2018年5月21日 (月)

ギリシャ・ディオニサデス島のムスカリ 
Muscari dionysicum

ムスカリ・ディオニシクム(Muscari dionysicum:ユリ科ムスカリ属)が咲きました。


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ムスカリ・ディオニシクムはギリシャのクレタ島北東部の小さな島のディオニサデス(Dionysades)島やディーア(Dia)島、アナフィ(Anafi)島やエーゲ海南東地域のキクラデス(Cyclades)諸島の海抜400mまでの海岸近くに自生してます。

プラントコレクターのアントワーヌ・フーグ(Antoine Hoog)さんが、ギリシャとアルバニアの境のグラモス山(最高峰海抜2520m)で採取したコレクション、レオポルディア・ワイジーAH8965(Leopoldia weisii AH.8965)とされた株が起源のようです。
レオポルディア・ワイジーAH8965はレオポルディア・ディオニシア(Leopoldia dionysia)の異学名で、レオポルディア・ワイジーと似ても似つかぬ美しい花だとされています。
アントワーヌ・フーグさんが見間違えたようです。

葉は1.0cm幅の線形〜長披針形で、冬の寒い時期から上方に向けて4・5本出ています。

もう咲かないのかと思っていたら、4月終わりから5月に入ってから花序が顔を出します。
花茎の高さは25〜40cmで、まれに60cmに達することもあるそうです。

花序の上部には赤紫の花(不稔性花)が上に向かって開き、レオポルディ・コモサ(Leopoldia comosa:ユリ科ムスカリ属)に代表されるいわゆる羽根ムスカリといわれる仲間です。

下部の稔性花は、花序が伸びるにつれ、間隔が開き、緑の蕾が赤く色づいていきます。
赤くなった花は、花の開口部が開くのにつれ、黄色から薄黄土色に変わっていきます。
開口部は強く萎んでいるわけではありませんが、大きく開いていないので覗いても中の様子は分かりません。

先日の風の強い日、不稔性花の少し下の方で折れてしまいました。写真は折れたまま置いておいたものです。
折れてしまなければどんなに大きく開くのかと思いますが、来シーズンの花に期待します。

種小名ディオニシクムはクレタ島北東部の「ディオニサデス(Dionysades)島産の」という意味です。

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2018年5月 2日 (水)

細長い花のレオポルディア Leopoldia tenuiflora

レオポルディア・テヌイフロラ(Leopoldia tenuiflora:ユリ科レオポルディア属)が咲きました。


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レオポルディア属はシラーに近い仲間で、カナリア諸島、島々を含む地中海沿岸からイランまでの広い範囲に分布し、生態的に適応性のある球根植物です。
ムスカリより背が高く、遅咲きで、晩春から初夏に花を咲かせます。

レオポルディア属は花序の下部に咲く稔性花は褐色から黄色、時には白色をしており、上部の不稔花は青や藤色時にはピンクをしています。
花の先があまりすぼんでいないのでムスカリ属から外されたのだと思います。

大きな球根から白い太く短い根を出します。

ところでレオポルディア属の多くは以前はムスカリ属の中のレオポルディア亜属に含まれていました。
レオポルディア属という名称自体は、英国の牧師で、植物学者、植物画家のウイリアム・ハーバート(William Herbert:1778–1847)さんが、アメリカ大陸に自生するアマリリスの仮称として1819年に用いたのが最初だそうです。
しかしそのアメリカ大陸のアマリリスの仲間は、今日ではレオポルディアではなく、ヒッペアスツルム属(Hippeastrum)と呼ばれています。

ハーバートさんのアマリリス属に関する書籍('Amaryllidaceae':1837)に、ベルギー国王レオポルド1世(Leopold I:1790-1865)に献呈したとあり、彼と交流のあったレオポルド1世に因んでレオポルディアと名付けたようです。

