2016年6月23日 (木)

テキサス・ローズ 
Scutellaria suffrutescens

スクテラリア・スフルテスケンス「テキサス・ローズ」(Scutellaria suffrutescens 'Texas Rose':シソ科タツナミソウ属)が咲いています。


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スクテラリア・スフルテスケンスはメキシコ北東部のコアウイラ、ヌエボ・レオン、タマウリパス(Coahuila, Nuevo Leon, amaulipas)州に自生する亜低木で、ピンク・スカルキャップ(桃色タツナミソウ:Pink skullcap)と呼ばれています。

タツナミソウの仲間は草本だけではなく、亜低木、低木がありますが、「半低木の、亜低木の」という意味のスフルテスケンスという種小名が示すようにテキサスローズは木です。

高さは15~25cmほどで、基部が木化し、春に芽吹いて、ブッシュ(スプレー)状によく分枝します。

晩春から秋にかけてローズ色の2唇形の筒状花を1〜2輪つけます。温度さえあれば冬でも咲いているようです。

日本のタツナミソウ(Scutellaria indica)のように穂状花序につくのではなく、葉脇に集散花序(茎頭に花がつき、その下から枝が伸び、その先にまた花がつく)風についてようです。
葉脇と言いましたが苞葉かもしれません。
ですからタツナミソウのように一斉に咲くのではなく、ポツポツといろいろな方向に咲きます。
日本でも秋口まで咲き続けるので、夏の花として重宝します。

葉には短い葉柄があり、対生してついています。
基部の木化した茎は断面が丸いですが、上部の緑色の茎は四角い断面です。

葉は咲きが丸い長さ1cmほどの楕円形をしており、ツヤがあって、少し厚みのあり、しっかりした作りで、強い日差しや乾燥に耐えそうな葉です。

「テキサス・ローズ」という品種名がついていますが、ローズ色の濃い選別種のようです。一般的に自生地ではもっと薄い色のようです。

1986年にメキシコ北東部のモンテレイ(Monterrey)の西にあるホーステール滝(Horsetail Falls)の近くで採集され、1997年に「テキサスローズ」と名付けられたと言われています。

園芸業者では流通することはなく、NARGSで種子交換によく出ています。
花の少なくなる夏にちょうどいいタツナミソウで、ほったらかしでよく育ちますから、もっと流通してもいいのにと思います。
タネはなかなか発芽してくれません。増やすのにはタネを播くより、挿し木がいいようです。

咲くまでは色合いが想像できなかったのですが、愛らしいローズ色で、なるほど「テキサス・ローズ」というのは言い得て妙だと思います。

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2016年6月 6日 (月)

太い根を持つタツナミソウ 
Scutellaria hypericifolia

スクテラリア・ヒペリキフォリア(Scutellaria hypericifolia:シソ科タツナミソウ属)が咲いています。


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スクテラリア・ヒペリキフォリアは1911年に命名された比較的最近発見されたスクテラリアです。
中国四川省の海抜900〜4000mの山脈の林縁や斜面になった草原に自生する宿根草です。

スクテラリアの仲間では珍しい太さ2cmほどの根茎を持っています。
同じような太い根を持つものにジュズネノタツナミソウ(数珠根の立浪草:Scutellaria moniliorhiza)がありますが、ジュズネノタツナミソウは土の深いところが太くなります。

地際に太い部分があり、そこから何本かの茎が出てきます。
写真は植え替えの時の4月の様子で、大した太さにはなっていませんが、地上部分のサイズの割には太い根です。

地上に出た茎は分枝せず、少し地面を這い、その後立ち上がっていきます。
したがって背丈は10cmから、せいぜい30cmまでです。

短い葉柄のある葉は全縁の卵型から楕円形をしています。希に鋸歯のある個体もあるといわれています。
卵型の苞葉を持ち、それが花の付け根を覆っているので、萼の付属体(スクテラリアの語源になっているお皿)が見えません。

6月から8月にかけて茎頂に苞葉に包まれた蕾がつきます。
長さ2.5cmほどの花は総状花序につき、花色は色々あるようで、このような紫以外に、純白、緑がかった白や青紫が知られています。
花は紫一色のように見えますが、下唇弁には小さい白い模様が入っています。
萼も紫がかっています。

種小名ヒペリキフォリア前半部分は、hypericioに由来し、キランソウのある種類の呼び名ようです。foliaは「葉の」という意味で、「キランソウのような葉の」という意味だと推測されます。
異学名にスクテラリア・パキリザ(Scutellaria pachyrrhiza)というのがありますが、これは肥厚した(pachy)根元の(rhiza)という意味で、根の特徴を表しています。

