2019年5月23日 (木)

チョコレート葉のコリダリス・オフィオカルパ Corydalis ophiocarpa

コリダリス・オフィオカルパ(Corydalis ophiocarpa:ケシ科キケマン属)が咲いています。

コリダリス・オフィオカルパはヒマラヤ東部、チベットから四川省、雲南省までの1000m〜2500mの渓谷や森林、草原に自生する2年草です。
本州、四国の森林や林縁に自生するヤマキケマン(以前の学名はCorydalis japonica あるいは Corydalis makinoana)と同じとされています。

コリダリス・オフィオカルパについて、詳しくはこちらをご覧ください
ヒマラヤ産と日本産の2つに共通しているのは種小名が示す莢の特徴だけです。

ヒマラヤ産と日本産では葉の様子が違っています。今年は冬場のチョコレート色が花の時期まで続いています。
2008年から育てています(本当はこぼれ種で継続しているだけです)が、例年なら灰色がかった緑色です。
花は例年通りですが、今年は莢を含め美しいチョコレート色をしています。
変異が生じたのかもしれません。

 

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2019年4月15日 (月)

オレゴンのディケントラ Dicentora formosa ssp. oregona

ディントラ・フォルモサ・オレゴナ(Dicentora formosa ssp. oregona:ケシ科ディケントラ属)が咲き出しました。

ディケントラ・フォルモサ・オレゴナはオレゴン州南部からカリフォルニア州南部のシスキュー山脈の蛇紋岩土壌(鉄を多く含む痩せたアルカリ土壌で、赤い色をしています)地に分布しており、2種の亜種が知られています。

亜種フォルモサ(Dicentra formosa subsp. formosa)は葉の下部だけ白い粉に覆われており、花は紫がかったピンクから白い色をしています。
亜種オレゴナ(Dicentra formosa subsp. oregona)は葉の上面も下面も白い粉を吹き、花の色がクリーム色や薄い黄色をしています。

ディケントラ・フォルモサ・オレゴナについて詳しくはこちらをご覧ください

 

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3月30日 内花弁の赤い付属物が蕾のうちからはっきりわかります。

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3月27日の様子。花序が出てきました。

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3月12日の様子 葉は緑になってきました。

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3月5日 初めて出てきた葉は赤い色をしていました。

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2019年4月 8日 (月)

半ズボンの花 Dicentra cucullaria

ディケントラ・ククラリア(Dicentra cucullaria:ケシ科ディケントラ属)が咲いています。

ディケントラ・ククラリアは北米の北東部に分布し、角が生えたような面白い形の花を咲かせます。

詳しくはこちらをご覧ください

 

 

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Dicentracucullaria4

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2019年3月27日 (水)

ムラサキケマン Corydalis incisa

 ムラサキケマンが咲いています。 わざわざムラサキケマンを育てている人は少ないと思います。しかし近くで見るとなかなかかわいい花です。
ムラサキケマン は球根性のコリダリスとは違い、茎が塊のように太った地下茎を持っています。
冬も枯れることなくチャーミングな葉を出して寒さに耐えます。 これで全体のサイズが小さければ言うことないんですが。

ムラサキケマンについて詳しくはこちらをご覧ください


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苞葉から花が現れてきました。

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花茎が立ってきましたが、花は苞葉に包まれています。

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春の葉と違い、冬の葉には白い模様が入っていることがあります。

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2019年3月15日 (金)

残念なコリダリス・デンシフロラ 
Corydalis densiflora

コリダリス・デンシフロラ(Corydalis densiflora:ケシ科キケマン属)が咲いています。

コリダリス・デンシフロラはイタリア南部やシチリア島、地中海を挟んだアルジェリア北部に分布しています。
花茎がまっすぐに立ち上がらなく、横に寝てしまいます。
残念なコリダリスです。

