2018年5月14日 (月)

麦葉のキンポウゲ 
Ranunculus gramineus

ラナンキュラス・グラミネウス(Ranunculus gramineus:キンポウゲ科キンポウゲ属)が咲きました。


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ラナンキュラス・グラミネウスはスペインやポルトガルの南部、イタリアの地中海沿岸部の乾燥した山間部の草原に自生しています。
リンネ(Carl von Linné:1707-1778)によって1753年に命名されており、ヨーロッパでは古くから知られている多年草です。

花丈は高くなると45cmにもなるそうですが、普通は20〜30cmです。
青緑色の葉は根生葉で、全縁の長披針形から線形をしていて、5cmほどの長さです。
花がなければ、縦に葉脈が走りるので、まるでイネ科植物と見間違えます。
花茎が立つまでは、間違ったタネを育てているのではないかと疑ったことがあります。

春の終わりから夏の初めにかけて根生葉の間から、丸い萼にくるまれた蕾を支える長い花茎を立てます。
丸い蕾は大きくなり、黄色い倒卵形から楕円形の、鮮やかな黄色の5枚の花弁を持つ2cmほどの花が開きます。
雄しべ、雌しべは多数あります。
萼は硬く、ツルツルで、緑の入った黄色をしています。

夏季休眠性で、夏になると地上部は枯れると言われていますが、私の所の株は夏眠しませんでした。
2016年の春に播いた種子からですが、夏も冬も地上部が枯れることなく元気でした。

1993年に王室園芸協会からAward of Garden Meritを受賞しています。

和名はホソバキンポウゲですが、写真をご覧になれば分かるように、この名では葉の特徴が表されていません。
英名はGrassy-leaved(イネの葉の) Buttercup(キンポウゲ)です。

異学名はXerodera graminea(ゼロデラ・グラミネア)で、キンポウゲ科の中で、キンポウゲ属とはとらえられていなかった時期があったようです。

属名ラナンキュラスは「カエル」に指小接尾辞の付いたラテン語で、我々がカエルをかわいらしく「ケロッピー」と呼ぶような名称なんでしょうね。
種小名はラテン語で「禾(のぎ)本状の、イネ科植物のように見える」という意味で、葉の特徴を指しています。

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2018年3月16日 (金)

ギリシャのイチリンソウ
Anemone blanda

アネモネ・ブランダ(Anemone blanda:キンポウゲ科イチリンソウ属)が咲きました。


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アネモネ・ブランダは英名をバルカン・アネモネ(Balkan anemone)やギリシャ・イチリンソウ(Grecian windflower)と呼ばれるように、ギリシャからトルコ、レバノン、シリアにかけての地中海東部沿岸に分布する球根(塊茎)植物です。
夏に乾燥する地中海気候の石灰岩のがれ地で見られるようです。

春先になにもないところから蕾を立ち上げ、ブルーデージーに似た径4cmほどの花を開きます。
デージーと異なるのは、花は多数の薄い萼で構成され、花弁を持たないことです。

背丈は15cmほどで、始めは苞葉に包まれていますが、途中から苞葉を置き去りにして茎の頂点に紫青色や白、ピンクの花を1輪開きます。

3小葉の濃い緑の葉も茎の先に1葉ついて出てきます。

多くの夏前に枯れてしまうスプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)は花から地上部がある時しか肥培できません。灌水がわりに頻繁に薄い液肥をやって肥培することが必要ですが、暖地ではなかなか太ってくれません。

アネモネ・ブランダは水はけのよい土壌で育ち、地上部分が枯れてしまう夏には乾燥状態になるのを好みます。
一般的に乾燥球根で売られていますが、乾燥球根に吸水させる時にカビが生え、腐ってしまうことが多いので、堀上げないで、雨のかからないところにポットのまま置いて、夏越させるのがいいと思います。

種小名ブランダはラテン語で、「滑らかな、へつらう」という意味もあるのですが、この花に限っては、当然「愛らしい、喜ばせる、魅力的な、楽しい」という意味です。

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2017年4月16日 (日)

