2020年2月28日 (金)

桃花ユキワリイチゲ  Anemone keiskeana

 ピンクのユキワリイチゲ(雪割一華:Anemone keiskeana:キンポウゲ科イチリンソウ属)が咲きました。

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ユキワリイチゲは本州西部から九州の落葉樹林の林床や林縁に自生する日本固有種のイチリンソウです。
横に長く伸びる根茎で増える多年草です。 
秋に地上に現れる葉は3裂し、ミツバの様な形をしています。濃い緑色や褐紫色の葉色で、表面に白ぽい班が入ります。
春早く、土の中から蕾が現れ、3枚の輪生する苞葉に包まれた径約3〜3.5cmの白から淡い紫色の花を咲かせます。

この株には「桃花ユキワリイチゲ」というラベルがついていました。花は桃花とはいえ、ややピンクがかっているかなと感じる程度です。ピンクといっても青味がかったピンクで、春の温かみを感じさせる色ではありません。 これだけ見た時に普通のユキワリイチゲの花色にも幅がありますから、区別がつくかどうかという程度の差です。
スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)で、夏前には枯れてしまいます。

種小名ケイスケアナは1827年に長崎でシーボルトから本草学を学んだ医師の伊藤圭介(いとう けいすけ:1803-1901年)さんに因みます。 伊藤圭介さんは明治になり東京大学教授に任ぜられ、日本初の理学博士の学位を受けた方です。この花以外にマルバスミレ(Viola keiskei)やヒカゲツツジ(Rhododendron keiskei)などに名が残っています。
 

 

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2019年10月 3日 (木)

シュウメイギク「ドリーミング・スワン」 Anemone 'Dreaming Swan'

シュウメイギク「ドリーミング・スワン(Anemone 'Dreaming Swan')」が咲きました。

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「ドリーミング・スワン」は、2004年に英国のエリザベス・マクグレガー・ナーセリー(Elizabeth MacGregor Nursery)のエリザベスさんが見つけ出したと言われている「ワイルド・スワン‘Macane001’ 」と同系列のアネモネで、正式には「ドリーミング・スワン‘Macane004’」です。
「ワイルド・スワン」は2011年のチェルシーフラワーショーで「2011年の植物('2011 Plant of the Year')」を受賞し、2013年には米国オレゴン州ポートランドで開催された Farwest Show in Portlandでは全ての新種植物の中での最優秀賞('Best of Show')を得ています。
「ワイルド・スワン」と「ドリーミング・スワン」はアネモネ・ルピコラ( Anemone rupicola)とシュウメイギク(Anemone hupehensis)を 交配したと言われています。

ところが日本では「ワイルド・スワン」はアネモネの園芸種としてアネモネ「ワイルド・スワン」という名で流通し、「ラッフルド・スワン」の方はシュウメイギクの仲間として流通しています。 シュウメイギクもアネモネの仲間ですから、どうでもいいようなことですが、例によって同じものを咲く時期の違いから、全く違うものとして販売しようという日本の園芸業者の戦略でしょうか。

ところでアネモネ・ルピコラは6月頃に開花し、シュウメイギクは秋に咲きますので、花の時期が違いますから自然状態では決して交雑しません。いろいろとテクニックを駆使すれば交配できるのでしょうが興味がわきます。
思うに中国のシュウメイギク(Anemone hupehensis)ではなく、それによく似ているタイワンシュウメイギク(アネモネ・ビチフォリア:Anemone vitifolia)ならば初夏から開花するので、開花時期が一致して交配が可能です。

「ドリーミング・スワン」はシュウメイギクとしたように、掌状深裂する堅そうな葉を出し、その上に伸びる茎の先端に径10cmほどの大きな白い花を開きます。

花弁は7〜10枚の半八重で、5枚の萼片が加わり、八重咲きに見えます。
萼片の裏は赤紫色を呈していて、花は朝と夕方には花弁をややしぼめて下向きに咲きますので強調されます。
「ワイルド・スワン」は、特に春に咲いた時はアネモネ的で、背丈が高くなりませんが、「ドリーミング・スワン」はシュウメイギクの性質が強く出ているのか、花茎が50〜60cmに伸び、一番上の茎葉か分枝して、高く伸びた茎頂に花をつけます。

