい林の中や草原で見られます。

ヘレボラス・シクロフィルスはまとまった姿で草丈40cmほどの大きさになります。
花茎には3〜数輪の花をつけ、展開すると直径5〜7cmになる丸弁の大きなアップルグリーンの花を咲かせます。
花はカップ咲きで、横向きに咲くことが多く、写真を撮るのに苦労しません。

大きめのグリーン系の花という以外、花からはヘレボラス・シクロフィルスの特徴は明確にうかがい知ることはできません。
しかし「円形の(cyklos)葉の(phyllum)」という意味の種小名が示すように、茎や葉には明らかな特徴があります。

茎は太く、厚みのある葉なので、クリスマスローズの中では日当たりでも耐えられるようです。
丈夫なクリスマスローズと評価される所以です。

葉はまず大きく3裂し、真ん中の裂片は長さ20cmほど、外側の裂片は根元近くから5〜7裂しています。
葉柄の先からから細長い披針形の葉が10数枚、放射同心円(放射環状)型に出ているように見えます。
種小名シクロフィルスは、葉と葉の隙間が小さく、小葉が丸い扇のように生えている特徴を示しています。

葉の下部は葉脈にそって短い白毛が生えており、葉裏は白っぽい緑色をしています。
花のすぐ下の苞葉は3〜5深裂しています。

以前はビリディスの変種(Helleborus viridis v. cyclophyllus)として分類されていました。

ギリシャで採集された標本が元になって1867年に公表されています。

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2018年2月26日 (月)

ジョージアのクリスマスローズ
Helleborus orientalis ssp. abchasicus

原種クリスマスローズのヘレボルス・オリエンタリス・アブチャシクス(Helleborus orientalis ssp. abchasicus:キンポウゲ科ヘレボルス属)が咲き出しました。


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オリエンタリスは「東方の」という意味の種小名で、ヨーロッパの東の方、主にウクライナ地方を中心に分布するヘレボルスです。
一般的にレンテンローズ(Lenten rose:復活祭前の四旬節のバラ)と呼ばれるヘレボルスがこれです。
多くの園芸種の親になっていますが、原種のヘレボルス・オリエンタリスは余り知られていません。

オリエンタリス・オリエンタリスには分布している地域によって次の3種の亜種(subsp)が知られています。

オリエンタリス・オリエンタリス(Helleborus orientalis subsp. orientalis)
ギリシャ北西部からトルコ、北はウクライナまで、またジョージアからコーカサスに分布しています。

オリエンタリス・グッタタス(Helleborus orientalis subsp. guttatus)
ウクライナ地方に分布

オリエンタリス・アブチャシクス(Helleborus orientalis subsp. abchasicus)
ルーマニアからジョージアまでの限られた地域に分布。

アブチャシクムとはジョージア(旧称読みグルジア)から独立した西コーカサス、黒海沿岸のアブハジア(Abkhazia)地方(アブハジア共和国)を指しています。

詳しくは一昨年の記事をお読み下さい。

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2018年2月15日 (木)

知らない間に咲いていたヘレボルス・ボッコネイ
Helleborus bocconei

知らない間にヘレボルス・ボッコネイ(Helleborus bocconei:キンポウゲ科ヘレボルス属)が咲いていました。
それも鉢が横倒しになって枯れる寸前でした。


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基部から出る葉


イタリア中央部や南部、シシリア島の海抜0〜1700 mまでの、岩の多い雑木林の林縁や低木の茂った斜面に自生しています。
ヘレボルス・ボッコネイはムルチフィダス(Helleborus multifidus subsp. multifidus)によく似ているので、1913年にムルチフィダスの亜種(Helleborus multifidus subsp. bocconei)として公表されました。

ムルチフィダスは以前は4種の亜種に分けられていましたが、最近になってその4種は遺伝子的に異なるということが分かり、以下のように別種として再分類されました。

ヘレボルス・ムルチフィダス(Helleborus multifidus)
ヘレボルス・ヘルセゴビナス(Helleborus hercegovinus)
ヘレボルス・イストリアクス(Helleborus istriacus)
ヘレボルス・ボッコネイ(Helleborus bocconei)

葉は5〜7裂し、さらに2〜4裂しますが、花茎につき葉はほとんどが3裂片に分かれます。
ボッコネイはムルチフィダスに比べ、基部の葉に全く毛が生えておらず、葉の裂片が葉の長さの半分にしか切れ込んでいないという2点で区別されます。