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2016年5月23日 (月)

キルギスタンのタツナミソウ 
Scutellaria mesostegia

スクテラリア・メソステギア(Scutellaria mesostegia:シソ科タツナミソウ属)が咲きました。


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スクテラリア・メソステギアは1951年に記載された新しいタツナミソウです。そのせいか情報は限られています。
このスクテラリアは中央アジアのキルギスタン、天山山脈のキルギス側の小さな流れのある狭い渓谷などに分布する亜低木です。

ひょろ長い木質の茎で、葉と同じぐらいの長さの葉柄を持ちます。
葉は灰緑色で、卵型、短披針形をし、5〜6の大きな鋸歯をがあります。
葉脈方向にまばらに毛が生えています。
葉の裏側には微細な毛が生えていて、灰白色に見えます。

花序は2〜3段程度で短く、細長い卵型の苞葉に包まれて蕾が現れます。
花は長さ3cm近くあり、苞葉からまっすぐ立ち上がります。タツナミソウ(Scutellaria indica)型のスタイルです。
花弁は全体が明るい黄色で、上唇が赤い色で、下唇は鮮やかな黄色をしています。
花冠の外側には腺毛が生えています。

花はスクテラリア・シーベルジー(Scutellaria sieversii)に似ていますが、こちらの方が、花がスマートで、背丈も低いです。
茎は横に広がらず、上に伸びます。

種小名はラテン語で「真ん中、中央(meso)」と「台(stega)」を意味しています。どのような特徴を指しているのか分かりません。

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2016年5月 9日 (月)

レオナードさんのタツナミソウ 
Scutellaria parvula v. missouriensis

スクテラリア・パルブラ・レオナーディー(Scutellaria parvula v. leonardii:シソ科タツナミソウ属)が咲いています。


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スクテラリア・パルブラは小さなタツナミソウで、カナダ中部、南部から米国東部に分布しています。
北米中部では普通に目につく植物ですが、東部に行くほど珍しくなっていくと言われています。
海岸の崖や壁から突き出た棚、開墾地のような空き地、尾根、川岸、湖岸、林地のような様々のところに生えています。

南北に広く分布しているので、地域により変異が見られ、多くの異学名を持っています。
Scutellaria ambigua, Scutellaria leonardii, Scutellaria nervosa Pursh var. ambigua , Scutellaria parvula var. leonardii ざっとこんなものです。
今では以下のような3種の変種に分けられています。
外国の花の変種など、どうでもいいようなことですが、少し詳しく書きます。

共通して、茎には非常に短い下向きに(あるいは上向きに)カーブした無腺毛や、より広い範囲で長い腺毛がみられます。
萼にも毛が生えています。時には腺毛が生えています。
大きな葉には2〜5対の葉縁に沿ったの葉脈があります。

スクテラリアパルブラ・ミズーリーエンシス(Scutellaria parvula var. missouriensis) Leonard's skullcap
レオナード・タツナミソウ(Leonard's skullcap)と呼ばれています。
茎には非常に短い上向きの毛があり、時には腺毛になっています。萼には腺毛が生えています。
大きな葉には1〜3対の葉縁に沿った葉脈があります。
変種名は分布地のミズーリー州を指しています。

スクテラリア・・パルブラ・アウスツラリス(Scutellaria parvula var. australis)  small skullcap
葉は巻きやすく、葉縁に沿った葉脈に続いて葉縁に近い葉脈が吻合しています。
茎には非常に短い上向きの無腺毛がありますが、葉の裏側には腺毛しかありません。
変種名は「南の、南方系の」という意味です。

スクテラリア・パルブラ・パルブラ(Scutellaria parvula var. parvula)
アウスツラリスと共に小さなタツナミソウ(small skullcap)と呼ばれています。
葉縁近くの葉脈は吻合せず、あるいは目立ちません。
茎は毛は腺毛ではなく、逆向きに生え、葉裏には腺毛と無腺毛の両方が見られます。

たっぷり陽が当たる牧草地やミシシッピー川流域の平原によく見られます。
岩の上のちょっとしたアルカリ性土壌に好んで咲いています。他の植物の生育にとって、きわめて悪い環境で暮らしています。

背丈は10〜20cmの茎は根際から分岐はしますが、途中から分かれません。
先の丸い全縁の披針形の葉は1cmほどしかありません。
葉は黄緑で、基部の葉には葉柄がありますが、茎の上の方の葉には葉柄がなく、茎を囲むように立ち上がってついています。