以前にも書いたのですが、アネモネ・ルピコラ(Anemone rupicola)がはたして親かと思うほどアネモネ・ルピコラの楚々とした雰囲気とは違っています。
最初見た時に、萼の裏は赤紫に色づき、雄しべは濃い黄色をしていたので、アネモネ・パルマタ(Anemone palmata)が親だと思いました。

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2019年5月 3日 (金)

大テイトンのアネモネ  Anemone multifida var. tetonensis

アネモネ・ムルチフィダ・テトネンシス(Anemone multifida var. tetonensis:キンポウゲ科イチリンソウ属)が咲きました。

米国西北部モンタナ州から南へ、ユタ州にかけての雨の少ない海抜2200〜3700mの渓谷や急斜面に自生している草丈10cmほどの高山植物ですが、1年目は簡単に夏越しをしてこのようにかわいい花を咲かせてくれます。
逆に花後の夏越は難しいと思います。

 

詳しくはこちらをご覧ください

 

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2019年5月 2日 (木)

麦葉のラナンキュラス  Ranunculus gramineus

ラナンキュラス・グラミネウス(Ranunculus gramineus:キンポウゲ科キンポウゲ属)が咲きました。

ラナンキュラス・グラミネウスはスペインやポルトガルの地中海沿岸部の乾燥した山間部の草原に自生しています。
花がなければまるでイネ科植物と見間違える根生葉の間から、丸い萼にくるまれた蕾を支える長い花茎を立てます。
春から初夏にかけて鮮やかな黄色の5枚の花弁を持つ2cmほどの花が開きます。

詳しくはこちらをご覧ください

 

 

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2019年3月25日 (月)

アネモネ・ブランダ Anemone blanda

アネモネ・ブランダ(Anemone blanda:キンポウゲ科イチリンソウ属)が咲きました。

       

アネモネ・ブランダはギリシャからトルコ、レバノン、シリアにかけての地中海東部沿岸に分布する球根(塊茎)植物です。種小名ブランダはラテン語で、「愛らしい」という意味です。

       

アネモネ・ブランダについて詳しくはこちらをご覧ください

       

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2018年5月14日 (月)

麦葉のキンポウゲ 
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ラナンキュラス・グラミネウス(Ranunculus gramineus:キンポウゲ科キンポウゲ属)が咲きました。


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ラナンキュラス・グラミネウスはスペインやポルトガルの南部、イタリアの地中海沿岸部の乾燥した山間部の草原に自生しています。
リンネ(Carl von Linné:1707-1778)によって1753年に命名されており、ヨーロッパでは古くから知られている多年草です。

花丈は高くなると45cmにもなるそうですが、普通は20〜30cmです。
青緑色の葉は根生葉で、全縁の長披針形から線形をしていて、5cmほどの長さです。
花がなければ、縦に葉脈が走りるので、まるでイネ科植物と見間違えます。
花茎が立つまでは、間違ったタネを育てているのではないかと疑ったことがあります。

春の終わりから夏の初めにかけて根生葉の間から、丸い萼にくるまれた蕾を支える長い花茎を立てます。
丸い蕾は大きくなり、黄色い倒卵形から楕円形の、鮮やかな黄色の5枚の花弁を持つ2cmほどの花が開きます。
雄しべ、雌しべは多数あります。
萼は硬く、ツルツルで、緑の入った黄色をしています。

夏季休眠性で、夏になると地上部は枯れると言われていますが、私の所の株は夏眠しませんでした。
2016年の春に播いた種子からですが、夏も冬も地上部が枯れることなく元気でした。

