2017年4月16日 (日)

ハンガリーのオキナグサ 
Pulsatilla × magyarica

プルサチラ・マギアリカ(Pulsatilla × magyarica:キンポウゲ科オキナグサ属)が咲きました。


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プルサチラ・マギアリカはハンガリー北部の低山地の草原地帯に自生しています。
プリサチラ・プラテンシス(Pulsatilla pratensis)とプルサチラ・ツインマーマニー(P. zimmermannii)の自然交配種と考えられています。

背丈は5〜30cmと言われていますが、この株は15cmほどの小型です。

葉は羽状に細裂しています。

濃い赤紫の花は長さ2cmほどの小型で、俯き加減に咲かせます。
咲き始めは、花びら(萼)が小さく6裂した合弁花で、裂片がカールしているように見えます。

雄しべは黄色で、緑がかったクリーム色の多数の雌しべは花弁から飛び出して開いています。

古くから知られていたのではなく、1942年にハンガリーの植物学者ワグナー(Wagner, János (Johannes):1870-1955)さんによって公表されました。

種小名のマギアリカはマジャールに由来し、「ハンガリー、ハンガリー人(Magyar)」という意味です。マジャーリカと表記するのが正しいかもしれません。

属名のプルサチラはラテン語のpulso(打つ、鳴る)+illa(指小接尾辞、小さいことを示す語尾)に由来し、花が釣鐘型をしているのでつけられたといわれています。


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2015年7月18日 (土)

牡丹キンバイ 
Trollius x cultorum ‘New Moon’

トロリウス・クルトルム「ニュームーン」(Trollius x cultorum ‘New Moon’:キンポウゲ科キンバイソウ属)が咲いています。


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キンバイソウ属は北半球の温帯から寒帯にかけて湿った草原や沼地に自生する宿根草で、約20種が知られています。
大きな花弁状をした萼片は黄色で、5枚かそれ以上あります。花弁は5〜10枚の線形をし、雄しべに混ざっています。
花弁が立ち上がる品種では、冠をかぶっているように見えるのでカンムリキンバイと呼ばれたりします。
葉は掌状に深裂しています。

トロリウス・クルトルムはヨーロッパ中・北部、 および 北米の北極圏に分布するセイヨウキンバイ(Trollius europaeus)と中国北部に分布するカンムリキンバイ(Trollius chinensis)やヨーロッパからアジアにかけて分布するトロリウス・アジアティクス(Trollius asiaticus)との交配園芸種です。

6月から8月かけて花茎を立て、頭頂に1〜3輪、花をつけます。
この花は初花で、花茎を1本だけしか立てませんでした。
キンバイソウ属は鮮やかな黄色の花が多いですが、「ニュームーン」は白に近い優しいクリーム色の花を咲かせます。
写真ではよくわからないと思いますが、雄しべと変わらない長さの花弁が、雄しべに混ざってかなり多数あります。

暑さ、寒さに強い多年草で、半日陰のやや湿った場所を好みます。

「ニュームーン」はオランダの園芸家コーエン・ジャンセン(Coen Jansen)さんが作出し、2011年にイエリット・ペレニアル・シード社(JELITTO PERENNIAL SEEDS)から種子が売り出されています。コーエン・ジャンセンさんは欧米で人気のあるクリーム色のキンバイソウ「アラバスター」(Trollius x cultorum 'Alabaster')を作出した人でもあります。
「ニュームーン」は「アラバスター」より、花が一回り大きく、耐暑性も高いといわれています。

属名のトロリウスはドイツ語のtrol(「まるい、球形の」)に由来し、花が球形をしている種類を指しているようです。また北欧の神話に登場する巨人のドイツ語方言名Trollblunmeに基づくという説もあります。
種小名クルトルムは「栽培地の、栽培者の」という意味で、交配種あるいは栽培種であることを指しています。

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2015年5月21日 (木)

新しいアネモネ 
Anemone 'Wild Swan'

アネモネ「ワイルド・スワン」(Anemone 'Wild Swan' or Anemone x 'Macane001' Wild Swan)が咲いています。


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アネモネ「ワイルド・スワン」は白い花を6月〜9月まで長く咲かせます。
7〜10cmの大輪の花を次々とつけ、花の大きさの割に背丈は30cmほどで、高くありません。原種アネモネを知っている者からすると、花の大きさはびっくりします。

アネモネ・ルピコラ(Anemone rupicola)が親のハイブリッドといわれていますが、はたしてそうかと思うほどアネモネ・ルピコラとは雰囲気が違っています。
最初見た時に、萼の裏は赤紫に色づき、雄しべは濃い黄色をしていたので、アネモネ・パルマタ(Anemone palmata)が親だと思いました。
正面からの印象はシュウメイギク(Anemone hupehensis)そのものです。
葉は羽状に裂け、濃い緑色で、しっかりしています。

2004年に、英国のエリザベス・マクグレガー・ナーセリー(Elizabeth MacGregor Nursery)で、多くのアネモネの中からエリザベスさんが見つけ出したそうです。
2011年のチェルシーフラワーショーで「2011年の植物('2011 Plant of the Year')」を受賞しています。
また2013年には米国オレゴン州ポートランドで開催された Farwest Show in Portlandでは全ての新種植物の中での最優秀賞('Best of Show')を得ています。