詳しくはこちらをご覧ください



花茎が寝たまま、ポットから飛び出しています。
苞葉の大きいことがわかります。

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小花梗と下の花弁の接しているあたりの膨らみも距です。

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葉は普通に展開していますが、花茎は寝ていて、立ち上がる気配はありません。
この時期は苞葉の方が花より大きく、花序が隠れています。

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2019年3月 9日 (土)

赤い筋の入るコリダリス 
 Corydalis glaucescens

コリダリス・グラウケスケンス(Corydalis glaucescens:ケシ科キケマン属)が咲いています。

コリダリス・グラウケスケンスは中国中部の天山山脈や、パミール高原から北に延びるアルタイ山脈のに分布しています。

特徴は上弁の先端に長さ5mmほどの赤い筋が入っていることです。
上弁の先端に文様がついているのは多くのコリダリスで普通に観察されますが、線が入っているのは珍しいと思います。

コリダリス・グラウケスケンスについての詳しい情報はこちらにあります



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2018年5月 5日 (土)

ブルーコリダリス 
Corydalis cashmeriana

コリダリス・カシミリアナ(カシュメリアナ)(Corydalis cashmeriana:ケシ科コリダリス属)が咲いています。


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コリダリス・カシミリアナは種小名から類推できるようにヒマラヤ、カシミール地方を中心に、ブータン、北インド、ネパールなどの海抜3000m〜4500mの高山地帯に分布しています。
高山の北面の斜面や背の低い植物の茂る岩場の草原や希に岩礫地に自生しています。
現地では5月頃から8月頃まで咲いているようです。

球根性のコリダリスのように丸い球根ではなく、円錐形の貯蔵根を持っています。
したがって球根(塊茎)を持つコリダリスには含まれず、宿根性のコリダリスに分類されます。

草丈は5〜20cmほどで、根茎からは何本も根生葉が出ます。
青緑色の葉は大きく3片に手掌状に裂け、互生してついています。
苞葉は不規則に披針形に裂けています。

草丈より高くならないで、葉と同じ高さで総状花序に少数の、1〜7輪の花をつけます。
花の長さは15〜20mmほどで、透明感のあるブルーのスラッとした花です。

内側の花披の先端の一部はやや濃いブルーをしており、さらに奥の方は白色をしています。
外側の上花披には鶏冠があり、大きく目立つ下花披にはくぼんだ溝があります。
花は枯れる頃になると色があせます。
萼片は2枚あるそうですが、小さくてよく見えません。

果実は1.5cmほどの細い楕円形をしています。

インド生まれの英国人植物学者ロイル(John Forbes Royle:1798–1858)さんによって1838年に公表されています。
1933年に2人のプラントハンターが種子を英国に持ち帰り、園芸化が始まっています。
衝撃的だったのでしょう、すぐに王室園芸協会からCertificate of Meritを受賞しました。
夏の暑さを乗り切るためにはスコットランドでは難しかったようで、スカンジナビア半島で増殖したようです。
しばらくして1938年にはAward of Meritを受賞しています。

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2018年5月 4日 (金)

断崖のコリダリス 
Rupicapnos africana

ルピカプノス・アフリカナ(Rupicapnos africana:ケシ科ルピカプノス属)が咲き出しました。


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距と萼


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小さい苞


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楕円形の果実


ルピカプノス属は以前はフマリア(Fumaria)属に含まれていましたが、再分割されスペイン南部やアフリカ北西部に7種が知られています。

ルピカプノス属は1年草、あるいは寿命の短い多年草で、背丈は高くならず、クッション状に横に広がります。
肉厚の葉は2回あるいは3回羽状に付き、小葉は線形、楕円形、披針形をしています。
花は5〜40輪が短い花柄に散房花序につきます.
花は白からピンク、紫色で、花の先は濃紫色か白色をしています。
石灰岩の裂け目や砂岩の切り立った崖や突き出た壁にへばりついて垂直にクッション状に広がります。

ルピカプノス・アフリカナは根茎様の根を持ち、光沢のある灰青色の線状から楕円形の小葉を持つ肉厚の葉が前年秋から現れます。
この葉を指して一般に「多肉パセリ(fleshy parsley)」と呼ばれているようです。