1845年にイタリアの植物学者のフィリッポ・パルラロトーレ(Filippo Parlatore:1816–1877)さんがムスカリから再分類することを提案した時にレオポルディアの名を使用しました。
1970年になってパルラロトーレさんの分類が、この種類のムスカリに対する保留名(新しい発見物についての命名権)になったとそうです。今ではレオポルディアを命名者と共に表記する際にはLeopoldia Parl. とし、命名者としてパルラロトーレさんの名が記されます。

さてレオポルディア・テヌイフロラはドイツやイタリアから東にウクライナ、イラン、サウジアラビアまで分布しています。

背丈は20〜50cmになり、長さ10〜25mmの細い筒状花を、晩春から初夏にかけて咲きます。
下部の稔性花は黄色で、上部の不稔花は花柄がなく紫色をしています。
花の先は焦げ茶色で、少しすぼんでいるのでムスカリ属のような感じがします。

葉は2〜4枚で、長披針形をしていますが、写真のように葉が枯れてしまいました。
レオポルディア属は寒い時期から葉を伸ばしていますので、この冬の寒さに当たって、傷んでしまいました。
花序が出た頃は、葉先が枯れているだけでしたが、花が開くにつれ枯れてしまい、今は葉がありません。
来年のことを考えてこの後すぐ花茎を切ってやりました。

チェコの植物学者イグナツ・フリードリッヒ・タウシュ(Ignaz Friedrich Tausch:1785-1848)さんが発見し、1878年にドイツ生まれの植物学者で、ギリシャでアテネ植物園の園長をしたテオドール・フォン・ヘルドライヒ(Theodor Heinrich von Heldreich:1822-1902)さんが命名しました。

英名は細花グレープヒヤシンス(narrow-flowered grape hyacinth)です。
種小名は「細い、薄い、肉のない(tenuis)花の(florum)」という意味で、英名のように細い花の形状を指しています。
ムスカリの仲間の中では長い花筒ということなのでしょう。

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2018年4月23日 (月)

昨年と様子が違うムスカリ・グランディフォリウム 
Muscari grandifolium

ムスカリ・グランディフォリウム(Muscari grandifolium:ユリ科ムスカリ属)が咲き終わりつつあります。


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ムスカリ・グランディフォリウムについては昨シーズンの記事をご覧下さい。

昨年と同じ球根ですが、冬の寒さが影響したのでしょうか、少し様子が違います。

ムスカリ・グランディフォリウムは2色咲きなのですが、今年は花序の上の方の薄青色の不稔花が付いていません。
蕾の頃から既に枯れています。
不稔花なのでエコな咲き方をしたのでしょうか。

稔性花の方は青黒色ですが、今シーズンは赤紫色になってしまいました。

ただ「大きな葉の」という種小名が示すように、その特徴が強調されて葉が増え、大きく茂ったような気がします。

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2018年4月21日 (土)

疑わしいという名のベルバリア
  Bellevalia dubia ssp. boissier

ベルバリア(ベレバリア)・ドゥビア(Bellevalia dubia ssp. boissieri:ユリ科ベルバリア属)が咲きました。


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ベルバリア・ドゥビアは地中海沿岸の球根植物で、イタリア南部、ギリシャを含むバルカン半島、トルコ西部の斜面の瓦礫地に自生しており、ヨーロッパではよく目にするベルバリアのようです。

葉は幅1.5cm、長さ10〜15cmの長披針形で、3〜6枚現れ、地面に伏します。

花序が出てきた頃は大きくなるようには見えませんが、最終的に花茎は15〜30cmの高さになります。

蕾は最初緑色ですが、大きくなるにつれ青紫に色づきます。
花は0.5〜1cmの円筒形で開口部が6裂してベル状に開きます。

花の色が青紫色の頃は、この色で花が開くのかと期待が膨らみます。
花序が上に伸びていき、上の花との間隔が空くようになると、日の当たる上面は青紫色が残りますが、日陰になる下面から、茶褐色の筋が入るようにして薄茶褐色を帯びてきます。

開口部に裂け目が入り、裂片が反り返る頃には全部が濃褐色に変化します。
成熟すると茶褐色に変化するのでしょうか。
それから後は枯れてないのか、枯れているのか分からなくなります。