ハンガリーのオキナグサ 
Pulsatilla × magyarica

プルサチラ・マギアリカ(Pulsatilla × magyarica:キンポウゲ科オキナグサ属)が咲きました。


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プルサチラ・マギアリカはハンガリー北部の低山地の草原地帯に自生しています。
プリサチラ・プラテンシス(Pulsatilla pratensis)とプルサチラ・ツインマーマニー(P. zimmermannii)の自然交配種と考えられています。

背丈は5〜30cmと言われていますが、この株は15cmほどの小型です。

葉は羽状に細裂しています。

濃い赤紫の花は長さ2cmほどの小型で、俯き加減に咲かせます。
咲き始めは、花びら(萼)が小さく6裂した合弁花で、裂片がカールしているように見えます。

雄しべは黄色で、緑がかったクリーム色の多数の雌しべは花弁から飛び出して開いています。

古くから知られていたのではなく、1942年にハンガリーの植物学者ワグナー(Wagner, János (Johannes):1870-1955)さんによって公表されました。

種小名のマギアリカはマジャールに由来し、「ハンガリー、ハンガリー人(Magyar)」という意味です。マジャーリカと表記するのが正しいかもしれません。

属名のプルサチラはラテン語のpulso(打つ、鳴る)+illa(指小接尾辞、小さいことを示す語尾)に由来し、花が釣鐘型をしているのでつけられたといわれています。


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2015年7月18日 (土)

牡丹キンバイ 
Trollius x cultorum ‘New Moon’

トロリウス・クルトルム「ニュームーン」(Trollius x cultorum ‘New Moon’:キンポウゲ科キンバイソウ属)が咲いています。


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キンバイソウ属は北半球の温帯から寒帯にかけて湿った草原や沼地に自生する宿根草で、約20種が知られています。
大きな花弁状をした萼片は黄色で、5枚かそれ以上あります。花弁は5〜10枚の線形をし、雄しべに混ざっています。
花弁が立ち上がる品種では、冠をかぶっているように見えるのでカンムリキンバイと呼ばれたりします。
葉は掌状に深裂しています。

トロリウス・クルトルムはヨーロッパ中・北部、 および 北米の北極圏に分布するセイヨウキンバイ(Trollius europaeus)と中国北部に分布するカンムリキンバイ(Trollius chinensis)やヨーロッパからアジアにかけて分布するトロリウス・アジアティクス(Trollius asiaticus)との交配園芸種です。

6月から8月かけて花茎を立て、頭頂に1〜3輪、花をつけます。
この花は初花で、花茎を1本だけしか立てませんでした。
キンバイソウ属は鮮やかな黄色の花が多いですが、「ニュームーン」は白に近い優しいクリーム色の花を咲かせます。
写真ではよくわからないと思いますが、雄しべと変わらない長さの花弁が、雄しべに混ざってかなり多数あります。

暑さ、寒さに強い多年草で、半日陰のやや湿った場所を好みます。

「ニュームーン」はオランダの園芸家コーエン・ジャンセン(Coen Jansen)さんが作出し、2011年にイエリット・ペレニアル・シード社(JELITTO PERENNIAL SEEDS)から種子が売り出されています。コーエン・ジャンセンさんは欧米で人気のあるクリーム色のキンバイソウ「アラバスター」(Trollius x cultorum 'Alabaster')を作出した人でもあります。
「ニュームーン」は「アラバスター」より、花が一回り大きく、耐暑性も高いといわれています。

属名のトロリウスはドイツ語のtrol(「まるい、球形の」)に由来し、花が球形をしている種類を指しているようです。また北欧の神話に登場する巨人のドイツ語方言名Trollblunmeに基づくという説もあります。
種小名クルトルムは「栽培地の、栽培者の」という意味で、交配種あるいは栽培種であることを指しています。

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2015年5月21日 (木)

新しいアネモネ 
Anemone 'Wild Swan'

アネモネ「ワイルド・スワン」(Anemone 'Wild Swan' or Anemone x 'Macane001' Wild Swan)が咲いています。


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アネモネ「ワイルド・スワン」は白い花を6月〜9月まで長く咲かせます。
7〜10cmの大輪の花を次々とつけ、花の大きさの割に背丈は30cmほどで、高くありません。原種アネモネを知っている者からすると、花の大きさはびっくりします。