亜種として次の4種が知られています。
 Rupicapnos africana subsp. decipiens(亜種名の意味:騙す、欺く)
    スペインに多く、白い花を咲かせる。
 Rupicapnos africana subsp. africana(アフリカの)
    ピンクや紫の花をつけ北アフリカに限定される。
 Rupicapnos africana subsp. cerefolia(蝋状の葉の)
    subsp. africanaとよく似ているが線形状の小葉を持つ。
 Rupicapnos africana subsp. gaetula(北アフリカ・アトラス山脈の南斜面に対する古代ローマ呼称の)
    subsp. africanaとよく似ているが果実が丸くて小さい。

春から夏近くにかけて長さ1.2〜1.6cmのピンクがかった灰色の花を多数、散房花序(総状花序の一つで、同一平面上に咲く花序)につけます。
総状花序に花を付けるコリダリス属とは違っています。

厚みのある花弁は4枚で、上下に開く外側の花弁の中から顔を覗かせる内側の花弁は暗紫色に着色し、目立ちます。
外側上花弁に続く距は太く短く、4mmほど、外側下花弁の距はかすかに膨らむ程度です。
小さな苞には切れ込みが入っていなく、目立たない萼は2枚あります。

果実は楕円形をしています。

海抜300〜700mの山地の石灰岩や砂岩の切り立った崖から垂れるようにして咲いているようです。
地中海性気候性の土地に育つので、水はけがよい土壌で、少ない水分でいいようです。

英名は「多肉パセリ(fleshy parsley)」や学名から「絶壁の煙(cliffs smokes)」です。
異学名はフマリア属に入れられていた時の学名、花が散房花序(corymb)につくことからFumaria corymbosaです。

種小名アフリカナは地中海のアフリカ側に分布したことに由来します。

属名はラテン語の「崖(ルピ)」とギリシャ語の「煙(カプノス)」に由来します。
ケシ科のこの属の名が「〜カプノス」とつけられることによります。同じ科の他属に共通するシダのような裂片葉という特徴があるのに対して、ルピカプノス属やダクティリカプノス属、ランプロカプノス属は全縁の複葉を持つので、このように称されたということです。

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2016年5月31日 (火)

血の噴き出す心臓
Lamprocapnos spectabilis

ケマンソウ「バレンタイン」(華鬘草:Lamprocapnos spectabilis 'Valentine':ケシ科ランプロカプノス属)が咲き終わりました。


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外花弁が開く前の様子


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内花弁が開いた時の拡大写真


ケマンソウはシベリア、中国東北部(黒竜江省)、朝鮮半島、日本に分布する宿根草です。
以前はディケントラ属(Dicentra)に含まれていました。フミリア(Fumaria)属やディクリツラ(Diclytra)属に含まれていたことがありますが、今はランプロカプノス属に再分類され、ランプロカプノス属はこの1種類だけで構成されています。

ケマンソウは1840年代にスコットランドの植物家で、プラントハンターのロバート・フォーチュン(Robert Fortune:1812-1880)さんによって英国に紹介されました。フォーチュンさんは中国からインドへチャノキを持ち出した人です。またキンカン属の学名フォーチュネラ(Fortunella)は彼の名に因みます。

草丈は30〜100cmほどになる根茎を持つ宿根草です。
茎は赤い色を帯び、2回3出複葉の葉は、普通は灰緑色ですが、「バレンタイン」は芽出しの時には茶紫色で、しばらくすると濃緑色に変わっていきます。

春から晩春に、アーチ状に湾曲した花茎を伸ばします。
総状花序にハート型をした花を下向きにいくつもつけます。
このハート型の外花弁はピンクから赤色をしており、先の両端が細長く、開花すると大きく反転します。
「バレンタイン」は花の色がチェリーレッドになる選別種です。
内花弁は白い色をしています。