花は葉腋から2個対に咲きます。
花は長さ5mmほどの赤紫の唇形花です。
本当に小さい花で、ぱらぱらとしか咲きませんので、目立ちません。
タツナミソウ(Scutellaria indica)のように下唇弁に白い斑が入り、そこに濃い赤紫の鹿の子模様が入ります。
花の大きさにしては、下唇弁は大きく、下に垂れています。
上唇の上部には長い毛が生えています。
萼は赤っぽい色で、目立つ大きなお皿をのせています。

種小名のパルブラは「小さい、弱い」の比較級、あるいは最上級です。非常に小さい、一番小さいという意味です。

変種名は米国の植物学者のエメリー・C. レオナード(Emery Clarence Leonard:1892-1968) さんに因みます。
レオナードさんはハイチの植物について研究をしました。

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2016年4月22日 (金)

シーベルズさんのタツナミソウ 
Scutellaria sieversii

スクテラリア・シーベルジー(Scutellaria sieversii:シソ科タツナミソウ属)が咲きました。


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苞葉の奥から蕾が顔を見せています。(2016年4月18日)


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茎の先にできた花序(蕾)(2016年4月8日)


スクテラリア・シーベルジーは中国新疆ウイグル自治区やカザフスタン、ロシアに分布する亜低木です。
海抜700〜1000mの山地の砂礫地の草原の斜面に自生しています。

背丈は10〜30cmで、茎は紫がかり、細かい毛が生えています。根と基部は木質化します。
茎は根元から分かれて匍匐してうねりながら、20〜30cmに広がり、先の方で立ち上がります。

茎の先に花序を出し、蕾の時は大きな一組の苞葉に包まれているので、一つの蕾に見えます。
苞葉は広い卵型をしており、花が開くにつれ薄い赤茶色になっていきます。
1枚の苞葉から一輪花が顔を出します。花は総状花序についています。

花は長さ2.5〜3cmの鮮やかな黄色で、上唇弁の内側は赤やオレンジ色で、外側は焦茶色を帯びています。
タツナミソウの仲間では大きめの花です。

葉は卵型で粗く深い鋸歯があります。鋸歯片の先は丸くなっています。葉は厚みがあり、ツヤがありますが、細かい毛が生えています。

変異が見られるのか異学名が多く、Scutellaria soongorica , Scutellaria krylovii ,Scutellaria soongorica var. grandiflora, Scutellaria transiliensis, Scutellaria albertii です。
この種子はスクテラリア・トランシリエンシス(Scutellaria transiliensis)という異学名で手に入れました。

種小名のシーベルジーはドイツも薬学者、植物学者のシーベルズ(Johann Erasmus Sievers,(August Carl) :1762-1795) さんを讃えて命名されています。
シーベルズさんは1790〜1795年にかけてカザフスタンやキルギスタン、アルタイ山脈、シベリア南部の山脈群などへの探検旅行に参加し、中国まで足を伸ばしました。その時ダイオウ(大黄) を発見し、ヨーロッパに報告しています。タルバガタイ山脈(Tarbagatai Mountains:カザフスタン東部の一部は中国との国境をなしながら東西約 300kmにわたって延びる山脈)に最初に訪れた植物学者といわれています。

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2015年12月26日 (土)

まだ咲いているヤクシマシソバタツナミ 
Scutellaria laetviolacea var. yakushimensis

ヤクシマシソバタツナミ(屋久島紫蘇葉立浪:Scutellaria laetviolacea var. yakushimensis:シソ科タツナミソウ属)がまだ咲いています。花の数は少なくなりますが真夏と真冬以外は年中咲いているようです。


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ヤクシマシソバタツナミは鹿児島県屋久島固有のタツナミソウで、海抜1000mくらいのやや湿った林の中に自生しています。
屋久島には1,000mから1,900m級の山々の連なり、九州地方最高峰の宮之浦岳 (1,936m) がそびえています。
南国生まれとはいえ低い気温に平気な植物です。

基本種のシソバタツナミソウはに比べると草丈は5~10cmで、やや小さいかなと思えます。
花は長さ1.5cmほどで、普通は青紫色から赤紫色の花をつけますが、この株は明るいピンクの花を咲かせています。
総状花序に数個の花をつけます。付け根でほぼ直角に曲がって、船のベンチレーターのように立ち上がります。
下弁には鹿の子模様があります。

長さ2cmにもならない三角状卵形の葉の縁には粗い鈍鋸歯があります。
葉は対生し、多数つきます。葉の数が多いというのも基本種のシソバタツナミソウと比べた時の特徴のようです。