アネモネ・ルピコラ(Anemone rupicola)が親のハイブリッドといわれていますが、はたしてそうかと思うほどアネモネ・ルピコラとは雰囲気が違っています。
最初見た時に、萼の裏は赤紫に色づき、雄しべは濃い黄色をしていたので、アネモネ・パルマタ(Anemone palmata)が親だと思いました。
正面からの印象はシュウメイギク(Anemone hupehensis)そのものです。
葉は羽状に裂け、濃い緑色で、しっかりしています。

2004年に、英国のエリザベス・マクグレガー・ナーセリー(Elizabeth MacGregor Nursery)で、多くのアネモネの中からエリザベスさんが見つけ出したそうです。
2011年のチェルシーフラワーショーで「2011年の植物('2011 Plant of the Year')」を受賞しています。
また2013年には米国オレゴン州ポートランドで開催された Farwest Show in Portlandでは全ての新種植物の中での最優秀賞('Best of Show')を得ています。

水分を含みやすい肥沃な土壌と半日陰を好むようです。
ただ冷涼な土地でなければ、この土壌では暑くなるとすぐに根腐れを起こす可能性が大です。

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2015年4月30日 (木)

八重のネモロサ 
Anemone nemorosa 'Bracteata Pleniflora'

アネモネ・ネモロサ「ブラクテアタ・プレニフロラ」(Anemone nemorosa 'Bracteata Pleniflora':キンポウゲ科イチリンソウ属)が咲いています。


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「ブラクテアタ・プレニフロラ」はアネモネ・ネモロサの重弁(八重咲き)品種ですが、八重咲きであるのは間違いないのですが、多数ある白い苞葉が花のすぐ後ろで花を飾るので、見た目以上にゴージャスです。
花は1.5cmほどの大きさで、アネモネの中でも小さい方ですが、白い苞葉のお陰で大きく見えます。
豪華な雰囲気が好まれるのか、16世紀には既に栽培されており、歴史の長い園芸植物です。

園芸種のアネモネは肥培して面倒を見てやらないと、いじけて八重が一重になったりします。
特にネモロサは野生種でも肥沃な土壌がお気に入りのようで、山野草用土のように肥料気が少ない砂礫用土を主体にした土ではなかなか花をつけません。
暑い夏は地上部が枯れてしまうので重い土に植えてみたら、花を沢山着けるようになりました。

種小名のネモロサは「森の、林の」という意味で、ヨーロッパからアジアの東北部のブナなどの落葉樹林の林間に分布しています。
品種名のブラクテアタは「苞葉のある」、プレニフロラは「八重の花の」という意味です。

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2014年5月18日 (日)

去年とは大違いのアネモネ 
Anemone nemorosa 'Bracteata Plena'

アネモネ・ネモロサ・ブラクテアタ・プレニフロラ(Anemone nemorosa 'Bracteata Pleniflora':キンポウゲ科イチリンソウ属)が咲き終わりました。


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昨年普通の花が咲いたアネモネ・ネモロサでした。
苞葉がたくさんあり、その一部が花びらのように白くなっていたので、「ブラクテアタ・プレニフロラ」ではなかったか推測しました。
今年はこの通り「ブラクテアタ・プレニフロラ」になりました。

「ブラクテアタ・プレニフロラ」は重弁(八重咲き)品種で、多数ある苞葉が花のすぐ後ろで花を飾ります。
苞葉も白い斑が入るので、花びらが沢山あるように見えます。
豪華な雰囲気が好まれるのか、16世紀には既に栽培されており、歴史の長い園芸植物です。

園芸種のアネモネは肥培して面倒を見てやらないと、いじけて八重が一重になったりします。
特にネモロサは野生種でも肥沃な土壌がお気に入りのようで、山野草用土のように肥料気が少ない土ではなかなか花をつけません。

一番下の写真は花が散った後ですが、苞葉が多数輪生しているのがわかります。

種小名のネモロサは「森の、林の」という意味で、ヨーロッパからアジアの東北部のブナなどの落葉樹林の林間に分布しています。
品種名のブラクテアタは「苞葉のある」、プレニフロラは「八重の花の」という意味です。


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2014年5月 8日 (木)