1993年に王室園芸協会からAward of Garden Meritを受賞しています。

和名はホソバキンポウゲですが、写真をご覧になれば分かるように、この名では葉の特徴が表されていません。
英名はGrassy-leaved(イネの葉の) Buttercup(キンポウゲ)です。

異学名はXerodera graminea(ゼロデラ・グラミネア)で、キンポウゲ科の中で、キンポウゲ属とはとらえられていなかった時期があったようです。

属名ラナンキュラスは「カエル」に指小接尾辞の付いたラテン語で、我々がカエルをかわいらしく「ケロッピー」と呼ぶような名称なんでしょうね。
種小名はラテン語で「禾(のぎ)本状の、イネ科植物のように見える」という意味で、葉の特徴を指しています。

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2018年3月16日 (金)

ギリシャのイチリンソウ
Anemone blanda

アネモネ・ブランダ(Anemone blanda:キンポウゲ科イチリンソウ属)が咲きました。


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アネモネ・ブランダは英名をバルカン・アネモネ(Balkan anemone)やギリシャ・イチリンソウ(Grecian windflower)と呼ばれるように、ギリシャからトルコ、レバノン、シリアにかけての地中海東部沿岸に分布する球根(塊茎)植物です。
夏に乾燥する地中海気候の石灰岩のがれ地で見られるようです。

春先になにもないところから蕾を立ち上げ、ブルーデージーに似た径4cmほどの花を開きます。
デージーと異なるのは、花は多数の薄い萼で構成され、花弁を持たないことです。

背丈は15cmほどで、始めは苞葉に包まれていますが、途中から苞葉を置き去りにして茎の頂点に紫青色や白、ピンクの花を1輪開きます。

3小葉の濃い緑の葉も茎の先に1葉ついて出てきます。

多くの夏前に枯れてしまうスプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)は花から地上部がある時しか肥培できません。灌水がわりに頻繁に薄い液肥をやって肥培することが必要ですが、暖地ではなかなか太ってくれません。

アネモネ・ブランダは水はけのよい土壌で育ち、地上部分が枯れてしまう夏には乾燥状態になるのを好みます。
一般的に乾燥球根で売られていますが、乾燥球根に吸水させる時にカビが生え、腐ってしまうことが多いので、堀上げないで、雨のかからないところにポットのまま置いて、夏越させるのがいいと思います。

種小名ブランダはラテン語で、「滑らかな、へつらう」という意味もあるのですが、この花に限っては、当然「愛らしい、喜ばせる、魅力的な、楽しい」という意味です。

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2017年4月16日 (日)

ハンガリーのオキナグサ 
Pulsatilla × magyarica

プルサチラ・マギアリカ(Pulsatilla × magyarica:キンポウゲ科オキナグサ属)が咲きました。


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プルサチラ・マギアリカはハンガリー北部の低山地の草原地帯に自生しています。
プリサチラ・プラテンシス(Pulsatilla pratensis)とプルサチラ・ツインマーマニー(P. zimmermannii)の自然交配種と考えられています。

背丈は5〜30cmと言われていますが、この株は15cmほどの小型です。

葉は羽状に細裂しています。

濃い赤紫の花は長さ2cmほどの小型で、俯き加減に咲かせます。
咲き始めは、花びら(萼)が小さく6裂した合弁花で、裂片がカールしているように見えます。

雄しべは黄色で、緑がかったクリーム色の多数の雌しべは花弁から飛び出して開いています。

古くから知られていたのではなく、1942年にハンガリーの植物学者ワグナー(Wagner, János (Johannes):1870-1955)さんによって公表されました。

種小名のマギアリカはマジャールに由来し、「ハンガリー、ハンガリー人(Magyar)」という意味です。マジャーリカと表記するのが正しいかもしれません。

属名のプルサチラはラテン語のpulso(打つ、鳴る)+illa(指小接尾辞、小さいことを示す語尾)に由来し、花が釣鐘型をしているのでつけられたといわれています。


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2015年7月18日 (土)

牡丹キンバイ 
Trollius x cultorum ‘New Moon’