ヤクシマナミキ(屋久島浪来)やヤクシマタツナミ(屋久島立浪)と呼ばれることがあります。
変種名のクロミダケンシス( kuromidakensis) は「(屋久島の)黒味岳の」という意味です。

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2015年8月11日 (火)

岩壁のタツナミソウ 
Scutellaria saxatilis

スクテラリア・サキサティス(Scutellaria saxatilis:シソ科タツナミソウ属)が咲き出しました。


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スクテラリア・サキサティスは米国東部、ペンシルバニア州から南へアラバマ州やジョージア州、ニュージャージー州から西へインディアナ州やアーカンソー州にかけての山地の森林の林床や丘陵の斜面、河に面する湿った岩床や岩壁に自生しています。

最近では湿った林床がなくなってきて数を減らし、州によっては絶滅危惧種に指定されています。

背丈は10〜20cmですが、40〜50cmになるという情報もあります。
長さ0.5〜2cmの葉は、タツナミソウ(Schtellaria indica)と同じ緩い鋸歯のある卵型あるいは心型をしています。
葉の長さほどの長い葉柄を持ち、茎から離れて両方に張り出しています。
茎は赤紫をし、非常に細くて短い毛がはえています。
葉は濃い緑色で、短い毛がまばらに生えています。葉裏も茎同様紫色をしています。

株が小さいせいか、花も小さく、長さ1cmあるかないかです。
濃い赤紫色で、タツナミソウ(Schtellaria indica)のように下唇に鹿子模様があります。
茎の頭頂に花序をつけるタイプではなく、葉腋に次々と花をつけていきます。
花が咲くのは6月と8月だそうです。

英名は rock skullcap, smooth rock skullcapで、岩盤,岩壁のタツナミソウです。
種小名のサキサティスは「岩の上に生じる、岩の間に生える」という意味で、英名同様、自生環境をあらわしています。

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2015年6月27日 (土)

テキサス・ローズ 
Scutellaria suffrutescens 'Texas Rose'

スクテラリア・スフルテスケンス「テキサス・ローズ」(Scutellaria suffrutescens 'Texas Rose':シソ科タツナミソウ属)が咲き出しました。


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スクテラリア・スフルテスケンス「テキサス・ローズ」はメキシコ産のタツナミソウです。
タツナミソウの仲間は草本だけではなく、亜低木、低木がありますが、「半低木の、亜低木の」という意味のスフルテスケンスという種小名が示すようにテキサスローズは木です。

高さは15~25cmほどの、本当に小さい木で、1番下の写真のように、下の方から芽吹いて、ブッシュ(スプレー)状によく分枝します。

茎頂にピンクからローズ色の花をつけますが、一斉に咲くということはないようです。
スクテラリア・スフルテスケンスは高温、乾燥に強く、秋口まで咲き続けるので、夏の花として重宝します。

葉は短い葉柄があり、鈍頭の1cmほどの楕円形で、ツヤがあり、少し厚みがあって乾燥に耐えそうです。

「テキサス・ローズ」という品種名がついていますが、ローズ色の濃い選別種のようです。
1986年にメキシコ北東部のモンテレイ(Monterrey)の西にあるホーステール滝(Horsetail Falls)の近くで採集され、1997年に「テキサスローズ」と名付けられたと言われています。
園芸業者では流通することはなく、NARGSで種子交換によく出ています。
咲くまでは色合いが想像できなかったのですが、愛らしいローズ色で、なるほど「テキサス・ローズ」というのは言い得た名だと思いました。

赤い花のタツナミソウといえばブラジル、コロンビア、ベネゼラなど南、中央アメリカ原産のスクテラリア・ベンテナティ(Scutellaria ventenatii)がありますが、この種類も低木です。
暑いところのタツナミソウは年中茂っているので木が多いのかもしれません。

もっとも寒いところであってもスクテラリア・アルピナ(Scutellaria alpina)ように亜低木があります。宿根草であれば地中から芽吹いてきますが、アルピナは春になると冬枯れした茎から葉が吹き出してきます。

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2015年6月16日 (火)

苞葉の大きなタツナミソウ  
Scutellaria ovata ssp. bracteata

スクテラリア・オバタ・ブラクテアタ(Scutellaria ovata ssp. bracteata:シソ科タツナミソウ属)が咲きました。


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これは2週間ほど前に咲き出した花の様子です。蕾が出てから花が開くことはありませんでした。閉鎖花が大きくなったと考えればいいのではないかと思います。花色も開かないまま薄くなっています。花の角度も垂直方向に対して、だらしなく垂れています。上唇弁が4裂しているのがわかります。ゲンコツを突きつけているような形です。