花はムルチフィダスと同様、柑橘系の香りのある、少し大きめの径5~6cmで、クリーム色から灰緑色の花をつけます。
根には不定形の根茎があります。

自生地によって3種の亜種が知られています。
  Helleborus bocconei subsp. bocconei 北部以外に分布
  Helleborus bocconei subsp. intermedius イタリア中央部に分布
  Helleborus bocconei subsp. siculus イタリア南部(長靴のつま先)やシシリア島に分布

種小名はシシリア出身のイタリアの植物学者パオロ・ボッコーネ(Paolo Silvio Boccone:1633–1704)さんに由来します。ボッコーネさんは、ケシ科植物のボッコニアにその名を残しています。

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2017年4月 7日 (金)

クロアチクスのダブル 
Helleborus croaticus Double

ヘレボルス・クロアチクスの八重咲き種(Helleborus croaticus Double:キンポウゲ科ヘレボルス属)が咲きました。


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この八重咲きのヘレボルス・クロアチクスはフェダーナーセリー(Phedar Nursery)で購入した種子から育てました。
この種子はマクレーウイン(Will McLewin )さんが採種したもの由来だそうです。
播種後3年、多分発芽して2年少しで開花しました。

なおマクレーウインさんは若い頃大学の数学講師でしたが、登山家として山を楽しんでいるときにヘレボルスに出逢い、虜になったそうです。フレンチホルンの奏者でもあります。

ヘレボルス・クロアチクスは、その種小名が示す通り、クロアチア北部の限られた地域の草原や明るい林床などに自生しています。
原生地では、落葉広葉樹林と日当たりの良い場所の境界で見られます。

1789年に発見された時はヘレボルス・アトロルベンス(Helleborus atrorubens;atro(暗黒の);rubens(赤味のある))の亜種と見なされました。
ヘレボルス・アトロルベンスと同じように花色の紫が濃かったからです。

ヘレボルス・クロアチクスの特徴は花柄や若い葉の裏側の葉脈沿いに毛が生えていることです。特に花柄の先の花と続いている部分(小花柄)に繊毛が生えて、わずかに白っぽく見えます。
アトロルベンスやトルカツスなどの花色の似たヘレボルスと区別できる点です。

落葉性のヘレボルスで、夏が終わる頃には休眠に入り、葉が完全に枯れてしまいます。寒い時期になって何も無い土の表面に芽吹いてきます。

花が咲くとは思えないほど小さくて、まだ草丈も10cmほどです。ご覧の通り花は地面すれすれに咲いています。
花は元々小さいのですが、播種後短期間で開花したためかさらに小さく、直径2cmほどです。

密腺が見当たらないので、密腺が花弁化していることが分かります。

花びら(萼)は剣弁で、内側は緑がかった小豆色ですが、外側はさらに濃い赤紫をしています。

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2016年4月 6日 (水)

緑と赤のバイカラー八重 
Helleborus hybridus

ヘレボルス・ハイブリッド(Helleborus hybridus:キンポウゲ科ヘレボルス属)の八重咲きでバイカラーになった花がひらいていました。


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他の花の世話に手を取られ、ヘレボルスが花をつけていたのに気がつきませんでした。
ラベルが無く、いつ、どのような経緯で、どなたから手に入れたのか全く分かりません。
これまでにこのブログにアップしたこともありません。

花の大きさからオリエンタリス系の八重咲きだろうと思います。
緑と赤のバイカラー咲きです。
緑と赤の組み合わせを見ると和風と思ってしまうのは、私だけでしょうか。
なかなかお洒落です。

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2016年4月 5日 (火)

赤花のアネモネ咲き 
Helleborus hybridus'Anemone Queen'

ヘレボルス・オリエンタリス・ハイブリッド「アネモネクイーン」(Helleborus hybridus'Anemone Queen':キンポウゲ科ヘレボルス属)が咲いています。


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株式会社ハクサンから販売されている「アネモネクイーン」の中の「アネモネレッド」です。
密腺(ネクタリー)が大きくなったものをセミダブルとかアネモネ咲きと呼びます。
セミダブルは花弁が小さくなって密を蓄える密腺に発達したものが、再び祖先返りして花弁に戻る途中のものと考えられています。
八重咲きは萼片が八重化したものなので、ヘラボルスには宿萼性があるので八重のままです。
しかしセミダブルは花弁なので、萼片だけを残して落ちてしまい、一重かセミダブルか区別がつかなくなります。

株式会社ハクサンのHPには
「イギリスはウォッシュフィールドナーセリーのオーナーであり、育種家であるエリザベス・ストラングマン女史はヘレボルス愛好家の間ではあまりにも有名です。
八重品種やピコティ系の発展に寄与した功績は疑う余地もなく、またヘレボルスに関する数々の著書を生み、その育種の歴史に名を刻みます。半世紀近い女史の育種の歴史の末に生み出されたダブルクイーンは、実生系でありながら100%の八重率を誇り、一般的なハイブリッド品種よりも早咲きの性質を有します。」
という説明文があります。
エリザベス・ストラングマン(Elizabeth Strangman)さんの育種系だそうですが、どのような血統なのか分かりません。
他に「ダブルクイーン」という完全八重咲き種もあります。