水分を含みやすい肥沃な土壌と半日陰を好むようです。
ただ冷涼な土地でなければ、この土壌では暑くなるとすぐに根腐れを起こす可能性が大です。

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2015年4月30日 (木)

八重のネモロサ 
Anemone nemorosa 'Bracteata Pleniflora'

アネモネ・ネモロサ「ブラクテアタ・プレニフロラ」(Anemone nemorosa 'Bracteata Pleniflora':キンポウゲ科イチリンソウ属)が咲いています。


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「ブラクテアタ・プレニフロラ」はアネモネ・ネモロサの重弁(八重咲き)品種ですが、八重咲きであるのは間違いないのですが、多数ある白い苞葉が花のすぐ後ろで花を飾るので、見た目以上にゴージャスです。
花は1.5cmほどの大きさで、アネモネの中でも小さい方ですが、白い苞葉のお陰で大きく見えます。
豪華な雰囲気が好まれるのか、16世紀には既に栽培されており、歴史の長い園芸植物です。

園芸種のアネモネは肥培して面倒を見てやらないと、いじけて八重が一重になったりします。
特にネモロサは野生種でも肥沃な土壌がお気に入りのようで、山野草用土のように肥料気が少ない砂礫用土を主体にした土ではなかなか花をつけません。
暑い夏は地上部が枯れてしまうので重い土に植えてみたら、花を沢山着けるようになりました。

種小名のネモロサは「森の、林の」という意味で、ヨーロッパからアジアの東北部のブナなどの落葉樹林の林間に分布しています。
品種名のブラクテアタは「苞葉のある」、プレニフロラは「八重の花の」という意味です。

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2014年5月18日 (日)

去年とは大違いのアネモネ 
Anemone nemorosa 'Bracteata Plena'

アネモネ・ネモロサ・ブラクテアタ・プレニフロラ(Anemone nemorosa 'Bracteata Pleniflora':キンポウゲ科イチリンソウ属)が咲き終わりました。


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昨年普通の花が咲いたアネモネ・ネモロサでした。
苞葉がたくさんあり、その一部が花びらのように白くなっていたので、「ブラクテアタ・プレニフロラ」ではなかったか推測しました。
今年はこの通り「ブラクテアタ・プレニフロラ」になりました。

「ブラクテアタ・プレニフロラ」は重弁(八重咲き)品種で、多数ある苞葉が花のすぐ後ろで花を飾ります。
苞葉も白い斑が入るので、花びらが沢山あるように見えます。
豪華な雰囲気が好まれるのか、16世紀には既に栽培されており、歴史の長い園芸植物です。

園芸種のアネモネは肥培して面倒を見てやらないと、いじけて八重が一重になったりします。
特にネモロサは野生種でも肥沃な土壌がお気に入りのようで、山野草用土のように肥料気が少ない土ではなかなか花をつけません。

一番下の写真は花が散った後ですが、苞葉が多数輪生しているのがわかります。

種小名のネモロサは「森の、林の」という意味で、ヨーロッパからアジアの東北部のブナなどの落葉樹林の林間に分布しています。
品種名のブラクテアタは「苞葉のある」、プレニフロラは「八重の花の」という意味です。


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2014年5月 8日 (木)

赤いアネモネ 
Anemone x lesseri

アネモネ・レッセリー(Anemone x lesseri:キンポウゲ科イチリンソウ属)が咲いています。


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アネモネ・レッセリーはアネモネ・ムルチフィダ(Anemone multifida)とアネモネ・シルベストリス (Anemone sylvestris)の交配種で、根茎を持つ多年草です。
アネモネ・ムルチフィダは北米大陸アラスカから南米までの平地から亜高山帯に広く分布する背丈30〜60cmのアネモネです。
アネモネ・シルベストリスは中央、北ヨーロッパからシベリアにかけて、石灰質の落葉森林地帯に分布する20〜40cmの白い花を咲かせるアネモネです。

この2種の分布域から考えた、決して自然交配が生じるはずがないので、園芸品種として交配されたものです。

30cmほどの花茎を立て、その先に1輪の2cmほどの赤い花を咲かせます。
花茎の先に1輪咲いた後、苞葉部分から分枝して2〜3輪咲かせます。

アネモネ・ムルチフィダには赤い花を咲かせる変種があり、その花色が出ているのでしょう。
しかし花色は赤だけではなく、希にクリーム色や黄色、紫色の花を咲かせることがあります。


種小名レッセリーは人名であることには間違いないのですが、「レッサー」さんがどのような人物かわかりません。

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2014年5月 1日 (木)

高山のアネモネ 
Anemone drummondii var. lithophila

アネモネ・・ドゥルーモンディ・リトフィラ(Anemone drummondii var. lithophila:キンポウゲ科イチリンソウ属)が咲きました。


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2014年4月26日、初めて開いた時の姿、背丈5cm以下で咲いています。