ベルバリア属の宿命のようなものですが、茶色い花というのは、あまり美しいものではありません。
園芸的に流通していないベルバリア属を育ててみると、その理由が理解できます。

種小名のドゥビアはラテン語のdubiumで 「不確実な、疑わしい」という意味です。どのような特徴を指しているか分かりません。

亜種名のボワシエリはベルバリア属に関してよく名前が出てくるスイス人の植物学者ピエール・ボワシエ(Pierre Edmond Boissier:1810〜1885)さんに因みます。

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2018年4月20日 (金)

雪のベレバリア 
Bellevalia nivalis

ベルバリア(ベレバリア)・ニバリス(Bellevalia nivalis:ユリ科ベルバリア属)が、知らないまに咲いていました。


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ベルバリア・ニバリスはキプロスからレバノン、シリアにかけての地中海東部沿岸に分布します。
花を開く3〜4月の時期に雪の残る乾燥した平地、砂漠地、山地の斜面に自生しています。

ベルバリア・ニバリスは垂直分布によって、つまりキプロスの低地のものと最高峰の海抜が3,088 mのレバノン(Lebanon)山などの高地(海抜1000〜2000m)に自生するものでは形態が違っているという論争があり、 低地に自生するものをベルバリア・ピエリディス(Bellevalia pieridis)と分類すべきだという提案がなされています。

花茎は10cmほどの高さで、蕾の時は密についていますが、開くにつれ、花茎が伸び、下の花との間隔が開きます。

乳白色の蝋で作ったような厚みのある釣り鐘型の花は、先が6裂し、やや反り返って開きます。
花は地味で目立ちませんが、開口部から紫青色の雄しべを覗かせ、それがチャーミングです。
産地によっては上部の蕾が薄緑であったりピンクを帯びている個体があるそうです。

長さ10〜15cm、幅1cmまでの剣型の青緑色の葉は2〜5枚現れます。

播種後4年目にして3本のうち1本が咲きました。、
初花だったせいか、寒かったせいか、この個体は花序が短く、花茎が伸びず、結果、この写真のように少々情けなく咲いています。
また花柄も長くなり、他とは雰囲気の違う、その姿を見てベルバリアとは思えないベルバリアとなりました。

スイス人の植物学者ピエール・ボワシエ(Pierre Edmond Boissier:1810〜1885)さんとオーストリアの植物学者、植物収集家カール・コチュヒ(Karl Georg Theodor Kotschy:1812-1866)さんによって1859年に公表されています。

異学名はHyacinthus nivalisやHyacinthus pieridisで、以前はヒヤキンツス属に分類されていました。
種小名のニバリスは「氷雪帯で育つ」という意味で、雪の残る高山で発見されたことを推測させます。
スノードロップ(Galanthus nivalis)も同じ種小名ですが、このベルバリアの英名も学名に由来し、Snow bellevalia(雪のベレバリア)です。

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2018年4月18日 (水)

また咲いたムスカリ・ウラリイ 
Muscari vuralii

12月に咲いたムスカリ・ウラリイ(Muscari vuralii:ユリ科ムスカリ属)がまた咲きました。


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ムスカリ・ウラリイについてはその時の記事をご覧下さい。

12月の時に比べると背丈は低く、5cmほどしかありません。
線形の細い葉が12・3本ほどに葉数が増えています。

また花の色が鮮やかになっているような気がします。
暖かくなって見る者の気持が違っているからかもしれません。

小さいというだけではなく、花に比べて花茎が太く、花はふっくらして、白い広い帯になった花びらの先がお茶目に反り返って、可愛いムスカリです。

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2018年4月17日 (火)

ミニチュアムスカリ 
Muscari 'Maxabel'