赤いアネモネ 
Anemone x lesseri

アネモネ・レッセリー(Anemone x lesseri:キンポウゲ科イチリンソウ属)が咲いています。


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アネモネ・レッセリーはアネモネ・ムルチフィダ(Anemone multifida)とアネモネ・シルベストリス (Anemone sylvestris)の交配種で、根茎を持つ多年草です。
アネモネ・ムルチフィダは北米大陸アラスカから南米までの平地から亜高山帯に広く分布する背丈30〜60cmのアネモネです。
アネモネ・シルベストリスは中央、北ヨーロッパからシベリアにかけて、石灰質の落葉森林地帯に分布する20〜40cmの白い花を咲かせるアネモネです。

この2種の分布域から考えた、決して自然交配が生じるはずがないので、園芸品種として交配されたものです。

30cmほどの花茎を立て、その先に1輪の2cmほどの赤い花を咲かせます。
花茎の先に1輪咲いた後、苞葉部分から分枝して2〜3輪咲かせます。

アネモネ・ムルチフィダには赤い花を咲かせる変種があり、その花色が出ているのでしょう。
しかし花色は赤だけではなく、希にクリーム色や黄色、紫色の花を咲かせることがあります。


種小名レッセリーは人名であることには間違いないのですが、「レッサー」さんがどのような人物かわかりません。

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2014年5月 1日 (木)

高山のアネモネ 
Anemone drummondii var. lithophila

アネモネ・・ドゥルーモンディ・リトフィラ(Anemone drummondii var. lithophila:キンポウゲ科イチリンソウ属)が咲きました。


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2014年4月26日、初めて開いた時の姿、背丈5cm以下で咲いています。


アネモネ・ドゥルーモンディ・リトフィラは、1902年にアネモネ・リトフィラと命名されましたが、1964年にアネモネ・ドゥルーモンディの変種として再分類されています。

アネモネ・ドゥルーモンディ・リトフィラは、アラスカ、カナダ・ブリティッシュコロンビアからワイオミングまでの北米西部に分布する多年草です。
主としてロッキー山脈のカナダ側から米国南部の西海岸までの山岳地帯で、基本種のアネモネ・ドラモンディが海抜1500mからの地域に分布するのに対して、リソフィラはさらに高い海抜2100-3300mの山岳地帯に分布します。

ドゥルーモンディの背丈は25cmほどですが、リトフィラは矮性種で15cmほどで花をつけます。

花の大きさは2.5cmほどで、花弁(萼)は5〜8枚です。普通は白い花ですが、濃青色のものがあったり、時に紫やピンクの筋が入るものがあるようです。

葉は小さく柔らかく羽状です。葉や茎に軟毛の多いものや全く無毛のものまであります。

現地ではLittle Belt Mountain anemone(小連山イチリンソウ), Little Belt Mountain Thimble-weed(小連山指ぬき草) と呼ばれています。

種小名のドゥルーモンディはテキサス州の植物を調査したトーマス・ドゥルーモンド(Thomas Drummond:1793-1835)さんに因んでつけられています。米国の植物にはドゥルーモンドさんに因む名を見つけることができます。

変種名の lithophila は「頭石(かしらいし)」や「愛の石」という意味です。大理石(litho)と好む(phila)の造語とすれば、石灰岩地帯に分布していることを指しているのではないかと思います。

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2014年4月 8日 (火)

ゴージャスなアネモネ 
Anemone coronaria f. plena

深紅の吹詰咲アネモネ (Anemone coronaria f. plena:キンポウゲ科イチリンソウ属)が咲きました。


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万重咲きとも言いわれる吹詰咲きはダリアのように中心部まで花びらで埋まっている咲き方です。
吹詰咲のアネモネは地中海沿岸に分布するアネモネ・コロナリアの八重咲き園芸種を言います。

今日のアネモネ「デ・カーン」を初めとする園芸種のアネモネのように大きくはありませんが、その華麗な姿ゆえ、パス(C. de Passe)著「庭の花('Hortus Floridus')」(1615)にも既に描かれていたといわれるほど古くからヨーロッパで栽培されていました。

園芸種と同じパセリのように繊細に細裂する薄い葉をしています。

1番下の写真のように、萼片(一番後ろの大きな花びら)と吹き詰め状の花びらの間に雄しべらしきものが見えます。つまり吹き詰め状の花びらは雌しべが花弁化したものなのでしょう。

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