アネモネ・ドゥルーモンディ・リトフィラは、1902年にアネモネ・リトフィラと命名されましたが、1964年にアネモネ・ドゥルーモンディの変種として再分類されています。

アネモネ・ドゥルーモンディ・リトフィラは、アラスカ、カナダ・ブリティッシュコロンビアからワイオミングまでの北米西部に分布する多年草です。
主としてロッキー山脈のカナダ側から米国南部の西海岸までの山岳地帯で、基本種のアネモネ・ドラモンディが海抜1500mからの地域に分布するのに対して、リソフィラはさらに高い海抜2100-3300mの山岳地帯に分布します。

ドゥルーモンディの背丈は25cmほどですが、リトフィラは矮性種で15cmほどで花をつけます。

花の大きさは2.5cmほどで、花弁(萼)は5〜8枚です。普通は白い花ですが、濃青色のものがあったり、時に紫やピンクの筋が入るものがあるようです。

葉は小さく柔らかく羽状です。葉や茎に軟毛の多いものや全く無毛のものまであります。

現地ではLittle Belt Mountain anemone(小連山イチリンソウ), Little Belt Mountain Thimble-weed(小連山指ぬき草) と呼ばれています。

種小名のドゥルーモンディはテキサス州の植物を調査したトーマス・ドゥルーモンド(Thomas Drummond:1793-1835)さんに因んでつけられています。米国の植物にはドゥルーモンドさんに因む名を見つけることができます。

変種名の lithophila は「頭石(かしらいし)」や「愛の石」という意味です。大理石(litho)と好む(phila)の造語とすれば、石灰岩地帯に分布していることを指しているのではないかと思います。

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2014年4月 8日 (火)

ゴージャスなアネモネ 
Anemone coronaria f. plena

深紅の吹詰咲アネモネ (Anemone coronaria f. plena:キンポウゲ科イチリンソウ属)が咲きました。


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万重咲きとも言いわれる吹詰咲きはダリアのように中心部まで花びらで埋まっている咲き方です。
吹詰咲のアネモネは地中海沿岸に分布するアネモネ・コロナリアの八重咲き園芸種を言います。

今日のアネモネ「デ・カーン」を初めとする園芸種のアネモネのように大きくはありませんが、その華麗な姿ゆえ、パス(C. de Passe)著「庭の花('Hortus Floridus')」(1615)にも既に描かれていたといわれるほど古くからヨーロッパで栽培されていました。

園芸種と同じパセリのように繊細に細裂する薄い葉をしています。

1番下の写真のように、萼片(一番後ろの大きな花びら)と吹き詰め状の花びらの間に雄しべらしきものが見えます。つまり吹き詰め状の花びらは雌しべが花弁化したものなのでしょう。

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2014年1月 8日 (水)

今どきキクザキイチゲが一輪 
Anemone pseudo-altaica

紫のキクザキイチゲ(菊咲一華:Anemone pseudo-altaica:キンポウゲ科イチリンソウ属)が1輪だけ咲きました。


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キクザキイチゲは本州中部以北の山林の林床に咲くイチリンソウで、白一色が多いのですが、北に行くにつれブルーや紫の花をつけるものが多くなっていくようです。

昨年は藤色の花だったのですが、今年の花は白色で、花びら(萼)も20枚近くなっています。
変な時期に咲いたせいなのか、元々いろいろと混ざっていたのか分かりません。

キクザキイチゲは花びらの数は10枚ほどで、このように多いのはアズマイチゲの可能性がありますが、全体の感じはキクザキイチゲです。
イチリンソウ属は花びらの枚数は種類の同定に意味を持たないことがよくあります。

寒い時期に咲くと花びらは半透明で、葉は紫がかり、全く違う花のようです。
楚々として咲いています。

種小名プセウドアルタイカは「アルタイカに似た、アルタイカもどきの、偽アルタイカの」という意味です。アネモネ・アルタイカ(Anemone altaica)とは葉以外似ていないように思います。

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2013年5月 2日 (木)

魅力的なアネモネ
Anemone coronaria 'Mistral Wine'

アネモネ「ミストラル・ワイン」(Anemone coronaria 'Mistral Wine':キンポウゲ科イチリンソウ属)が咲きました。


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ミストラルとは、冬から春にかけてフランス南東部のアルプス山脈から地中海に吹き降ろす、寒冷で乾燥した北風のことです。

よく見かける赤い花ではなく、濃い赤紫の花を咲かせました。あまり見かけないボルドー色のアネモネです。
チャーミングなアネモネです。

このアネモネは球根から育てたのですが、実は吸水させた後はカビとの戦いでした。掘り起こしてはカビをとっての繰り返しで結局3株が葉を出しただけでした。
最終的に植え付けた時期が遅かったので、他の2株は地際で咲きだし、葉の下で開きました。
唯一咲いたのがこれです。

もう1品種、「ミストラル・ピンク」の球根も植えたのですが、これもカビで腐った部分を掻き取ったので、球根が小さくなり、葉は出たものの花はつきませんでした。
来年に期待しましょうか。

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