ムスカリ「マックスアベル」(Muscari 'Maxabel':ユリ科ムスカリ属)が咲いていました。
あまりに小さいので咲いたのを見落としていました。


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ムスカリ「マックスアベル」はジョー・ビショップ( Joh Bishop)さんが作出し、2人のお孫さんの名前を組み合わせて付けたそうです。
それをムスカリ・グルデライト(Muscari GulDelight)などを販売しているオランダのデ・シャローム(De Schüllhorn)ナーセリーの方たちに見せたそうです。
その権利(Plant variety rights (PVR))をデ・シャローム・ナーセリーが買い取り、広がっていったようです。

いつ頃のことか詳しくは分かりませんが、ムスカリ「マックスアベル」の名は2012年にはデ・シャローム・ナーセリーのHPにアップされていました。
2009年にネット上にはムスカリ「マックスアベル」の名が登場しますので、私は知らなかったのですが、かなり以前からヨーロッパでは販売されていたようです。

背丈は10cm足らず、上部が青白色で、下部が明るいブルーの2色に咲分けます。
とにかく小さくて、開口部から中を覗いても何も見えません。
長くて10cmほど、幅1cmほどの剣状をした葉は地面を這います。

葉が細長い三角形をしているという特徴などからムスカリ・オクリ(Muscari aucheri:ユリ科ムスカリ属)が親になっているのではないかと思っています。

昨年も見落としていて、ブログにアップしていません。
発芽率はよいようで、昨年稔った種がかなり沢山芽を出していました。

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2018年4月 4日 (水)

クリーム色の最新ムスカリ 
Muscari macrocarpum'White Triumphator'

ムスカリ・マクロカルプム「ホワイト・トライアンファター」(Muscari macrocarpum'White Triumphator')が咲きました。


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3月28日の様子


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3月31日の様子


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4月2日の様子


原種のムスカリ・マクロカルプムはエーゲ海の諸島からトルコ北西部などの岩場に自生しています。

ムスカリ・マクロカルプムは以前はムスカリ・モスカツム・フラブム(M. moschatum var. flavum)という名で知られていました。後にムスカリ・モスカツムの変種ではなく、独立した種としてムスカリ・マクロカルプムと分類されました。
ムスカリ・マクロカルプムの花は、蕾の時は白みがかった青紫色をしており、開花すると全てが黄色い花を咲かせます。

黄色い原種に対してムスカリ・マクロカルプム「ホワイト・トライアンファター」は灰緑色の蕾を立ち上げ、咲き進むにつれ白クリーム色に変わっていきます。
上の方の蕾は灰緑色のままでグラーデーションのきいた2色咲きになっていきます。

蕾の花筒の先には6個の膨らみ(副花冠)があり、開花すると副花冠を含む花の先が濃く色づいてきます。
着色し始めはグレーで、それが茶褐色になっていきます。

原種は黄色が茶褐色になるので枯れているように見え、美しい変化とは思えません。
「ホワイト・トライアンファター」はクリーム色花の色と焦げ茶色の色合いのコントラストが山水画のようで、たいへん魅惑的です。
「ホワイト・トライアンファター」の2色の組み合わせは植物には珍しいと思うのですが、コリダリス・ヌディカウリスのコーヒーとクリームの2色を思い出しました。

葉は4〜6枚で、長さ10〜20cmの青緑色の幅1cmほどの細長披針形で、湾曲します。

品種名のホワイト・トライアンファターは「白い勝利者」という意味です。
種小名マクロカルプムはギリシャ語由来で、「大きな(macro)果実の(carpus)」という意味で、大きなタネが稔ることを指しています。

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2018年4月 2日 (月)

ターコイズブルーのムスカリ 
Pseudomuscari forniculatum

プセウドムスカリ・フォルニクラツム(Pseudomuscari forniculatum:ユリ科プセウドムスカリ属)が咲きました。


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3月17日、ターコイズブルーの花序が見えてきました。


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3月29日の様子。2番目の花序も顔を出しました。


プセウドムスカリ・フォルニクラツムはトルコ東部、トルコの黒海沿岸から150kmほど南の都市エルズルム(Erzurum)近くのパランドケン(Palandöken)山などに自生しています。
冬に雪の積もる海抜1800〜2400mの粘土質の湿った山地の草原で見られるようです。