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 蕾が出てから3週間は経ったでしょうか、やっと開く花が出てきました。上の写真とは蕾の生きの良さが違っています。よく見ると苞葉を持たない花もあります。


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基本種のスクテラリア・オバタ・オバタ(Scutellaria ovata ssp. ovata)は米国北東部を除いて東部の森林に普通に見られるタツナミソウです。
しかし亜種のスクテラリア・オバタ・ブラクテアタは分布範囲が限られ、アパラチア山脈南部にしか分布していないそうです。

花はタツナミソウ属に多い紫色で、下唇弁に白いラインが入ります。
下唇弁が白いものもあるそうですが、上唇弁が4裂しているという以外これといった特徴はありません。

現地ではハート葉タツナミソウ(heart-leaved skullcap)と呼ばれているように葉の形に特徴があります。
が、形だけではなく葉の色も魅力的です。春から初夏にかけて紫がかったメタリックな色、薄紫の艶のある灰色、の葉になります。花穂が出てくる頃になると葉色は濃い緑になってきますが、葉脈に紫が残ります。

スクテラリア・オバタは基本種のオバタ(Scutellaria ovata ssp. ovata)、2種の亜種、ブラクテアタ(Scutellaria ovata ssp. bracteata)、ルゴサ(Scutellaria ovata ssp. rugosa)が知られています。
これらの亜種は苞葉の大きさで区別されます。

タツナミソウ属は葉腋に花をつけるものと花茎を立て、それを取り囲むように花をつけるものがあります。
日本のタツナミソウ(Scutellaria indica)は後者です、萼と同じくらい小さな苞葉があります。またスクテラリア・アルピナ(Scutellaria alpina)は大きくはないけれど、萼を隠してしまう目立つ苞葉を持っています。

スクテラリア・オバタは苞葉の様子で
オバタ(Scutellaria ovata ssp. ovata)  萼を包み込む程度の苞葉で葉柄はない。
ブラクテアタ(Scutellaria ovata ssp. bracteata)  葉柄があり萼より大きい苞葉を展開する。
ルゴサ(Scutellaria ovata ssp. rugosa)  イリノイ州の南部でしか見られず、全体が小さく(草丈30cm未満)で、葉も小さい(長さ4cm未満)
ということで区別されます。

属名オバタは「卵形の」という意味で、葉の特徴を示しています。
英名も heart-leaf skullcap(ハート葉タツナミソウ)です。
亜種名ブラクテアタは「苞葉のある」という意味です。

もう一つの亜種名ルゴサは「縮んだ、シワのある、シワがある縮み方の」という意味です。

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2015年6月15日 (月)

白いタツナミソウ 
Scutellaria albida subsp. velenovskyi

スクテラリア・アルビダ・ベレノフスキイイ(Scutellaria albida subsp. velenovskyi:シソ科タツナミソウ属 )が咲いています。


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スクテラリア・アルビダ・ベレノフスキイイは主にバルカン半島からトルコに至る、スロバキア、ポーランド、ウクライナ、ルーマニアにまたがるカルパティア山脈(Carpathian Mountains)の乾燥した牧草地に自生しています。

背丈が30〜60cmで、全草がはっきりとした白い腺毛で覆われています。

葉は対生して付き、その葉腋に花をつけます。茎を挟んで花は2個ずつ、茎に対しておおよそ60°の角度で同じ方向を向いて咲きます。
花は白っぽいクリーム色で、長さが2cm弱の二唇形をしています。
上唇弁の下から黒っぽい雄しべが出ているので、花の先の方に黒い点があるように見えます。
下唇弁に赤紫の模様が入るものもあるようです。

葉色が明るい緑色をしているので、白い毛で覆われているのがソフトな感じが強調されて似合っています。
葉は長さ3〜5cmの卵型から三角形をしており、粗い鋸歯があります。

亜種名ベレノフスキイイはチェコ・プラハ大学の植物学教授のベレノフスキイー(Josef Velenovský:1858–1949) さんに因みます。菌類、シダ類、コケ類などの専門家で、化石などの調査も行っています。

基本種のスクテラリア・アルビダはブルガリア、ギリシャ、ルーマニアなどの南東ヨーロッパに分布する多年草で、海抜1700mまでの山地に自生します。
アルビダという種小名は「白っぽい、色白の」という意味で、乳白色の花の色を指しています。

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