早咲き系 (平地で12月~1月)と言われていますが、どちらかというと遅咲きです。
少し前なら珍しい紅赤色で、丸弁カップ咲きの大きめの花をつけます。
以前の赤花といえば、ピンクであったり、一部が赤であったりしましたが、このように赤!といえる鮮やかな花を見せるようになりました。

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2016年3月 9日 (水)

黄花のアネモネ咲き
Helleborus hybridus

黄花のアネモネ咲きクリスマスローズ(Helleborus hybridus:キンポウゲ科ヘレボルス属)が咲きました。


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アネモネ咲きとは花びらの中心のネクタリー(密腺)が花弁化したものを言います。
この花のネクタリーは目立つほど大きくありませんが、フリルが入ったように花弁化しています。

アネモネ咲きと呼ぶのは日本だけの習慣のようです。
イギリスなどではセミダブルと呼びますので、日本でもセミダブルと言ったほうがわかりやすいかもしれません。

スッキリした黄色で、先の尖った丸弁の中輪咲きです。

同じ花色が黄色のゴールドネクタリーのクリスマスローズは、7が咲いていない時でも黄色だと分かるほど葉が黄色を帯びていましたが、こちらは普通の濃いグリーンをしています。

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2016年3月 7日 (月)

黒海のクリスマスローズ 
Helleborus orientalis ssp. abchasicus

原種クリスマスローズのヘレボルス・オリエンタリス・アブチャシクス(Helleborus orientalis ssp. abchasicus:キンポウゲ科ヘレボルス属)が咲き出しました。


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オリエンタリスは「東方の」という意味の種小名で、ヘレボルス・オリエンタリスはヨーロッパの東方、主にウクライナ地方を中心に分布するヘレボルスです。
一般的にレンテンローズ(Lenten rose:復活祭前の四旬節のバラ)と呼ばれるヘレボルスがこれです。クリスマスローズとはヘレボルス・ニゲルを指しています。

多くの園芸種の親になっていますが、原種のヘレボルス・オリエンタリスは余り知られていません。

オリエンタリスを親とした交配園芸種を精力的に行ったのはドイツ・バーデンバーデン生まれの園芸家のライヒトリン(Maximilian Leichtlin:1831–1910)さんで、「アブチャシクス・アルブス(Abchasicus Albus)」や「フラウ・イレーヌ・ハイネマン(Frau Irene Heinemann)」といった品種を生み出しました。

交配種の親にされるのは、オリエンタリスが花が大きく、もっともカラフルで、見た目の華やかさをもつヘレボルスがあるからだろうと思います。

さてオリエンタリス・オリエンタリスには以下の3種の亜種(subsp)が知られています。

オリエンタリス・オリエンタリス(Helleborus orientalis subsp. orientalis)
ギリシャ北西部からトルコ、北はウクライナまで、またグルジアからコーカサスまでの落葉樹や針葉樹の林間、その近くの草原に分布しています。
クリーム色からグリーン色の丸弁の花で、ネクタリーは緑色をしています。

オリエンタリス・グッタタス(Helleborus orientalis subsp. guttatus)
ウクライナ地方の限られた明るいブナ林に自生し、赤や濃い紫のスポットが入る白い花で、ネクタリーは緑色をしています。
Helleborus guttatus, Helleborus intermedius という異学名があります。

オリエンタリス・アブチャシクス(Helleborus orientalis subsp. abchasicus)
ピンクから濃いピンクの花で、紫のスポットの入るものもあります。ネクタリーがプラム色から濃い紫色をしているものもあります。原種としては花色の幅が広いようです。
Helleborus abchasicus、Helleborus colchicus という異学名を持ちます。

オリエンタリス・アブチャシクスはジョージア(旧名グルジア)から独立した西コーカサス、黒海沿岸のアブハジア(Abkhazia)地方で収集されたのでこの名がついています。
ルーマニアからジョージアまでの限られた地域の明るい林間に自生しています。

上の写真のアブチャシクスは花びらの外側は裏側は結構濃い色をしていますが、内側はピンクとグリーンのバイカラーになっています。
軽やかな印象を与えます。
下の写真の方はかなり赤味が強く、一重とは言え華があります。外側もかなり濃い色をしており、葉裏も紫色をしています。
もう一つアブチャシクスがあるのですが、まだ咲いていません。

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