この植物は1922年にロシアの植物学者フォーミン(Aleksandr Vasiljevich Fomin:1869-1935)さんによってベルバリア属(ベルバリア・フォルニクラツム:Bellevalia forniculata)の植物として命名されました。
しかし971年にイタリアの植物学者のガルバリ(Fabio Garbari:1937-)さんによってプセウドムスカリ属に移されました。

プセウドムスカリ・フォルニクラツムは、ムスカリにしては結構大きな幅のある長披針形の長さ15〜30cmの葉が2・3枚あらわれます。
この株は1枚しか葉は出ませんでしたが、花序が出てきた頃に、1枚目と同じ側から出てき、その後もう1枚出てきました。
一番長い葉は先の方が巻き込むようです。

葉が出た後15〜30cmの花茎が立ち、それがなんとも言えないブルーの色をしています。
ターコイズブルーと言いたい悩ましい色です。
ブライアン・マシュウ(Brian Mathew1936–)さんの古い著書「小さな球根('The Smaller Bulbs', 1988)」には「私が知っている球根植物では最も衝撃的な青(startling Blue)」と表現されています。
もうそれだけで心躍ります。

短い筒部の、ほとんど釣鐘型の花を、長い花柄につけ、俯いて咲いています。
まるでスズランのような花の付き方です。
花の開口部はつぼんでおらず、浅く6裂しています。

花茎の下の方は緑色ですが、花茎が花序となっている部分や小花柄は、花同様濃いパステルカラーのブルーをしています。
花が開くと、花披に白い色が入るようになり、遠目にはブルーも空色になってきます。

これだけ魅力的なムスカリなのに流通しないのは、不稔性が強いために実生で増やすことは困難で、それ故オランダの園芸業者が興味を示さないという話を読んだことがあります。

雪溶けとともに咲き出すそうですが、花を咲かせるために特に湿った環境が必要ということではないようです。
むしろ高山性の気候地域に自生しているので、夏に乾燥させすぎると球根がダメになるようです。

種小名のフォルニクラツムはラテン語の「アーチになった(fornic)」と「樹木や葉柄の基部(culatum)」に関連しているようで、葉の様子を示しているものと思われます。

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2018年3月20日 (火)

大きな果実のムスカリ 
Muscari adilii

ムスカリ・アディリィ(Muscari adilii:ユリ科ムスカリ属)が咲きました。


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3月2日の様子


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3月10日の様子


ムスカリ・アディリィは1999年に発見された新種のムスカリで、中央アナトリア(小アジア)西北部のアンカラ地方のベイパザル(Baypazari)周辺でしか自生していません。
ベイパザルは海抜600mほどの高地で、トルコの地中海沿岸地方と違って、夏の乾期はなく、年間通して降雨の少ない乾燥(砂漠)地帯です。
ムスカリ・アディリィはそのような日差しの強い石灰岩のがれ地に自生しています。
狭い範囲にしか分布していなかったため発見が遅れたようです。

赤紫色をした花茎に穂状(すいじょう)花序に花を付けます。
花序の長さは3〜5cmで、非常に小型です。
写真のポットは9cm角ですから、小さいことがお分かりいただけると思います。

花も背丈に比例して小さく、壺型で、濃い青紫色をしています。
花が開き出す頃、開口部をよく見ると、かすかに白い筋が入っています。

葉はやや幅のある披針形で、2・3枚の葉は地面に反り返ります。

花後幅1cmほどの灰色のおむすび型をした大きな蒴果が稔るそうです。
花は小さいですが、驚くほど大きな莢に納まっています。
種が稔ったらまた報告します。

種小名アディリィはトルコ、アンカラ大学の植物学の教授アディル・グナー(Adil Güner:1950〜)さんに因みます。彼は「Turkish Journal of Botany」を始めとしていくつかのトルコの植物学雑誌の編集者を務めています。

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