上手く育てると花が10輪以上垂れ下がって咲くので「鯛釣草」とも呼ばれています。
「リラ(古代ギリシャの竪琴)フラワー(lyre flower)」や「浴槽の女性(lady-in-a-bath)」という英名と比較して、日本ではめでたい名がつけられたようです。
もっとも「オランダ男性の砲尾(Dutchman's breeches)」という名もあるようですが、これって卑猥な意味なんでしょうね。

秋に地上部が枯れて休眠に入ります。
種子にはエライオソーム(elaiosome)がついていて、蟻によって遠くまで運ばれるそうです。
湿った冷涼な地域では日なたで育ちますが、乾燥した温暖なところでは日陰の方がいいようです。

このタイプの花を咲かせる種類は「血の噴き出す心臓(Bleeding heart)」という英名があるので、Asian bleeding-heart(アジアの血のしたたる心臓)と呼ばれます。

属名のランプロカプノスはギリシャ語で「輝く(ランプロ)煙(カプノス)」という意味です。
同じカプノスとつけられているダクティリカプノス同様、煙という言葉がつくのは、同じ科の他属に共通するシダのような裂片葉という特徴があるのに対して、ダクティリカプノスやランプロカプノスは全縁の複葉の葉を持つので、こうつけられたということです。

種小名スペクタビリスは「壮観な、華々しい」という意味です。

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2016年5月25日 (水)

西海岸のディケントラ 
Dicentra formosa

ディケントラ・フォルモサ「オーロラ」(Dicentra formosa ‘Aurora’:ケシ科ディケントラ属)が咲きました。


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ディケントラ・フォルモサ「オーロラ」は、ドイツのドイツの庭師で植物育種家のパゲルズ(Ernst Pagels:1913ー2007)さんが、ディケントラ・フォルモサを親としてディケントラ・エクシミア(Dicentra eximia)系との交配によって生まれたといわれています。

灰緑色の葉は全て根出葉で、羽状に細く切れ込んでいます。ハート型のふっくらした白い花咲かせます。
咲き始めは花全体が純白ですが、少し経つとクリーム色になり、外花弁の反転している部分は緑黄色、内花弁の先は紫色になってきます。
何より嬉しいのは「オーロラ」は高温多湿に強いという特徴があります。


ディケントラ・フォルモサは米国バンクーバ島やカナダ、ブリティシュコロンビア州南部からワシントン州、オレゴン州を経て、シェラネバダ西方斜面やカリフォルニア海岸やカスカデ山に至る範囲の平地から亜高山に分布しています。
要するに北米の太平洋沿いの海岸線に沿って分布するので一般には Pacific bleeding heartと呼ばれています。
bleedingとは「血の吹き出た」といった意味です。またbleeding heartは「弱者に同情する人」を指します。


ディケントラ・フォルモサは湿気のある林間や川の土手などに自生し、鱗状の根茎を持つ多年草で、ピンクや赤、白いハート型の花をぶら下がるように咲かせます。

ディケントラ・エクシミアはピンクや紅紫の花をつけ、ペンシルベニア州南西部から南へテネシー州やノースカロライナ州にかけてのアパラチア山脈の海抜100〜1700mの山麓部に自生しています。森林地帯の岩石露頭地の裂け目などで見かけるようです。

またディケントラ・エクシミアは、ディケントラ・フォルモサとは花の形が細長く、明らかに違った形をしています。ディケントラ・フォルモサの外花弁は2〜4mmで短く、少し開く程度ですが、ディケントラ・エクシミアの外花弁は4〜8mmと長く、外側に大きく反り返ります。

両者は北米大陸の東部と西部に分布していますので、自然状態では交配することはないと思われます。
「オーロラ」は花の形から、交配種といえどもディケントラ・フォルモサと同定できます。

和名はハナケマンソウです。
属名はラテン語のディ(dis:2つ)とケントロン(kentron:角のある)の造語で、2つの距を持つという意味です。
ハート型の距を持つ花の特徴を示しています。

種小名フォルモサは「美しい、華美な」という意味です。

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