トロリウス・クルトルム「ニュームーン」(Trollius x cultorum ‘New Moon’:キンポウゲ科キンバイソウ属)が咲いています。


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キンバイソウ属は北半球の温帯から寒帯にかけて湿った草原や沼地に自生する宿根草で、約20種が知られています。
大きな花弁状をした萼片は黄色で、5枚かそれ以上あります。花弁は5〜10枚の線形をし、雄しべに混ざっています。
花弁が立ち上がる品種では、冠をかぶっているように見えるのでカンムリキンバイと呼ばれたりします。
葉は掌状に深裂しています。

トロリウス・クルトルムはヨーロッパ中・北部、 および 北米の北極圏に分布するセイヨウキンバイ(Trollius europaeus)と中国北部に分布するカンムリキンバイ(Trollius chinensis)やヨーロッパからアジアにかけて分布するトロリウス・アジアティクス(Trollius asiaticus)との交配園芸種です。

6月から8月かけて花茎を立て、頭頂に1〜3輪、花をつけます。
この花は初花で、花茎を1本だけしか立てませんでした。
キンバイソウ属は鮮やかな黄色の花が多いですが、「ニュームーン」は白に近い優しいクリーム色の花を咲かせます。
写真ではよくわからないと思いますが、雄しべと変わらない長さの花弁が、雄しべに混ざってかなり多数あります。

暑さ、寒さに強い多年草で、半日陰のやや湿った場所を好みます。

「ニュームーン」はオランダの園芸家コーエン・ジャンセン(Coen Jansen)さんが作出し、2011年にイエリット・ペレニアル・シード社(JELITTO PERENNIAL SEEDS)から種子が売り出されています。コーエン・ジャンセンさんは欧米で人気のあるクリーム色のキンバイソウ「アラバスター」(Trollius x cultorum 'Alabaster')を作出した人でもあります。
「ニュームーン」は「アラバスター」より、花が一回り大きく、耐暑性も高いといわれています。

属名のトロリウスはドイツ語のtrol(「まるい、球形の」)に由来し、花が球形をしている種類を指しているようです。また北欧の神話に登場する巨人のドイツ語方言名Trollblunmeに基づくという説もあります。
種小名クルトルムは「栽培地の、栽培者の」という意味で、交配種あるいは栽培種であることを指しています。

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2015年5月21日 (木)

新しいアネモネ 
Anemone 'Wild Swan'

アネモネ「ワイルド・スワン」(Anemone 'Wild Swan' or Anemone x 'Macane001' Wild Swan)が咲いています。


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アネモネ「ワイルド・スワン」は白い花を6月〜9月まで長く咲かせます。
7〜10cmの大輪の花を次々とつけ、花の大きさの割に背丈は30cmほどで、高くありません。原種アネモネを知っている者からすると、花の大きさはびっくりします。

アネモネ・ルピコラ(Anemone rupicola)が親のハイブリッドといわれていますが、はたしてそうかと思うほどアネモネ・ルピコラとは雰囲気が違っています。
最初見た時に、萼の裏は赤紫に色づき、雄しべは濃い黄色をしていたので、アネモネ・パルマタ(Anemone palmata)が親だと思いました。
正面からの印象はシュウメイギク(Anemone hupehensis)そのものです。
葉は羽状に裂け、濃い緑色で、しっかりしています。

2004年に、英国のエリザベス・マクグレガー・ナーセリー(Elizabeth MacGregor Nursery)で、多くのアネモネの中からエリザベスさんが見つけ出したそうです。
2011年のチェルシーフラワーショーで「2011年の植物('2011 Plant of the Year')」を受賞しています。
また2013年には米国オレゴン州ポートランドで開催された Farwest Show in Portlandでは全ての新種植物の中での最優秀賞('Best of Show')を得ています。

水分を含みやすい肥沃な土壌と半日陰を好むようです。
ただ冷涼な土地でなければ、この土壌では暑くなるとすぐに根腐れを起こす可能性が大です。

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